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この世界の癌と2人を阻むもの
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遠い、遠い昔話をしよう。
この世界の国々はレッドキングダムを中心に北に科学の進歩したスノーフォレスト、東に日本と中国を足したような文化の島国・ジャポン、西に酪農国フルール、南に神獣を王族の祖とするサウス王国で成り立っているが、レッドキングダムはかつて、違う国だった。
その時の国がルビー王国。今から500年前ほど昔のことだ。
フォルテ辺境伯家は当時から辺境伯で、見目麗しい兄弟がいた。
年の離れた兄弟で、二人とも武芸の才に溢れ、優秀。
しかし、兄の方は早いうちに弟に跡目を譲り、年若い頃から戦場を転々とし、「勇者」と呼ばれるようになった。
ルビー王国の国王は、男色家で、この兄・クレッシェンド=フォルテを見初めていたが、それは気味の悪い執着で、国王の望む侵略戦争や魔物討伐、戦場と有れば喜んではせ参じていたのは、寝所の誘いから逃げるため。
戦場で傷だらけになり、また、年をとってしまえば、国王の関心もなくなるのではと考えてのことだった。
しかしクレッシェンド=フォルテはスノーフォレストで魔王と呼ばれていた錬金術師の男を討伐した後、ついに戦場をなくし、結局は、弟を人質にされ、王にその身を差し出すことになってしまう…。
そして――――――
「フォルテ辺境伯家が排出した『勇者』は自分の運命の番だった『魔王』を想いながら、心と体を擦りきらせて最後は自死を選んでしまったんだ。『勇者』を死に追いやった国王は弾劾され、こうしてルビー王国は消滅し、レッドキングダムが誕生した。ルビー一族が生き残っていたのは、一族の末端がマトモだったからということもあるが、永久に王位継承権をはく奪し、権力もあってないようなものになっていたはずなのに…。」
「はい。今ではこの国の中枢を牛耳ってしまっている。この国にはもはやまともな貴族は少ないのです。」
「なんでそんな悪者が……!」
「味方がおらんのか。500年も経ち、何があって一族が没落したのかも曖昧になり、ただ執念だけで成り上がった。世界の混乱に乗じて。ザオラルも多くを話してくれんかったからな、結局どれだけの災害だった?」
「大地震と大津波が一気に押し寄せ、スノーフォレストでは火山が噴火しました。一度に世界規模の大災害が起きてしまい、地形が変わってしまいました。ジャポンとの間では大渦があり近寄れず、上空も気流が激しく、スノーフォレストとフルール、サウスとの国境は隆起した山がそびえ、今でも他国とは分断されたままです。他国の状況は分からず、お互いに救援を求められない。それに、昔は魔物を完全に使役していたそうですが、今では魔物討伐も必要で…。何故か備蓄を大量に持っていたルビー一族が助けたのです。それをきっかけに…。」
「ふむ…。」
「旦那様ーーっ!!!」
騎士の一人が部屋に駆け込む。
「旦那様、ワイバーンがっ!ワイバーンの群れですっ!」
「なにっ!」
「マイケルが魔物を呼ぶ遠吠えを!すぐに口を塞いだのですが!」
―――失敗した時には、魔物で殺そうということだったのか。
「クルス、アリス様はここにいてください!」
「そんなっ!俺に何かできることは!」
「子孫よ、私も戦場に出よう。久々で腕が鳴る。それからこの子にも武具を。」
「武具!?」
「この子は剣じゃない。この子は見た目こそお母様に似たが、この子は弓だ。」
この子には『■■』のスキルがある。
今のこの子に必要なのは、自信。
この世界の国々はレッドキングダムを中心に北に科学の進歩したスノーフォレスト、東に日本と中国を足したような文化の島国・ジャポン、西に酪農国フルール、南に神獣を王族の祖とするサウス王国で成り立っているが、レッドキングダムはかつて、違う国だった。
その時の国がルビー王国。今から500年前ほど昔のことだ。
フォルテ辺境伯家は当時から辺境伯で、見目麗しい兄弟がいた。
年の離れた兄弟で、二人とも武芸の才に溢れ、優秀。
しかし、兄の方は早いうちに弟に跡目を譲り、年若い頃から戦場を転々とし、「勇者」と呼ばれるようになった。
ルビー王国の国王は、男色家で、この兄・クレッシェンド=フォルテを見初めていたが、それは気味の悪い執着で、国王の望む侵略戦争や魔物討伐、戦場と有れば喜んではせ参じていたのは、寝所の誘いから逃げるため。
戦場で傷だらけになり、また、年をとってしまえば、国王の関心もなくなるのではと考えてのことだった。
しかしクレッシェンド=フォルテはスノーフォレストで魔王と呼ばれていた錬金術師の男を討伐した後、ついに戦場をなくし、結局は、弟を人質にされ、王にその身を差し出すことになってしまう…。
そして――――――
「フォルテ辺境伯家が排出した『勇者』は自分の運命の番だった『魔王』を想いながら、心と体を擦りきらせて最後は自死を選んでしまったんだ。『勇者』を死に追いやった国王は弾劾され、こうしてルビー王国は消滅し、レッドキングダムが誕生した。ルビー一族が生き残っていたのは、一族の末端がマトモだったからということもあるが、永久に王位継承権をはく奪し、権力もあってないようなものになっていたはずなのに…。」
「はい。今ではこの国の中枢を牛耳ってしまっている。この国にはもはやまともな貴族は少ないのです。」
「なんでそんな悪者が……!」
「味方がおらんのか。500年も経ち、何があって一族が没落したのかも曖昧になり、ただ執念だけで成り上がった。世界の混乱に乗じて。ザオラルも多くを話してくれんかったからな、結局どれだけの災害だった?」
「大地震と大津波が一気に押し寄せ、スノーフォレストでは火山が噴火しました。一度に世界規模の大災害が起きてしまい、地形が変わってしまいました。ジャポンとの間では大渦があり近寄れず、上空も気流が激しく、スノーフォレストとフルール、サウスとの国境は隆起した山がそびえ、今でも他国とは分断されたままです。他国の状況は分からず、お互いに救援を求められない。それに、昔は魔物を完全に使役していたそうですが、今では魔物討伐も必要で…。何故か備蓄を大量に持っていたルビー一族が助けたのです。それをきっかけに…。」
「ふむ…。」
「旦那様ーーっ!!!」
騎士の一人が部屋に駆け込む。
「旦那様、ワイバーンがっ!ワイバーンの群れですっ!」
「なにっ!」
「マイケルが魔物を呼ぶ遠吠えを!すぐに口を塞いだのですが!」
―――失敗した時には、魔物で殺そうということだったのか。
「クルス、アリス様はここにいてください!」
「そんなっ!俺に何かできることは!」
「子孫よ、私も戦場に出よう。久々で腕が鳴る。それからこの子にも武具を。」
「武具!?」
「この子は剣じゃない。この子は見た目こそお母様に似たが、この子は弓だ。」
この子には『■■』のスキルがある。
今のこの子に必要なのは、自信。
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