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旦那様が見てる(後ろの壁際に隠れて
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ガーデンパーティのご飯は俺が全部監修した。
立食でも座っても、どちらでも気軽に食べられて、洗練された味でありながらもマナーをさほど気にしなくてもいいもの。
野菜と肉を焼いたバーベキュー、ローストビーフとマッシュポテト、生ハムとレタスとトマトを挟んだそれぞれのサンドイッチ。
口紅を引いた女性が食べやすいように、小さめに作って、ピンチョス風だ。
色とりどりのピンチョスは、一口で食べられる上におつまみにもなるし、女の子受けもいい。
スイーツはこれまた500円玉くらいのミニサイズでシュークリームやタルトを作った。
ドリンクはお酒が苦手な人やまだ成人していない参加者のために、レモン水や紅茶も用意している。
「どんどん焼きますから、たくさん召し上がってくださいね。」
俺の背中には、今、すごい視線が集まっている。
視線を送っているのが誰なのか。
そう!
トーンだ!
俺の旦那様!
全くもうやきもち焼きなんだから。
馬を飛ばしてショートカットすれば行けなくはないとはいえ、辺境伯がお城にいてどうするの。
………でもちょっと、嬉しいかもしれない。
「辺境伯。」
「陛下は黙っててください。今、愛する妻が不埒な輩に視姦されていないか目を光らせているので!」
「目が悪くなるから瞬きはしなさい。それに変態みたいだから夫人に呆れられても知らないぞ。」
「はっ!そういえば陛下もまだ未婚………!クルスは渡しませんよ!」
「夫人が絡むときだけ途端におかしくなるな…。」
「大丈夫、マナエルはちゃんと婚約者がいるから。」
「国交回復を記念して、フルール王国から娶る段取り中です。」
「ノイマン様達が言うのなら信用しましょう。だが、いやらしい目で私のクルスを見たら許さない!」
「いやらしい目も何も……(大方の参加者が性奴隷かハレムの愛妾出身なんだけど)。」
トーンは物陰からじーっとクルスが働いている後ろ姿を見ていた。
クルスの後ろにトーンがいることも知らないマイケル(元王子)は……。
「いやぁ、いい食べっぷりだ。君も伴侶を探しに来たんだろう?君の名前は?」
「俺はマイケル!ただのマイケルだ!冒険者をしてる!」
(ありふれた名前でよかった。うっかり偽名なんか使ったらボロが出そうだからな。そういえば、辺境伯のとこにいた一族の騎士もマイケルだっけ。うちの両親子どもの名前に関心なさすぎだろ。)
「冒険者か!それは頼もしい!」
(暇だから冒険者登録したんだよな。意外と才能あった、私。)
「昔みたいな危険は少ないし、実入りは減ったらしいけど、俺、ハウスキーピングの仕事もできるから、何でも屋。」
「この会の華たちは性別や身分を問わないらしいから、うまく玉の輿にのれたらいいな。それじゃあお互い頑張ろうぜ!」
ジューシーに焼けた肉を頬張る。
うまい。
何この焼き加減。
絶妙に肉汁を閉じ込めた肉。噛めば肉汁が溢れる。
しかも柔らかい!
さすが我が嫁………
お代わりを貰う体で、いよいよトーンが動き出した。
それにハッとなるシリウス。
だけどシリウスは挙動不審になり、手をバタバタとするばかり。
「夫人。お話を伺いたい…!!」
ついにマイケルはクルスの前に出た。
(この料理のことを聞きたいのかな?)
「いいですよ!」
クルスはやっぱり平和ボケした現代日本人だったのである。
しかし、マイケルは知らない…………。
すぐそこにトーンがいることを。
立食でも座っても、どちらでも気軽に食べられて、洗練された味でありながらもマナーをさほど気にしなくてもいいもの。
野菜と肉を焼いたバーベキュー、ローストビーフとマッシュポテト、生ハムとレタスとトマトを挟んだそれぞれのサンドイッチ。
口紅を引いた女性が食べやすいように、小さめに作って、ピンチョス風だ。
色とりどりのピンチョスは、一口で食べられる上におつまみにもなるし、女の子受けもいい。
スイーツはこれまた500円玉くらいのミニサイズでシュークリームやタルトを作った。
ドリンクはお酒が苦手な人やまだ成人していない参加者のために、レモン水や紅茶も用意している。
「どんどん焼きますから、たくさん召し上がってくださいね。」
俺の背中には、今、すごい視線が集まっている。
視線を送っているのが誰なのか。
そう!
トーンだ!
俺の旦那様!
全くもうやきもち焼きなんだから。
馬を飛ばしてショートカットすれば行けなくはないとはいえ、辺境伯がお城にいてどうするの。
………でもちょっと、嬉しいかもしれない。
「辺境伯。」
「陛下は黙っててください。今、愛する妻が不埒な輩に視姦されていないか目を光らせているので!」
「目が悪くなるから瞬きはしなさい。それに変態みたいだから夫人に呆れられても知らないぞ。」
「はっ!そういえば陛下もまだ未婚………!クルスは渡しませんよ!」
「夫人が絡むときだけ途端におかしくなるな…。」
「大丈夫、マナエルはちゃんと婚約者がいるから。」
「国交回復を記念して、フルール王国から娶る段取り中です。」
「ノイマン様達が言うのなら信用しましょう。だが、いやらしい目で私のクルスを見たら許さない!」
「いやらしい目も何も……(大方の参加者が性奴隷かハレムの愛妾出身なんだけど)。」
トーンは物陰からじーっとクルスが働いている後ろ姿を見ていた。
クルスの後ろにトーンがいることも知らないマイケル(元王子)は……。
「いやぁ、いい食べっぷりだ。君も伴侶を探しに来たんだろう?君の名前は?」
「俺はマイケル!ただのマイケルだ!冒険者をしてる!」
(ありふれた名前でよかった。うっかり偽名なんか使ったらボロが出そうだからな。そういえば、辺境伯のとこにいた一族の騎士もマイケルだっけ。うちの両親子どもの名前に関心なさすぎだろ。)
「冒険者か!それは頼もしい!」
(暇だから冒険者登録したんだよな。意外と才能あった、私。)
「昔みたいな危険は少ないし、実入りは減ったらしいけど、俺、ハウスキーピングの仕事もできるから、何でも屋。」
「この会の華たちは性別や身分を問わないらしいから、うまく玉の輿にのれたらいいな。それじゃあお互い頑張ろうぜ!」
ジューシーに焼けた肉を頬張る。
うまい。
何この焼き加減。
絶妙に肉汁を閉じ込めた肉。噛めば肉汁が溢れる。
しかも柔らかい!
さすが我が嫁………
お代わりを貰う体で、いよいよトーンが動き出した。
それにハッとなるシリウス。
だけどシリウスは挙動不審になり、手をバタバタとするばかり。
「夫人。お話を伺いたい…!!」
ついにマイケルはクルスの前に出た。
(この料理のことを聞きたいのかな?)
「いいですよ!」
クルスはやっぱり平和ボケした現代日本人だったのである。
しかし、マイケルは知らない…………。
すぐそこにトーンがいることを。
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