31 / 49
【閑話】拘置所で
しおりを挟む
なんで私がこんな目に。
私は悪くない。
あの子が私の邪魔をするからじゃない!
雪村火垂への傷害は現行犯で、私は起訴された。
惨めなジャージ。
自由に身繕いできない。
私は、この美貌で世界を席巻する女なの!
面会に現れたのは、知らない女。
品の良さそうな高ブランドの服を着て、スタイルも抜群。
私とは違うタイプの美人。
年齢も同じくらいかしら。
でも、その女が連れている男たちには見覚えがあった。
一人は雪村篝。元夫の弟で、確か実家の旅館を継いだのよね。
私のことを無学だとバカにした男。
あのご両親も今はもういないのかしら。
もう一人は雪村光。
私の元夫。
エリートだった時の輝きはもうない。
「もう我々はあなたに関わらない。実家の弟さんも、あなたとは絶縁するそうだ。あなたに付きまとわれたくないばかりに、弟さんからいただいた迷惑料を火垂を通じてあなたに生活費の足しとして渡していたが、もうないと思ってくれ。」
「はあ?なんでよ!」
「当たり前でしょう?光さんの人生を狂わせて、月くんを苦しめて!うちの火垂を傷つけておいて!」
え?
この美人、篝さんの奥さん?
あの地味ブスなの?
「あんた、なによ!厚化粧しちゃって!ブスのくせに!」
「厚化粧なんてしていません。これは薄いファンデーションに口紅だけです。家族で集まる時は私が炊事を全部していたのよ?年末の掃除もあるんだから、TPOを弁えて、ノーメイクに引っ詰め髪に動ける服でいたけど、普段はこちら。いつもドレスアップしていたあなたがおかしかったのよ。」
「君は罵っていたが、私たちは君のほうがブスだと思っていたよ。今の君は、性格の悪さが滲み出て、醜悪だ。」
「俺も当時は言えなかったが、お前のせいで実家に帰りづらかったよ。美津子さんは、学生時代はミス◯◯大に選ばれ、世界的ミスコンでも準優勝した才色兼備だ。お前がもらえなかった大手芸能事務所から束になるくらいの勧誘を受けて、女優の道もあったのに、篝を選んで、女将になる道を選んでくれた人だよ。それなのに………。俺は恥ずかしかったよ。」
「あなた!」
あの女が!?
「俺は恥ずかしいよ。月を傷つけて、捨てて。プライドがガタガタで、あの時はどうかしていた。お前が憎いあまりにあの子を拒絶して……後悔したよ、週刊誌であの子の半生を知って。別れたあと、虐待の挙げ句に捨てたんだな。あの子は辛い思いをして立ち直った。だから、俺も自暴自棄になるのはもう辞めたんだ。あの子に俺たちはいらない。俺たちもあの子をそっとしておくべきだ。」
「兄さんの働いていた商社がダメになったきっかけは、貴女だって分かってる?貴女が我が物顔で外国の商談に顔を出して失礼なことをしまくったから、信用を失って、大きな商談が潰れたの!だから、成績にケチがついた兄さんは次の働き先がなかったんだよ!」
「篝。いいんだ。俺を支えてくれてありがとう。」
「兄さん。兄さんが立ち直ってくれて嬉しいよ。うちの営業と広報、外国人対応にアメニティ開発。兄さんの手腕でうちも業績が鰻登りで助かる!」
「一人だけ堕ちたわね、蝶子さん。貴女が一生、私たちや月くんに迷惑をかけないよう、貴方の悪業や再犯性はしっかり証言して差し上げますから。」
そう言って、女はハンドバッグから手鏡を取り出すと、私に向けた。
そこには、年齢以上にしわくちゃで、目が吊り上がり、鬼のような人相になった、誰にも見向きされっこない醜悪な老女がいた………。
私は悪くない。
あの子が私の邪魔をするからじゃない!
雪村火垂への傷害は現行犯で、私は起訴された。
惨めなジャージ。
自由に身繕いできない。
私は、この美貌で世界を席巻する女なの!
面会に現れたのは、知らない女。
品の良さそうな高ブランドの服を着て、スタイルも抜群。
私とは違うタイプの美人。
年齢も同じくらいかしら。
でも、その女が連れている男たちには見覚えがあった。
一人は雪村篝。元夫の弟で、確か実家の旅館を継いだのよね。
私のことを無学だとバカにした男。
あのご両親も今はもういないのかしら。
もう一人は雪村光。
私の元夫。
エリートだった時の輝きはもうない。
「もう我々はあなたに関わらない。実家の弟さんも、あなたとは絶縁するそうだ。あなたに付きまとわれたくないばかりに、弟さんからいただいた迷惑料を火垂を通じてあなたに生活費の足しとして渡していたが、もうないと思ってくれ。」
「はあ?なんでよ!」
「当たり前でしょう?光さんの人生を狂わせて、月くんを苦しめて!うちの火垂を傷つけておいて!」
え?
この美人、篝さんの奥さん?
あの地味ブスなの?
「あんた、なによ!厚化粧しちゃって!ブスのくせに!」
「厚化粧なんてしていません。これは薄いファンデーションに口紅だけです。家族で集まる時は私が炊事を全部していたのよ?年末の掃除もあるんだから、TPOを弁えて、ノーメイクに引っ詰め髪に動ける服でいたけど、普段はこちら。いつもドレスアップしていたあなたがおかしかったのよ。」
「君は罵っていたが、私たちは君のほうがブスだと思っていたよ。今の君は、性格の悪さが滲み出て、醜悪だ。」
「俺も当時は言えなかったが、お前のせいで実家に帰りづらかったよ。美津子さんは、学生時代はミス◯◯大に選ばれ、世界的ミスコンでも準優勝した才色兼備だ。お前がもらえなかった大手芸能事務所から束になるくらいの勧誘を受けて、女優の道もあったのに、篝を選んで、女将になる道を選んでくれた人だよ。それなのに………。俺は恥ずかしかったよ。」
「あなた!」
あの女が!?
「俺は恥ずかしいよ。月を傷つけて、捨てて。プライドがガタガタで、あの時はどうかしていた。お前が憎いあまりにあの子を拒絶して……後悔したよ、週刊誌であの子の半生を知って。別れたあと、虐待の挙げ句に捨てたんだな。あの子は辛い思いをして立ち直った。だから、俺も自暴自棄になるのはもう辞めたんだ。あの子に俺たちはいらない。俺たちもあの子をそっとしておくべきだ。」
「兄さんの働いていた商社がダメになったきっかけは、貴女だって分かってる?貴女が我が物顔で外国の商談に顔を出して失礼なことをしまくったから、信用を失って、大きな商談が潰れたの!だから、成績にケチがついた兄さんは次の働き先がなかったんだよ!」
「篝。いいんだ。俺を支えてくれてありがとう。」
「兄さん。兄さんが立ち直ってくれて嬉しいよ。うちの営業と広報、外国人対応にアメニティ開発。兄さんの手腕でうちも業績が鰻登りで助かる!」
「一人だけ堕ちたわね、蝶子さん。貴女が一生、私たちや月くんに迷惑をかけないよう、貴方の悪業や再犯性はしっかり証言して差し上げますから。」
そう言って、女はハンドバッグから手鏡を取り出すと、私に向けた。
そこには、年齢以上にしわくちゃで、目が吊り上がり、鬼のような人相になった、誰にも見向きされっこない醜悪な老女がいた………。
104
あなたにおすすめの小説
【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】
彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』
高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。
その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。
そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?
【完結済】俺のモノだと言わない彼氏
竹柏凪紗
BL
「俺と付き合ってみねぇ?…まぁ、俺、彼氏いるけど」彼女に罵倒されフラれるのを寮部屋が隣のイケメン&遊び人・水島大和に目撃されてしまう。それだけでもショックなのに壁ドン状態で付き合ってみないかと迫られてしまった東山和馬。「ははは。いいねぇ。お前と付き合ったら、教室中の女子に刺されそう」と軽く受け流した。…つもりだったのに、翌日からグイグイと迫られるうえ束縛まではじまってしまい──?!
■青春BLに限定した「第1回青春×BL小説カップ」最終21位まで残ることができ感謝しかありません。応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦
雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、
隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。
しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです…
オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が
なかたのでした。
本当の花嫁じゃない。
だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、
だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という
お話です。よろしくお願いします<(_ _)>
ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました
あと
BL
「お兄ちゃん!一肌脱ぎます!」
完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け
可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…?
攻め:ヴィクター・ローレンツ
受け:リアム・グレイソン
弟:リチャード・グレイソン
pixivにも投稿しています。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
【BL】男なのになぜかNo.1ホストに懐かれて困ってます
猫足
BL
「俺としとく? えれちゅー」
「いや、するわけないだろ!」
相川優也(25)
主人公。平凡なサラリーマンだったはずが、女友達に連れていかれた【デビルジャム】というホストクラブでスバルと出会ったのが運の尽き。
碧スバル(21)
指名ナンバーワンの美形ホスト。自称博愛主義者。優也に懐いてつきまとう。その真意は今のところ……不明。
「絶対に僕の方が美形なのに、僕以下の女に金払ってどーすんだよ!」
「スバル、お前なにいってんの……?」
冗談?本気?二人の結末は?
美形病みホス×平凡サラリーマンの、友情か愛情かよくわからない日常。
※現在、続編連載再開に向けて、超大幅加筆修正中です。読んでくださっていた皆様にはご迷惑をおかけします。追加シーンがたくさんあるので、少しでも楽しんでいただければ幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる