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転生させる神様なのに、自分がうっかり転生しました
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「はい~。では次の方~。」
オフホワイトの清潔な部屋で、ボクは次の人を呼ぶ。
白衣のような白いローブを着て、髪の毛も肌も僕は真っ白だから、真っ白けっけ。
まるで保護色みたいだ。
「うわ!うそ!可愛い!普通カミサマって年取ったじいさんだって思ってた!」
次の人は元気いっぱい。焦げ茶色に近い短髪黒髪の、スポーツ少年だ。
スラリとして筋肉質で羨ましい。
野球という地球のスポーツの、甲子園っていう全国大会に出場中に子どもを庇って交通事故で人生を終えた。
「えーっと、枢木カナタくん。享年16歳か。残念だったね。ご家族の方々やご友人は悲しむだろうけど、彼らが幸せに人生を終えることを保証するよ。」
「よかったす!俺には双子の弟がいるっスからね、一人っ子じゃなくてよかったす…!」
きっと弟が両親や友人の悲しみを癒してくれるだろう、と彼は確信しているようだ。
「それで、カナタくんの次の人生だけど、次はボクの管理する世界の中から剣と魔法のファンタジー世界はどうかなって。カナタくんは良い子だから、なんにでもなれるよ。お金持ちでも王族貴族でも勇者でも。どうする?」
「勇者!異世界転生、さいこーす!」
「じゃあいってらっしゃいねぇ!」
ボクは身長が低いから、ぞろっとして長い袖から指先だけを出して、バイバイ、って見送る。
目の前にあるゲートの穴に勢いよくドボンして、カナタくんは次の人生に旅立っていった。
「お疲れ。世界軸1397の管理は順調そうだね。」
くりん、と振り返ると、水色の綺麗な髪に切れ長の瞳の美形が立っていた。
うぅ、生まれたのは同じくらいのはずなのにっ。
向かい合うとおへその下くらいしかボクの身長はない…っ。
「マーキュリーの指導がいいからじゃないかな。」
ボクたちは『創生の神』である。
それぞれが自分の管理する世界軸を持ち、世界を管理し、そこで生きる生きとし生きるものの輪廻を管理する。
不思議なもので、魂というものは同じ世界だけで回すと劣化してしまい、世界が破滅の道をたどってしまう。
それは、ボクの管理する世界のうち、『地球』という惑星のある世界で人間がみつけた、二毛作の原理と似ているように思う。
神は複数人いて、普通に神同士カップルになって子どもを産み、いずれは亡くなっていく。
管理している世界は自分の子どもに引き継がれ、その頃には親は引退してノンビリ暮らすから、自分の世界の管理に余裕がある優秀な人がメンターになる。
普通は先輩がなるんだけど、マーキュリーは優秀だから…。
「お茶にしようか。」
そういうと、マーキュリーの細い指が空に円を描くように回る。
一瞬でテーブルセットとアフタヌーンティーセットが現れた。
ケーキはボクの好きな苺が乗ったショートケーキ!
一口口に入れるとあまぁああい!
ボクたちの世界では、誰もが生きるために働く必要はない。お仕事は神としての仕事だけ。
だって、神の力で何でも出せちゃうんだから。
だからコレも、力で出しただけなんだけど、どういうわけかマーキュリーが出したケーキは絶品なんだよね!
「ふふ。早くオトナになってね。アース。」
口についた生クリームを向かい合った席の彼が右手の人差し指で掬った。
そしてペロッて。
うぬぬ、大人の色気。
「ボクだって同い年なのにぃ!どうしてまだこんなにちっさいんだろう。」
椅子に座っても足がぷらんぷらんである。
靴脱いで座っていいかな?
「アースは純真すぎるのかもねぇ。私たちの力も、私たちも、全ては自らの心の持ちようだからさ。」
「うぬぬ…。マーキュリーはいつでもお嫁に行けそうだもんね。ボクはまだまだ先なのかなぁ。ああ、お嫁さんは欲しいなぁ。」
「私は嫁より旦那さんになる一択で決めてるからね。嫁には行かない。私たちは確かに両性具有だけどね、私は入れるほうだから。これは譲らない。」
「マーキュリーはいいお母さんになれそうなのにぃ。」
「孔の方は永遠の処女を誓っていますから。それに、アースはお嫁さんになる方ね。決定。」
「えー。入れられる時って痛いんでしょ?ボクやだー。」
見た目は子どもでも大人なので、はしたない会話も平気だ。
神様だって舞台裏ではエッチな話もしたいのである。
「マーキュリーせんぱぁい!」
甘ったるい声のピンク色の髪の子が走ってきてマーキュリーに抱き着いた。
肩を少し過ぎるくらいのストレートの髪に、ペリドットの瞳。
マーキュリーより少しだけ背が低いくらいで、しなやかでどこか色気のある肢体を持っている。
僕より2歳くらい年下なのに…。ちょっとうらやましい。
「ずるいですぅ!僕も誘ってくださぁい!」
「マーズ。私は君に恋愛感情など持っていない。何度言えば分かる。」
「えぇ。今は、でしょー?ねえ、アース先輩も僕が先輩にお似合いだって思いません?」
「……う?」
「センパイはいつまでたってもオトナになれる気配がないですしー。マーキュリー先輩も欲求不満なんじゃないですかぁ?僕ならもうオトナですから。いつでもお嫁にいけますからね、マーキュリー先輩♡何なら、今夜でも……」
「マーズ。帰れ!」
マーキュリーの声が響く。
「マーキュリーそんなに怒らなくっても。」
「ほらぁ。先輩もそう言ってますし、3人でお茶しましょうよ!」
「……、あ、じゃボクそろそろ仕事を再開するね!あとはマーズと食べて!」
「アース!」
「あ。」
だけど、ボクはうっかり足を滑らせて、ゲートの穴に落ちちゃった。
最後に見たのは、穴の向こうでボクを呼ぶマーキュリーと、ほくそ笑んだ顔のマーズ。
あーそういえば、穴の周りなんだかいつもよりツルツルしてたような…。
ごめんね、マーキュリー。
ボクの世界をよろしくね。
こうしてボクは、自分が管理する世界に、自ら転生してしまったのである。
オフホワイトの清潔な部屋で、ボクは次の人を呼ぶ。
白衣のような白いローブを着て、髪の毛も肌も僕は真っ白だから、真っ白けっけ。
まるで保護色みたいだ。
「うわ!うそ!可愛い!普通カミサマって年取ったじいさんだって思ってた!」
次の人は元気いっぱい。焦げ茶色に近い短髪黒髪の、スポーツ少年だ。
スラリとして筋肉質で羨ましい。
野球という地球のスポーツの、甲子園っていう全国大会に出場中に子どもを庇って交通事故で人生を終えた。
「えーっと、枢木カナタくん。享年16歳か。残念だったね。ご家族の方々やご友人は悲しむだろうけど、彼らが幸せに人生を終えることを保証するよ。」
「よかったす!俺には双子の弟がいるっスからね、一人っ子じゃなくてよかったす…!」
きっと弟が両親や友人の悲しみを癒してくれるだろう、と彼は確信しているようだ。
「それで、カナタくんの次の人生だけど、次はボクの管理する世界の中から剣と魔法のファンタジー世界はどうかなって。カナタくんは良い子だから、なんにでもなれるよ。お金持ちでも王族貴族でも勇者でも。どうする?」
「勇者!異世界転生、さいこーす!」
「じゃあいってらっしゃいねぇ!」
ボクは身長が低いから、ぞろっとして長い袖から指先だけを出して、バイバイ、って見送る。
目の前にあるゲートの穴に勢いよくドボンして、カナタくんは次の人生に旅立っていった。
「お疲れ。世界軸1397の管理は順調そうだね。」
くりん、と振り返ると、水色の綺麗な髪に切れ長の瞳の美形が立っていた。
うぅ、生まれたのは同じくらいのはずなのにっ。
向かい合うとおへその下くらいしかボクの身長はない…っ。
「マーキュリーの指導がいいからじゃないかな。」
ボクたちは『創生の神』である。
それぞれが自分の管理する世界軸を持ち、世界を管理し、そこで生きる生きとし生きるものの輪廻を管理する。
不思議なもので、魂というものは同じ世界だけで回すと劣化してしまい、世界が破滅の道をたどってしまう。
それは、ボクの管理する世界のうち、『地球』という惑星のある世界で人間がみつけた、二毛作の原理と似ているように思う。
神は複数人いて、普通に神同士カップルになって子どもを産み、いずれは亡くなっていく。
管理している世界は自分の子どもに引き継がれ、その頃には親は引退してノンビリ暮らすから、自分の世界の管理に余裕がある優秀な人がメンターになる。
普通は先輩がなるんだけど、マーキュリーは優秀だから…。
「お茶にしようか。」
そういうと、マーキュリーの細い指が空に円を描くように回る。
一瞬でテーブルセットとアフタヌーンティーセットが現れた。
ケーキはボクの好きな苺が乗ったショートケーキ!
一口口に入れるとあまぁああい!
ボクたちの世界では、誰もが生きるために働く必要はない。お仕事は神としての仕事だけ。
だって、神の力で何でも出せちゃうんだから。
だからコレも、力で出しただけなんだけど、どういうわけかマーキュリーが出したケーキは絶品なんだよね!
「ふふ。早くオトナになってね。アース。」
口についた生クリームを向かい合った席の彼が右手の人差し指で掬った。
そしてペロッて。
うぬぬ、大人の色気。
「ボクだって同い年なのにぃ!どうしてまだこんなにちっさいんだろう。」
椅子に座っても足がぷらんぷらんである。
靴脱いで座っていいかな?
「アースは純真すぎるのかもねぇ。私たちの力も、私たちも、全ては自らの心の持ちようだからさ。」
「うぬぬ…。マーキュリーはいつでもお嫁に行けそうだもんね。ボクはまだまだ先なのかなぁ。ああ、お嫁さんは欲しいなぁ。」
「私は嫁より旦那さんになる一択で決めてるからね。嫁には行かない。私たちは確かに両性具有だけどね、私は入れるほうだから。これは譲らない。」
「マーキュリーはいいお母さんになれそうなのにぃ。」
「孔の方は永遠の処女を誓っていますから。それに、アースはお嫁さんになる方ね。決定。」
「えー。入れられる時って痛いんでしょ?ボクやだー。」
見た目は子どもでも大人なので、はしたない会話も平気だ。
神様だって舞台裏ではエッチな話もしたいのである。
「マーキュリーせんぱぁい!」
甘ったるい声のピンク色の髪の子が走ってきてマーキュリーに抱き着いた。
肩を少し過ぎるくらいのストレートの髪に、ペリドットの瞳。
マーキュリーより少しだけ背が低いくらいで、しなやかでどこか色気のある肢体を持っている。
僕より2歳くらい年下なのに…。ちょっとうらやましい。
「ずるいですぅ!僕も誘ってくださぁい!」
「マーズ。私は君に恋愛感情など持っていない。何度言えば分かる。」
「えぇ。今は、でしょー?ねえ、アース先輩も僕が先輩にお似合いだって思いません?」
「……う?」
「センパイはいつまでたってもオトナになれる気配がないですしー。マーキュリー先輩も欲求不満なんじゃないですかぁ?僕ならもうオトナですから。いつでもお嫁にいけますからね、マーキュリー先輩♡何なら、今夜でも……」
「マーズ。帰れ!」
マーキュリーの声が響く。
「マーキュリーそんなに怒らなくっても。」
「ほらぁ。先輩もそう言ってますし、3人でお茶しましょうよ!」
「……、あ、じゃボクそろそろ仕事を再開するね!あとはマーズと食べて!」
「アース!」
「あ。」
だけど、ボクはうっかり足を滑らせて、ゲートの穴に落ちちゃった。
最後に見たのは、穴の向こうでボクを呼ぶマーキュリーと、ほくそ笑んだ顔のマーズ。
あーそういえば、穴の周りなんだかいつもよりツルツルしてたような…。
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