異世界転移した性奴隷は若き辺境伯の愛に溺れる

竜鳴躍

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辺境伯は愛する者のために駆けた

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魔物の襲撃を撃退したことに、辺境伯家では、城だけでなく領地が賑わい、ちょっとした祭状態。

ルビー一族とそのつながりがある者たち以外は、和気あいあいと語り合っている。


教会から神父を呼び、結婚式を執り行う。



「はわわ、まさかかのアリス陛下のお血筋だったとは!世が世ならプリンス!いや、プリンセス!?それなのに私めが父親役だなんてよろしいのでしょうか!」

正装に身を包んだセバス様は、今日から俺のお父様になる。


「よい、私とてこの世界では戸籍があるわけではないのだから。しかしよくすんなり養女の決裁が通るものだ。独裁者なのだろう?」

アリスおじいちゃんもトーンの正装借りててカッコいい。



「自分の権力を守ることと好きなことには熱心だが、通常の事務作業には関心がないのです。逆らわずやっていれば、平穏でした。ただ、これからはそうもいかないでしょうね。」


「トーン、どういうこと…??もしかして、この城からルビー一族を排除したから……。」

「ああ。今すぐにではなくても、すぐにあの国王たちは私を追い詰めるだろう。だから、今から結婚式をするんだ。」



「……なんか照れくさい。俺の方が年上なのに、どうして、そんなにかっこいいの…。」


「年齢なんて関係ないよ。」

「お、俺より若い子と仲良くしたら、嫉妬しちゃうかもよ?俺、めんどくさいかも。」


「嫉妬するくらい好きになってくれて嬉しい。」




「さぁさぁ、みなさん、早く式を始めますよ。」

白いヴェールを深く被った神父は、声の張りからして、おそらく若い。


俺は白いスーツを着て、お揃いのスーツのトーンの横に並ぶ。

「夫夫になって子孫繁栄、悪者撲滅、世界の救世主になることを誓いますか?」


「「誓います!」」



「これで、二人は夫婦です!二人に神の祝福を!」








「どういうことよぉおっ!!!!!ボルテスはっ、マイケルはっ!!どうして戦場になっていなくてパーティなのよぉ!!!離しなさいよ!!!!」

「わしを誰だと思っている!国王陛下とも親戚だぞ!!」



祝いの場に相応しくない金切り声と怒声。

辺境伯家の騎士に取り押さえられ、衣服や髪を乱れさせ、薄汚れたジュリアナたち。


「トーン…。」

「馬鹿な奴らだ。家に引きこもっていれば、もう少しは優雅な生活が送れただろうに。」


「トーン。能力を使うのだろう。心配しなくとも来栖は驚きはしてもお前を嫌いにはならないだろう。始末をつけるといい。」

アリスの言葉にトーンは驚きながら、かの名君であれば察しがついていたということか、と納得した。


「私の先祖になったサウス王国の王子の祖は神獣で、人間ではなかった。そして、アリス陛下の妃の一人も神獣で、長い時をかけて私には両方の神獣の血も、また入った。この世界には特殊な能力を持つ者がいる。神獣の血が入った人間には、力があるんだ。私の力はね―――――――。」




「な、なにっ!トーン様ッ!」


じりじりとトーンはジュリアナたちに近づくと、顔を近づけ、至近距離でその青い目を光らせて見つめた。



「忘れろ、すべて。」


「……っ、あ、うおあ。」


ガタガタと震えだし、目の焦点があわなくなり、口からは涎が垂れて、ジュリアナ親子はその場でしゃがんで倒れ、動かなくなった。



「なるほど、脳が死ぬのか。」
アリスがひとりごちる。


「即死させる能力だが、至近距離で目を合わさなければかけられないし、かけた相手はかならずこうなって、加減ができないんだ。本当はあの国王にかけてやりたいけど、屑は国王だけではないしね……。使いづらい能力だけど、今回は役に立った。………ごめんね、私が恐ろしい?」



クルスには言わないけど、君の客で君を覚えているものたちは、ぜんぶこうなった。


「怖くないよ。」

ぎゅっと、クルスは私を抱きしめてくれた。








「それでは私は教会に戻りますね。」

「待て。」

帰ろうとする神父の腕を人気のない物陰でアリスが掴む。


「お前は私の子孫だろう。本当の王家の直系の血筋とみるが?」

白いローブの下は、アリスによく似た、金髪碧眼の美貌だった。

「仲間になれ。」

「………もう、隠れなくていいんですね。私を表に出す責任はとってくださいよ。」

トーンと同じか少しばかり年上に見える男は、唇を曲げた。
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