異世界転移した性奴隷は若き辺境伯の愛に溺れる

竜鳴躍

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お見合い

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集団見合の日は快晴に恵まれ、城の庭園には多くの若者でいっぱいになった。

マナエル陛下の祝辞があり、ノイマン様とカミーユ様がホストになって、あのろくでもないクズカス王の犠牲になっていた人たちが集う。


犠牲になっていた男女で、新しい人生を共に歩むパートナーがいない人たち。

失った富や名声は、国が保障して支援して取り戻せる。

でも、若さや心身の傷は取り戻せない。

そこまで高齢の人がいないといっても、一番年上の人はアラフォーになる。

女性でも男性でも妊娠するのは難しいし、長らく虐げられた後遺症で、勃起不全になってしまっている人たちもいる。

そこはカミーユ様が向こうの世界でいうところの人工妊娠等の生殖医療をフルパワーでバックアップしてくれる。
向こうでは100%ではなかったけど、この世界は男性も妊娠させられるのだから、生殖医療に関してはこちらの方が進んでいる。

だから、期待できるのかもしれない。



「さぁ、シリウス。いい人がいたら声をかけてみて。みんないい人たちだから。」



「お前たちはこの場に相応しくない。退場していただこう。」

突然、ビーツの低い声が響き、シリウスの体が跳ねた。

奥の方で、ビーツが男たちに詰めよっている。

近くには、泣きじゃくる細身の男性。

スーツでめかしこんだ男たちは、一目散に帰っていった。



「ビーツ、どうしたの。」

「あいつら、俺たちが性奴隷だったからって『すぐヤレる』相手を探しに来てたんだ。やっぱな、そう思われちゃうってのは現実だからな。だが、ここはそういう場ではない。過去を知っていても、誠心誠意、結婚して、支え合えるパートナーを探す場所だ。大体、ノイマン様が主催だぞ。陛下もおられる場で不敬極まりないな。下位貴族の子息だったけど、あれはないな。」

「ビーツさま、ありがとうございました。あの……」


助けてもらった令息が頬を染めてビーツを見上げる。

彼はアイツの後宮に閉じ込められていた子だ。

やっぱり偏見も多くて、虐げられた者同士でくっつく人が多いみたい。


でも、そんなの気にしないって、昔の同級生とか、後輩とか、国に虐げられるくらい有能だった男を求めた下位貴族の子息令嬢たちも会場にはいる。
性奴隷なんて傷持ちなら、高位貴族の出身でもあるいは、って思うからね。

だけど過去を気にせず、自分を見てくれる相手なら誰でもいい。犯罪者とかでなければ。


「俺は妻ではなく夫を探しているのですが…。」

ビーツがそういうと、令息は頭を下げて去っていった。


「ああ、やっぱ夫を探してるって言ってもなかなかいないなあ。俺の客もなかなかごつかっただろう?あいつらからは求婚されるんだけど俺の好みじゃないからさぁ。」


俺はシリウスをひじでつんつんしてみた。

自然にすーっと動いて、俺の後ろに隠れてたシリウスを目に触れさせる。


ビーツの顔がとたんに真っ赤になって、シリウスを見た。


「き、きみはっ。」


「し、しりうすですっ。」

「クルス、だけど、幼すぎる…!なんで連れて来たんだよぉ!」


「大丈夫、今年いっぱいには18歳になるらしいよ。あとは本人の気持ち次第じゃないかなあ。」

「だっ だが、おびえてないか?」


「シリウス、ビーツとお話して友達でもいいし、他の人たちともお話してご覧。年の近い人もいるみたいだし。俺はここで、料理の手配があるから。」


そう、俺は今日の料理のすべてを監修しているからね。


みんな幸せになぁれ。







「ふん、警備がゆるいなー。」

シリウスにこの会があると聞いたマイケルは、忍び込んで料理を食べていた。

もともと住んでいた城の庭。

警備の穴も抜け道も知っている。


シリウスは結論を言うと、クルスをマイケルに引き合わすことはできなかった。

だが、この会のことを漏らしてしまった。

誘導尋問にひっかかったようなもの。

ここでこの会があることは、マイケルが推測した。

平民まで含めて、こういう会をするならばガーデンパーティーになると踏んだ。


人混みの中から、マイケルはクルスを見ていた。


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