何者かになりたかった、だが王子の嫁になりたかったわけじゃない。

竜鳴躍

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君をみつけた

「聖なる光、拳に宿れ。うらぁっぁぁぁぁあああああああああ!!!!」


銀髪に桃色の瞳の美少女が、竜をタコ殴りにしている。


「ぎぃぃいいいいいいいいいいいっ!」


冒険者に依頼が出ていた竜の魔物。
竜は賢い生き物だけど、たまに魔に落ちる個体がある。
竜程の者が魔物になってしまうと、手が付けられないから排除しなくてはならない。


Sクラスの冒険者である彼女のお陰で、冒険者になったばかりの俺たちもこの高ランク依頼にありつけた。

ひゃっほう!ランク爆上がり必至!


「遅い遅い!鬼さんこちら~~~!」

ミルキィはどこをどうやっているのか、竜を引きつけながらクナイと呼ばれる先のとがった変わったナイフを打ち込む。時々氷魔法で足止めをしている。



「いくよ!みんな離れて!」

俺の合図で二人がさっと離れる。


「水の刃!」
空に細長い水の刃が浮かび、それは一斉に雨のように竜の頭を貫いた。


竜の魔物の群れが、どしんと音を立てて沈んだ。


「「「やったぁ!!!!」」」
きゃっきゃとハイタッチする。


「体に傷が少ないから、高く売れるわよ!やったわね。私がやると、細胞破壊しちゃうからぐずぐずになっちゃって、あまり売る場所がないのよね!」

リリー=ホワイト様がこんな感じだとは意外だった。
聖女さまとは。

「ボクたち相性いいみたいだね!ボクは宝箱も開けられるし、斥候もできて魔法も使える。ジェニーは魔法剣士でいざとなれば回復もできるし、リリーは近接戦闘だけど、回復魔法や浄化魔法はお手の物。最強パーティーじゃない?」

「なっちゃうなっちゃう?勇者なんて聖女と違ってテキトーに強い冒険者にそう言ってるだけだもの。それに、早速私たちに二つ名がついてるらしいわよぉ。」


二つ名、だと!

どんな二つ名なんだろう。

「私は『撲殺聖女』、ミルキィは『小悪魔ピクシー』、ジェニーは『パーフェクト』だったと思う。」

「パーフェクト…。全然そんなんじゃないのに。名前負け恥ずかしい。」

「そんなことないよ!ジェニーはすっごいんだから!自信もと?」

リリー様とミルキィが右手と左手をそれぞれ握ってくれる。

ああ、うれしいなぁ。


「…ふふ、それじゃあ収納しておきますね!」

「「はあぃ」」

異空間に竜を収納。持ち運び便利。







「うう、ジェニー。」

ちょっと離れたところで、樹の太い幹と草に隠れて、フォール殿下は嫉妬と後悔に打ちひしがれている。
リリー=ホワイトから居場所を聞いて、こちらに来れたはいいが…。

「殿下。分かりますね?」


ブレイン、マックス、パープルの三人は殿下に視線を落とす。


「ふぁい。」





「もうしわけありませんでしたぁあああああああああ!!!!!!!!!!!!」






泣きながら飛び出して、スライディング土下座をするクズ。
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