何者かになりたかった、だが王子の嫁になりたかったわけじゃない。

竜鳴躍

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ミルキィはひとりぼっち

ボクのお母様は美人で凄い人だ。
ボクを大事にしてくれるけど、とても怖い人でもある。

お父様は本当はどっかの偉い人らしいけど、平民だ。
ボクにニンジュツを教えてくれた。
でも、お母様には頭が上がらないみたいで、いいなり。


小さい頃、ボクは王子様の婚約者や学友を決めるためのお茶会に呼ばれなかった。

アクオス公爵家は元々、王家の分家で、何回か時の王家を身を挺して窮地から救った英雄の家系でもある。
それほどの家門で、筆頭公爵家なのに呼ばれないなんておかしい。

今の王妃様は、お母様から陛下を奪ったんだって。
うちのライバルで仲がよくないヘリオス公爵家の令息だったんだそう。
宰相になっている妹と一緒になってお母様を罠に嵌めたんだって。

お母様はボクに王子様のお嫁さんになって欲しいんだ。


そうだよね。

ボクは可愛いし、お母様譲りの頭脳と魔力も持っている。
それに、ボクがお嫁さんになれば、仲が悪い二つの公爵家が仲直りするきっかけになるかもしれない。


きっと、招待状が途中でどっかに落ちたんだ。
そうに決まってる。

オシャレしてお茶会に乗り込んだら、知らない男の子がいたんだ。
でも、その子が変装した殿下だった。


第一印象最悪。
嫌われちゃった。





そうしたらお母さまは怖くて。

離れに監禁された。

灯りも何もない部屋に

水も食料もなくて。

三日間放置された。



ああ、お母様に逆らっちゃだめだ。

お母様は正しい。




お母様の望むように、殿下にアプローチを続けた。


でも、殿下はボクを選んでくれない。

選んだのはジェニー。

とるに足らない伯爵家令息だと思ってた。
愛じゃなくて、事故だろうとも。

だけどジェニーは凄かったし、美人だった。
殿下は本当にジェニーが好き。
あんな目で見つめるなんて。

ボクもあんな風に見つめられたかった。




ボクには友達もいない。



何もない。





さみしい。




ボクは独りぼっち。


きっと一生、独りぼっち。



誰からも見向きもされないんだ。
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