貧乏伯爵の三男（勇者？）は潜伏魔王に嫁ぐ

シトリン兄は

「アイアムマッチョメーン！」

「YES!マッスル！マッスルは裏切らない！」

学園祭にて、学園に存在する『格闘研究会』は、グラウンドでデモンストレーションをしている。


その中に、シトリンもいた。

美麗なクンツァイトの弟であり、麗しのジルコニアの兄。

筋肉もりもりで男らしくても、シトリンは充分麗しい。



「筋肉を鍛えるのって楽しいですね！」

「そうだろう！そうだろう！」


格闘研究会名誉会長であり、卒業生であるこの国の騎士団長、ケンマ＝ソードナイト侯爵。

35歳・嫁ナシ、婚約者ナシ。


「シトリン君は本当に見所がある！可愛い！」

「あはは。可愛いっていうのはジルのことを言うんですよ？おかしな会長！」



（十分可愛いから！可愛いですから！）

（シトリンさん気付いてぇ！ロックオンされてるからぁ！）


「時に君に婚約者はいるのかね？」

「いませんけど」


「男は嫌いかね？」

「んー、自分の性癖について考えたことはなかったですけど、嫌悪感はないですね。」

「た、たたたたとえば、私が君を嫁にしたいと言ったらどうする！？」


「俺、団長より強いしこんなムキムキですけど、俺のこと抱きたいんですか？物好きですね？ドレス着て社交なんかしたら、間違いなく笑えますよ？」


「別に女装させたいわけじゃないから…！」


「俺、処理しないとボーボーだし、むさいですよ？汗臭いし…。おっさんなったら後悔もんでは？」


「後悔なんかしないからあ！」




兄たちの結婚について心配していたジルだが、兄たちは兄たちで春が来ているようである。