暗殺者は王子に溺愛される

竜鳴躍

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楽しいピクニック

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ボヌールは当面、サンダルフォン公爵家にいることになった。

寮で問題が起きたけど、アン様が確認したところ、ボヌールにも問題があり、勘違いではあったが、色々考えて、暫く預かることにしたらしい。


『まずは、もう少し心のケアが先だと思う。』と、デューク様は言っていた。


そして今日は侯爵家の湖畔でピクニック。

公爵家の馬車で、トロワ、アン様とデューク様、ボヌールがやって来る。

リリーナ様は、今日は予定があるらしい。


「みんな、いらっしゃい!」

子どもの時のように、鬼ごっこやかくれんぼをして遊ぶ。

「やっぱりボヌールは足が速いな。」
トロワは息を切らしている。

「俺の次くらいに早かったからな。筋力をつければ、戦闘術でもついていけると思う。トロワより強くなるかも。」

「え~?!」

クスッ、とボヌールが笑う。

そうだよ、君は快活な子だった。

自分を取り戻して。



ボヌールがふと、大きな木に目をやった。

「あれ、上りたいな。」

「いいよ、みんなで上ろうか。」

アン様とデューク様がギョッとする中、俺たちは上り始めた。

筋力が落ちているから苦戦してるけど、ボヌールも上れてる。

登った先で、遠くを見て。

俺は顔が赤くなって、急いで降りた。

だって向こうから、ケヴィンが来てた。


組織の後始末で仕事が忙しいケヴィン。

「マイキティ!!」

ばっと広げられた腕に、思わず飛び込んだ。


「会いたかった。寂しかったよ、キティ。」

「お、俺も……っ。」






サンが降りたのを見て、トロワも降りた。

サンと抱き合っている人……。

あの人がケヴィン殿下。

王子様。


暫くすると、ケヴィン殿下が木の下にやって来た。

「そこから眺める景色は素晴らしいだろう?君たちはもう自由だ。どこへ羽ばたいてもいいんだよ。」

優しい人。


「あっ………!」

筋力が落ちたせいか、気を抜いた拍子に木から足を滑らせて落ちていく。

衝撃を覚悟したが、僕は、殿下の腕の中にいた。

「大丈夫? 私が話しかけたせいだね、すまない。」

ああ。

何でこの人はサンの婚約者なの。

ずるいよ。


サンは家族に愛されているじゃない。


僕にちょうだい。
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