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友だち
「お母様ごめんなさい、ちゃんとします。しますから!」
「もういいのよ。貴方にはがっかりよ。」
アクオス公爵はミルキィの前にドン!と貴族名鑑を放り投げた。
「片っ端から釣書を送ったわ。」
「えっ…。ボク、もう王太子の奥さんを狙わなくていいのですか。」
「引き際が肝心よ。私がなんだかんだ公爵になれたのだって、ダメなラインをちゃんと心得ていたから。貴方はちょっと踏み越えてしまっていたみたいだけど。………お父様に感謝しなさい。」
公爵は心の中で他人を蹴落とすことを考えても、実際に行動を起こすのは地位を利用した巧みな話術による謀だけ。
もし何かあったとしても、それは彼女をおもんばかった誰かが勝手に彼女のためにやったことだった。
命令も指示もしていない。
話術による牽制だけなら、貴族の社交界ではよくある話で、罪に問いづらい。
ミルキィのライバルになったしがない伯爵家に行った手回しだって、領地のために保護政策で他には割高でしか売らないと決めただけだ。
それが何の罪になろうか。
本当は自分によく似たこの子に自分の代わりに王家の嫁になってもらいたかったが…。
次代に期待するしかない。
「それで、お母様。僕はどなたと…。お母さまはボクが妃になるなら、ボクの産む子の一人が公爵家を継げばよいと仰っていましたけど、ボクが公爵に?」
「あなたを求める人は誰もいなかったわ。ええ、一人もね。仕方ないもの。お父様みたいにやんごとなき血筋の見目の良い人を見繕ってあげるわ。産まれた子の見目が悪かったら困るしね。」
「シルキィ!それはあんまりじゃないか?君がそんなだから、ミルキィは思いつめて自分で犯罪紛いなことまでやってしまったんだぞ!」
「私は一度だって、やれとは言ってないわよ。」
「君にとってミルキィは道具でしかないのだな…。私だけじゃなく、ミルキィも…。」
自分のことはいい。
だって、自分は故郷で確かにやらかした人間で、罪を背負っているのだから。
ぼん!
「…こほっ、ちょ、カブキ!」
煙幕が部屋に充満する。
そして、煙が消えると、夫と息子は姿を消していた。
「……………ということがありまして。家を出てまいりました。」
ミルキィの父親は、ジャスティ陛下とオリーブ妃に謁見していた。
「ぐし、ぐしゅ。ボクもう悪いことしません。大人しくします。だからどうか…っ。」
見慣れたミルキィの小さな姿を遠目で見つけ、ジェニーは手を握った。
「えっ。」
自分より小さな手。柔らかい。
「ミルキィ、ここにいれば大丈夫だよ。だってオリーブ妃殿下は公爵の天敵なんだから。俺の友達になって。」
「え、いいの…?」
「ちょっと、ジェニー!」
殿下はあたふたしてるけど、無視。
だって、ミルキィとの毎日のやりとりは意外と楽しかった。
「もういいのよ。貴方にはがっかりよ。」
アクオス公爵はミルキィの前にドン!と貴族名鑑を放り投げた。
「片っ端から釣書を送ったわ。」
「えっ…。ボク、もう王太子の奥さんを狙わなくていいのですか。」
「引き際が肝心よ。私がなんだかんだ公爵になれたのだって、ダメなラインをちゃんと心得ていたから。貴方はちょっと踏み越えてしまっていたみたいだけど。………お父様に感謝しなさい。」
公爵は心の中で他人を蹴落とすことを考えても、実際に行動を起こすのは地位を利用した巧みな話術による謀だけ。
もし何かあったとしても、それは彼女をおもんばかった誰かが勝手に彼女のためにやったことだった。
命令も指示もしていない。
話術による牽制だけなら、貴族の社交界ではよくある話で、罪に問いづらい。
ミルキィのライバルになったしがない伯爵家に行った手回しだって、領地のために保護政策で他には割高でしか売らないと決めただけだ。
それが何の罪になろうか。
本当は自分によく似たこの子に自分の代わりに王家の嫁になってもらいたかったが…。
次代に期待するしかない。
「それで、お母様。僕はどなたと…。お母さまはボクが妃になるなら、ボクの産む子の一人が公爵家を継げばよいと仰っていましたけど、ボクが公爵に?」
「あなたを求める人は誰もいなかったわ。ええ、一人もね。仕方ないもの。お父様みたいにやんごとなき血筋の見目の良い人を見繕ってあげるわ。産まれた子の見目が悪かったら困るしね。」
「シルキィ!それはあんまりじゃないか?君がそんなだから、ミルキィは思いつめて自分で犯罪紛いなことまでやってしまったんだぞ!」
「私は一度だって、やれとは言ってないわよ。」
「君にとってミルキィは道具でしかないのだな…。私だけじゃなく、ミルキィも…。」
自分のことはいい。
だって、自分は故郷で確かにやらかした人間で、罪を背負っているのだから。
ぼん!
「…こほっ、ちょ、カブキ!」
煙幕が部屋に充満する。
そして、煙が消えると、夫と息子は姿を消していた。
「……………ということがありまして。家を出てまいりました。」
ミルキィの父親は、ジャスティ陛下とオリーブ妃に謁見していた。
「ぐし、ぐしゅ。ボクもう悪いことしません。大人しくします。だからどうか…っ。」
見慣れたミルキィの小さな姿を遠目で見つけ、ジェニーは手を握った。
「えっ。」
自分より小さな手。柔らかい。
「ミルキィ、ここにいれば大丈夫だよ。だってオリーブ妃殿下は公爵の天敵なんだから。俺の友達になって。」
「え、いいの…?」
「ちょっと、ジェニー!」
殿下はあたふたしてるけど、無視。
だって、ミルキィとの毎日のやりとりは意外と楽しかった。
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