1 / 66
始まりは成り行き
小さい頃は、自分には何らかの才能があって。
いつかそれが覚醒して、一角の人になれるのだと思っていた。
英雄と呼ばれる騎士。
大魔法使い。
発明家。
何でも治せる治癒士。
解けない問題などない研究者。
皆が憧れるミュージカルスターや音楽家。
だけど、努力しても上には上がいて。
自分は一流にはなれない存在なのだと、その他大勢の人間なのだといつか気づく。
親や周りが可愛いカッコイイ、ともてはやした結果、とても恥ずかしいことに己惚れて。
俺、ちょっとイケてるんじゃない?
って鏡の中の自分に自己満足して、周りが自分に見とれてるなんて大いなるカン違いをし、スター気分でミュージカルスターがスカウトされたという街並みを歩いたとしても、スカウトなんてされない。
テストで毎回1位なんてとれない。
それが現実。
もうすぐ学園の卒業式を迎えるというのに、俺は自分の将来が見えない。
どちらつかずのまま、手当たり次第に受験したけど、騎士団からも魔法省からも王宮からも結果通知はまだ来ない。
貧乏伯爵家の三男坊、就職できなければその後の人生は厳しいものだ。
「まずいなあ………。」
とにかくやることはやって、後は天命を待つのみ。
焦りが止まらず、体を動かしたくなって、放課後に学園地下のトレーニングルームで汗を流した俺は、更衣室が併設されたシャワールームで汗を流す。
どうにもならないことだけど、こうしていると少しだけ気がまぎれたような気がする。
シャワールームの鏡に映るのは、とても中途半端な自分の姿だ。
陽の下で体を動かしたとしても、日焼けをしない。
貧弱なわけではないけれど、筋骨隆々でもない。
騎士を目指すには半端。
身長も人並みにしかないし、髪と睫毛と瞳の黒い色が白い肌と相まって、唇の赤が目立つ。
女みたいな自分の顔。
いや、どうせなら美女と見紛える程であればいいのに、女みたいだというだけで、自分はしっかり男の顔だ。
つまり、中途半端で気持ち悪い。
「はぁ………。」
まだ容姿が優れていればなあ。
女の子に人気がある容貌ならば、男児に恵まれなかったどこかの家のご令嬢の婿養子に行けたかもしれないのだが。
俺は女の子には全く人気がない。
どうにもならなければいっそ冒険者にでもなろうか。
うん、そうしよう。
あはは。
『ガチャッ。』
シャワーを閉じ、体を拭いていると、誰かが入って来た。
―――――――――誰だろう?
「ねぇ、フォール様ぁ。そんなにボクって魅力ないですかぁ?」
「……っ、やめたまえ!」
フォール?
この国、アルティメット王国の王太子殿下のフォール=ハスキー=アルティメット様?
俺と同じ3年の!?
それにこの甘ったるい声は、ミルキィ=アクオス公爵令息?
「ボクは公爵令息だしぃ、可愛いしぃ、婚約者候補筆頭なのにぃ!」
「くそっ、誰か…!」
これ、は殿下が襲われているのか?!
助けに行くべき?
だけど、今、すっぽんぽん!
俺、今、すっぽんぽん!!!!
「ふふふ、残念ですね~。殿下の護衛はみなさん、僕の手の者が抑えていますよぉ?いい加減諦めてくださいよぉ。みんながボクと殿下が結ばれることを望んでいるんですからぁ。」
「……っ、公爵にそう言われているのか!?やめなさい、こんなことは!」
「殿下のバカ!」
「ぐっ!」
俺が意を決して飛び出そうとした瞬間。
アクオス公爵令息は、何か液体の入ったらしき瓶を床にたたきつけ、外から鍵を掛けた。
あたりに何だか甘い匂いが充満する。
「ふふっ、媚薬ですよ!しっかり媚薬に酔った頃、開けてあげます!」
たたっと走り去る音がする。
ちょっと待て!?
媚薬!!!??
「殿下!?」
「は、はぁっ、き、君はっ。」
自分よりもがっしりした体。
甘い、蜂蜜のような色の金髪。ふわふわした前髪。
菫色の瞳が潤み、頬が赤く染まる。
発汗し、息苦しそうだ。
俺はタオルで口元を覆い、奥の方へ殿下を運んだ。
急いで窓を開ける。
少しはこれでマシなはず。
「発言する無礼をお許しください。何故こんなことに。」
偶々俺がいたけれど、人気のない更衣室にあんなやつに連れ込まれるなんて。
仮にも王太子殿下ともあろう人が。
「………欲しい。」
「え?」
質問に対する答えではない。
シャワールームの壁際、窓際に置かれたソファに座り込んだ殿下が、潤んだ瞳で俺を見上げる。
俺はというと、そのソファに片膝ついて窓を開けたところで。
服は着ていなくて。
殿下は媚薬に侵されていて?
ここには手っ取り早い相手など俺しかいなくて?
そして俺は、おれは……………
全裸ああああああアアアアアアアアア!!!!!!!!
「ふふっ、いいよね。あっ、あの馬鹿に盛られたしびれ薬の効果は解けたようだ。」
じりじりと殿下に詰め寄られる。
「あ、あの、俺は男で、ですよね。」
「関係ない。あいつだって男だろう。知っているよね?王族は男相手でも孕ませることができるって。君だって貴族なんだから。ねぇ、3年A組のジェニー=ビューテ伯爵令息。」
「なっ、なんで俺の名前」
「ずっと同じクラスじゃないか。君は成績優秀でずっと私と同じA組だったでしょうに。」
ああああ、吐息が熱い。かかる、顔にかかる。やぁああ、恥ずかしい、恥ずかしい、イケメンがっ。
「お、俺はしがない伯爵家ですし。」
「伯爵位があれば十分。」
「貧乏だし…!!」
「悪事に手を染めたり領民の利益を吸い取っていないからだろう。貧乏でも借金はないよね?そういうのは貧乏って言わないの。清貧っていうの。」
「後ろ盾にはなれませんし……っ。」
「大丈夫、そのうちガラっと勢力図変わるから。私もいい加減怒ってるからね。」
「………こっ、こういう経験なくてっ。」
ああ、もう泣きそう。
「ああ、なんておいしそうなんだろう、いいだろう、もう辛いんだ。」
ああっ。
「何これぇ!!!!!」
頃合いだろう、と更衣室の扉を開けたミルキィ=アクオスはその状況に怒りと戸惑いの混じった悲鳴をあげた。
「ああ、あん!あんっ!もう、もうっ、許してぇ!!」
「ああ、可愛い、なんて可愛いんだ!ジェニー、君は私のものだ!もう離さないよ!」
淡泊でそっけなかった殿下が膝の上に黒髪の全裸の男を乗せて、がつんがつんと突き上げている。
情事の匂いが漂い、男の乳首は真っ赤に腫れ、やや膨らんだ下腹には、淫紋が浮かぶ。
「ああぁあ、アクオス公爵令息っ!やっと見つけた!!殿下はどこにっ!」
「殿下ぁ………!!?」
駆けつけた殿下の側近たちも、その景色に啞然とする。
「淫紋…………。王族の御手付きの証…。子を孕み、出産するまで消えない。婚姻の印。」
ぐしぐし泣きながら抱かれている彼が悪いとは思わない。
むしろこの状況は、彼は巻き込まれたのだ。
「本当だったらボクがこうなるはずだったのにぃい!!!!」
アクオス公爵令息はハンカチを噛み締めた。
ふえぇ。
ジェニー=ビューテ。ビューテ伯爵家三男。
成り行きで王太子妃に就職しちゃいました。
いぇーい(やけくそ)。
いつかそれが覚醒して、一角の人になれるのだと思っていた。
英雄と呼ばれる騎士。
大魔法使い。
発明家。
何でも治せる治癒士。
解けない問題などない研究者。
皆が憧れるミュージカルスターや音楽家。
だけど、努力しても上には上がいて。
自分は一流にはなれない存在なのだと、その他大勢の人間なのだといつか気づく。
親や周りが可愛いカッコイイ、ともてはやした結果、とても恥ずかしいことに己惚れて。
俺、ちょっとイケてるんじゃない?
って鏡の中の自分に自己満足して、周りが自分に見とれてるなんて大いなるカン違いをし、スター気分でミュージカルスターがスカウトされたという街並みを歩いたとしても、スカウトなんてされない。
テストで毎回1位なんてとれない。
それが現実。
もうすぐ学園の卒業式を迎えるというのに、俺は自分の将来が見えない。
どちらつかずのまま、手当たり次第に受験したけど、騎士団からも魔法省からも王宮からも結果通知はまだ来ない。
貧乏伯爵家の三男坊、就職できなければその後の人生は厳しいものだ。
「まずいなあ………。」
とにかくやることはやって、後は天命を待つのみ。
焦りが止まらず、体を動かしたくなって、放課後に学園地下のトレーニングルームで汗を流した俺は、更衣室が併設されたシャワールームで汗を流す。
どうにもならないことだけど、こうしていると少しだけ気がまぎれたような気がする。
シャワールームの鏡に映るのは、とても中途半端な自分の姿だ。
陽の下で体を動かしたとしても、日焼けをしない。
貧弱なわけではないけれど、筋骨隆々でもない。
騎士を目指すには半端。
身長も人並みにしかないし、髪と睫毛と瞳の黒い色が白い肌と相まって、唇の赤が目立つ。
女みたいな自分の顔。
いや、どうせなら美女と見紛える程であればいいのに、女みたいだというだけで、自分はしっかり男の顔だ。
つまり、中途半端で気持ち悪い。
「はぁ………。」
まだ容姿が優れていればなあ。
女の子に人気がある容貌ならば、男児に恵まれなかったどこかの家のご令嬢の婿養子に行けたかもしれないのだが。
俺は女の子には全く人気がない。
どうにもならなければいっそ冒険者にでもなろうか。
うん、そうしよう。
あはは。
『ガチャッ。』
シャワーを閉じ、体を拭いていると、誰かが入って来た。
―――――――――誰だろう?
「ねぇ、フォール様ぁ。そんなにボクって魅力ないですかぁ?」
「……っ、やめたまえ!」
フォール?
この国、アルティメット王国の王太子殿下のフォール=ハスキー=アルティメット様?
俺と同じ3年の!?
それにこの甘ったるい声は、ミルキィ=アクオス公爵令息?
「ボクは公爵令息だしぃ、可愛いしぃ、婚約者候補筆頭なのにぃ!」
「くそっ、誰か…!」
これ、は殿下が襲われているのか?!
助けに行くべき?
だけど、今、すっぽんぽん!
俺、今、すっぽんぽん!!!!
「ふふふ、残念ですね~。殿下の護衛はみなさん、僕の手の者が抑えていますよぉ?いい加減諦めてくださいよぉ。みんながボクと殿下が結ばれることを望んでいるんですからぁ。」
「……っ、公爵にそう言われているのか!?やめなさい、こんなことは!」
「殿下のバカ!」
「ぐっ!」
俺が意を決して飛び出そうとした瞬間。
アクオス公爵令息は、何か液体の入ったらしき瓶を床にたたきつけ、外から鍵を掛けた。
あたりに何だか甘い匂いが充満する。
「ふふっ、媚薬ですよ!しっかり媚薬に酔った頃、開けてあげます!」
たたっと走り去る音がする。
ちょっと待て!?
媚薬!!!??
「殿下!?」
「は、はぁっ、き、君はっ。」
自分よりもがっしりした体。
甘い、蜂蜜のような色の金髪。ふわふわした前髪。
菫色の瞳が潤み、頬が赤く染まる。
発汗し、息苦しそうだ。
俺はタオルで口元を覆い、奥の方へ殿下を運んだ。
急いで窓を開ける。
少しはこれでマシなはず。
「発言する無礼をお許しください。何故こんなことに。」
偶々俺がいたけれど、人気のない更衣室にあんなやつに連れ込まれるなんて。
仮にも王太子殿下ともあろう人が。
「………欲しい。」
「え?」
質問に対する答えではない。
シャワールームの壁際、窓際に置かれたソファに座り込んだ殿下が、潤んだ瞳で俺を見上げる。
俺はというと、そのソファに片膝ついて窓を開けたところで。
服は着ていなくて。
殿下は媚薬に侵されていて?
ここには手っ取り早い相手など俺しかいなくて?
そして俺は、おれは……………
全裸ああああああアアアアアアアアア!!!!!!!!
「ふふっ、いいよね。あっ、あの馬鹿に盛られたしびれ薬の効果は解けたようだ。」
じりじりと殿下に詰め寄られる。
「あ、あの、俺は男で、ですよね。」
「関係ない。あいつだって男だろう。知っているよね?王族は男相手でも孕ませることができるって。君だって貴族なんだから。ねぇ、3年A組のジェニー=ビューテ伯爵令息。」
「なっ、なんで俺の名前」
「ずっと同じクラスじゃないか。君は成績優秀でずっと私と同じA組だったでしょうに。」
ああああ、吐息が熱い。かかる、顔にかかる。やぁああ、恥ずかしい、恥ずかしい、イケメンがっ。
「お、俺はしがない伯爵家ですし。」
「伯爵位があれば十分。」
「貧乏だし…!!」
「悪事に手を染めたり領民の利益を吸い取っていないからだろう。貧乏でも借金はないよね?そういうのは貧乏って言わないの。清貧っていうの。」
「後ろ盾にはなれませんし……っ。」
「大丈夫、そのうちガラっと勢力図変わるから。私もいい加減怒ってるからね。」
「………こっ、こういう経験なくてっ。」
ああ、もう泣きそう。
「ああ、なんておいしそうなんだろう、いいだろう、もう辛いんだ。」
ああっ。
「何これぇ!!!!!」
頃合いだろう、と更衣室の扉を開けたミルキィ=アクオスはその状況に怒りと戸惑いの混じった悲鳴をあげた。
「ああ、あん!あんっ!もう、もうっ、許してぇ!!」
「ああ、可愛い、なんて可愛いんだ!ジェニー、君は私のものだ!もう離さないよ!」
淡泊でそっけなかった殿下が膝の上に黒髪の全裸の男を乗せて、がつんがつんと突き上げている。
情事の匂いが漂い、男の乳首は真っ赤に腫れ、やや膨らんだ下腹には、淫紋が浮かぶ。
「ああぁあ、アクオス公爵令息っ!やっと見つけた!!殿下はどこにっ!」
「殿下ぁ………!!?」
駆けつけた殿下の側近たちも、その景色に啞然とする。
「淫紋…………。王族の御手付きの証…。子を孕み、出産するまで消えない。婚姻の印。」
ぐしぐし泣きながら抱かれている彼が悪いとは思わない。
むしろこの状況は、彼は巻き込まれたのだ。
「本当だったらボクがこうなるはずだったのにぃい!!!!」
アクオス公爵令息はハンカチを噛み締めた。
ふえぇ。
ジェニー=ビューテ。ビューテ伯爵家三男。
成り行きで王太子妃に就職しちゃいました。
いぇーい(やけくそ)。
あなたにおすすめの小説
【完結】お前らの目は節穴か?BLゲーム主人公の従者になりました!
MEIKO
BL
本編完結しています。第12回BL大賞奨励賞いただきました。
僕、エリオット・アノーは伯爵家嫡男の身分を隠して公爵家令息のジュリアス・エドモアの従者をしている。事の発端は十歳の時…家族から虐げられていた僕は、我慢の限界で田舎の領地から家を出て来た。もう二度と戻る事はないと己の身分を捨て、心機一転王都へやって来たものの、現実は厳しく死にかける僕。薄汚い格好でフラフラと彷徨っている所を救ってくれたのが完璧貴公子ジュリアスだ。だけど初めて会った時、不思議な感覚を覚える。えっ、このジュリアスって人…会ったことなかったっけ?その瞬間突然閃く!
「ここって…もしかして、BLゲームの世界じゃない?おまけに僕の最愛の推し〜ジュリアス様!」
知らぬ間にBLゲームの中の名も無き登場人物に転生してしまっていた僕は、命の恩人である坊ちゃまを幸せにしようと奔走する。そして大好きなゲームのイベントも近くで楽しんじゃうもんね〜ワックワク!
だけど何で…全然シナリオ通りじゃないんですけど。坊ちゃまってば、僕のこと大好き過ぎない?
※貴族的表現を使っていますが、別の世界です。ですのでそれにのっとっていない事がありますがご了承下さい。
有能すぎる親友の隣が辛いので、平凡男爵令息の僕は消えたいと思います
緑虫
BL
第三王子の十歳の生誕パーティーで、王子に気に入られないようお城の花園に避難した、貧乏男爵令息のルカ・グリューベル。
知り合った宮廷庭師から、『ネムリバナ』という水に浮かべるとよく寝られる香りを放つ花びらをもらう。
花園からの帰り道、噴水で泣いている少年に遭遇。目の下に酷いクマのある少年を慰めたルカは、もらったばかりの花びらを男の子に渡して立ち去った。
十二歳になり、ルカは寄宿学校に入学する。
寮の同室になった子は、まさかのその時の男の子、アルフレート(アリ)・ユーネル侯爵令息だった。
見目麗しく文武両道のアリ。だが二年前と変わらず睡眠障害を抱えていて、目の下のクマは健在。
宮廷庭師と親交を続けていたルカには、『ネムリバナ』を第三王子の為に学校の温室で育てる役割を与えられていた。アリは花びらを王子の元まで運ぶ役目を負っている。育てる見返りに少量の花びらを入手できるようになったルカは、早速アリに使ってみることに。
やがて問題なく眠れるようになったアリはめきめきと頭角を表し、しがない男爵令息にすぎない平凡なルカには手の届かない存在になっていく。
次第にアリに対する恋心に気づくルカ。だが、男の自分はアリとは不釣り合いだと、卒業を機に離れることを決意する。
アリを見ない為に地方に移ったルカ。実はここは、アリの叔父が経営する領地。そこでたった半年の間に朗らかで輝いていたアリの変わり果てた姿を見てしまい――。
ハイスペ不眠攻めxお人好し平凡受けのファンタジーBLです。ハピエン。
冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される
マンスーン
BL
王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。
泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。
竜帝陛下の愛が重すぎて身代わりの落ちこぼれ薬師は今日も腰が砕けそうです 〜呪いを解いたら一生離さないと宣言されました〜
レイ
BL
「死ぬ覚悟はできています。でも、その前に……お口、あーんしてください」
魔力を持たない「無能」として実家で虐げられていた薬師のエリアン。
彼に下されたのは、触れるものすべてを焼き尽くす「死の竜帝」ヴァレリウスへの、身代わりの婚姻だった。
処刑エンドの悪役公爵、隠居したいのに溺愛されてます
ひなた翠
BL
目が覚めたら、やり込んだBLゲームの悪役公爵になっていた。
しかも手には鞭。目の前には涙を浮かべた美少年。
——このままじゃ、王太子に処刑される。
前世は冴えない社畜サラリーマン。今世は冷徹な美貌を持つ高位貴族のアルファ。
中身と外見の落差に戸惑う暇もなく、エリオットは処刑回避のための「隠居計画」を立てる。
囚われのオメガ・レオンを王太子カイルに引き渡し、爵位も領地も全部手放して、ひっそり消える——はずだった。
ところが動くほど状況は悪化していく。
レオンを自由にしようとすれば「傍にいたい」と縋りつかれ、
カイルに会えば「お前の匂いは甘い」と迫られ、
隠居を申し出れば「逃げるな」と退路を塞がれる。
しかもなぜか、子供の頃から飲んでいた「ビタミン剤」を忘れるたび、身体がおかしくなる。
周囲のアルファたちの視線が絡みつき、カイルの目の色が変わり——
自分でも知らなかった秘密が暴かれたとき、逃げ場はもう、どこにもなかった。
誰にも愛されなかった男が、異世界で「本当の自分」を知り、運命の番と出会う——
ギャップ萌え×じれったさ×匂いフェチ全開の、オメガバース転生BL。
長年仮番として務めてきましたが、王子は正式な番を娶るそうです
けふ
BL
王都を守る巨大結界は、王族の魔力によって維持されている。
第二王子アデルの傍らには、常に一人の騎士がいた。
近衛騎士レオン。
彼は長年、王子の「仮番」として特別な任務を担っている。
しかし王子は、他国の王女との正式な番契約が決まってしまった。
仮番の役目は、そこで終わるはずだった。
だが結界塔で行われる儀式の中で、
二人の関係は次第に変わり始める。
王族と騎士。
主と臣下。
越えてはならない境界を前にしても、
王子は騎士の手を取る。
「共に立て」
※オメガバースではありません
※ふんわり読んでください
※なんでも許せる方向け
※イラストはChatGPTさん
繋ぎの婚約を契約通り解消しようとしたら、王宮に溺愛軟禁されました
こたま
BL
エレンは子爵家のオメガ令息として産まれた。年上のアルファの王子殿下と年齢が釣り合うオメガ令息が少なく、他国との縁組も纏まらないため家格は低いが繋ぎとして一応婚約をしている。王子のことは兄のように慕っており、初恋の人ではあるけれど、契約終了時期か王子に想い人が現れた時には解消されるものと考えていた。ところが婚約解消時期の直前に王子宮に軟禁された。結婚を承諾するまでここから出さないと王子から溢れるほどの愛を与えられる。ハッピーエンドオメガバースBLです。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。