あなたがいい~妖精王子は意地悪な婚約者を捨てて強くなり、幼馴染の護衛騎士を選びます~

竜鳴躍

文字の大きさ
9 / 42

強襲

しおりを挟む
今日も同じ一日が終わり、床に就く。

夢の中では僕は、自由。

大好きなシュナイダーと一緒にお出かけするの。



『アミュレット。アミィ。私の宝物。』

王子様みたいにキラキラした笑顔。

アクセル様みたいな作り物ではなく、本当の笑顔。


ハピネスお兄様とシュナイダーが僕に手を広げる。


『アミュレットとシュナイダーは本当に仲良しだなぁ。弟を頼むよ、シュナイダー。シュナイダーなら安心だ。』

『お任せください。お義兄様。』

『おおいやだ、気持ち悪い。』


ははは、と2人が笑いあう。


『おにいさま?』


『義理の兄になるだろう?おやおやアミュレットはマリッジブルーかな?もうすぐ二人が結婚するだろう?』


えっ!?

僕がシュナイダーと結婚!?



ふんわりとした笑顔。
恥ずかしいくらい柔らかく、僕のことを見つめる瞳。



嬉しい。

これは夢。
分かってる。

でも、覚めないで欲しい…。





『お覚悟……!!!!』



突然、賊が入ってくる。

僕を狙って?


『大丈夫、私が守るから!』

逞しい背中。







「アミュレットは私が守る…!!!お前たちどこの者だ…!!!」

ガタガタっとベッドが揺れる。


覚醒した僕の視界に、黒い男たち。


そして血濡れのシュナイダー。



夜の月明りに銀髪が照らされ、白についた赤が、はっきりと見える。



「………あ、あぁ、あ、あ、あ」



どういうことだろう!?
いったいどうして!?

夢と現実が繋がって、頭の中がぐじゃぐじゃだ。

冷静に、冷静にならなくちゃ。


僕を守るようにシュナイダーが立つ。

対峙していた黒装束の男は、窓から去ってしまった。


ごめんなさい、僕が覚醒したから、シュナイダーの邪魔をしちゃったんだ。


暗闇に目が慣れる。


血の鉄の匂い。
生臭い匂い。

部屋には、絶命した男たち。




「逃げましょう。ここは危険です。」

「でっ、でも…っ。」

「貴方の命に代えられません。私と逃げましょう。私では嫌ですか?」


嫌じゃない。










「ねぇ~アクセル様ぁ。この幸せがずっと続けばいいのに…♡」

「本当に…♡ミレルダ、どうしてアレみたいなのが生きているんだろうな。大体、学園にも通えない馬鹿。あんなのは妃にふさわしくないよ。」

ねっとりとした声で、ミレルダはべったりと体を寄せる。


最後の一線だけは越えてはいないが、それに近しいことは色々とやっている。

ミレルダはアクセルの部屋に泊っていた。


「もうすぐあいつの誕生日だ。婚約が正式になる…。そして卒業。卒業パーティーの時に内外へ発表、をするんだろう。ああ、気が重い。」

「アクセル様、おかわいそう。」



今頃、あの子は殺されてるかしら。

顔をぐっちゃぐっちゃに潰して殺してしまえって命令したもの。
もし、生きてるとしても二目とみられないでしょうね。

そんな状況では王妃は無理ね。

ふふふ、妃になるのは私よ。




しおりを挟む
感想 17

あなたにおすすめの小説

「出来損ない」オメガと幼馴染の王弟アルファの、発情初夜

鳥羽ミワ
BL
ウィリアムは王族の傍系に当たる貴族の長男で、オメガ。発情期が二十歳を過ぎても来ないことから、家族からは「欠陥品」の烙印を押されている。 そんなウィリアムは、政略結婚の駒として国内の有力貴族へ嫁ぐことが決まっていた。しかしその予定が一転し、幼馴染で王弟であるセドリックとの結婚が決まる。 あれよあれよと結婚式当日になり、戸惑いながらも結婚を誓うウィリアムに、セドリックは優しいキスをして……。 そして迎えた初夜。わけもわからず悲しくなって泣くウィリアムを、セドリックはたくましい力で抱きしめる。 「お前がずっと、好きだ」 甘い言葉に、これまで熱を知らなかったウィリアムの身体が潤み、火照りはじめる。 ※ムーンライトノベルズ、アルファポリス、pixivへ掲載しています

番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か

雪兎
BL
第二性が存在する世界。 Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。 しかし入学初日、彼の前に現れたのは―― 幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。 成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。 だが湊だけが知っている。 彼が異常なほど執着深いことを。 「大丈夫、全部管理してあげる」 「君が困らないようにしてるだけだよ」 座席、時間割、交友関係、体調管理。 いつの間にか整えられていく環境。 逃げ場のない距離。 番を拒みたいΩと、手放す気のないα。 これは保護か、それとも束縛か。 閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。

人族は一人で生きられないらしい――獣人公爵に拾われ、溺愛されて家族になりました

よっちゃん
BL
人族がほとんど存在しない世界に、 前世の記憶を持ったまま転生した少年・レオン。 獣人が支配する貴族社会。 魔力こそが価値とされ、 「弱い人族」は守られるべき存在として扱われる世界で、 レオンは常識の違いに戸惑いながらも必死に生きようとする。 そんな彼を拾ったのは、 辺境を治める獣人公爵アルト。 寡黙で冷静、しかし一度守ると決めたものは決して手放さない男だった。 溺愛され、守られ、育てられる日々。 だが、レオンはただ守られるだけの存在で終わることを選ばない。 学院での出会い。 貴族社会に潜む差別と陰謀。 そして「番」という、深く重い絆。 レオンは学び、考え、 自分にしかできない魔法理論を武器に、 少しずつ“並び立つ覚悟”を身につけていく。 獣人と人族。 価値観も、立場も、すべてが違う二人が、 それでも選び合い、家族になるまでの物語。 溺愛×成長×異世界BL。 読後に残るのは、 「ここに居場所があっていい」と思える、あたたかな幸福。

悪役令嬢のモブ兄に転生したら、攻略対象から溺愛されてしまいました

藍沢真啓/庚あき
BL
俺──ルシアン・イベリスは学園の卒業パーティで起こった、妹ルシアが我が国の王子で婚約者で友人でもあるジュリアンから断罪される光景を見て思い出す。 (あ、これ乙女ゲームの悪役令嬢断罪シーンだ)と。 ちなみに、普通だったら攻略対象の立ち位置にあるべき筈なのに、予算の関係かモブ兄の俺。 しかし、うちの可愛い妹は、ゲームとは別の展開をして、会場から立ち去るのを追いかけようとしたら、攻略対象の一人で親友のリュカ・チューベローズに引き止められ、そして……。 気づけば、親友にでろっでろに溺愛されてしまったモブ兄の運命は── 異世界転生ラブラブコメディです。 ご都合主義な展開が多いので、苦手な方はお気を付けください。

中年冒険者、年下美青年騎士に番認定されたことで全てを告白するはめになったこと

mayo
BL
王宮騎士(24)×Cランク冒険者(36) 低ランク冒険者であるカイは18年前この世界にやって来た異邦人だ。 諸々あって、現在は雑用専門冒険者として貧乏ながら穏やかな生活を送っている。 冒険者ランクがDからCにあがり、隣国の公女様が街にやってきた日、突然現れた美青年騎士に声をかけられて、攫われた。 その後、カイを〝番〟だと主張する美青年騎士のせいで今まで何をしていたのかを文官の前で語ることを強要される。 語らなければ罪に問われると言われ、カイは渋々語ることにしたのだった、生まれてから36年間の出来事を。

【完結】伯爵家当主になりますので、お飾りの婚約者の僕は早く捨てて下さいね?

MEIKO
BL
 【完結】伯爵家次男のマリンは、公爵家嫡男のミシェルの婚約者として一緒に過ごしているが実際はお飾りの存在だ。そんなマリンは池に落ちたショックで前世は日本人の男子で今この世界が小説の中なんだと気付いた。マズい!このままだとミシェルから婚約破棄されて路頭に迷う未来しか見えない!  僕はそこから前世の特技を活かしてお金を貯め、ミシェルに愛する人が現れるその日に備えだす。2年後、万全の備えと新たな朗報を得た僕は、もう婚約破棄してもらっていいんですけど?ってミシェルに告げる。なのに対象外のはずの僕に未練たらたらなのどうして? ※R対象話には『*』マーク付けます。

婚約破棄させた愛し合う2人にザマァされた俺。とその後

結人
BL
王太子妃になるために頑張ってた公爵家の三男アランが愛する2人の愛でザマァされ…溺愛される話。 ※男しかいない世界で男同士でも結婚できます。子供はなんかしたら作ることができます。きっと…。 全5話完結。予約更新します。

愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない

了承
BL
卒業パーティー。 皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。 青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。 皇子が目を向けた、その瞬間——。 「この瞬間だと思った。」 すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。   IFストーリーあり 誤字あれば報告お願いします!

処理中です...