55 / 64
尊い………!!
しおりを挟む
自分を悪くみせても、自分が処刑になることを考えたうえで腹違いの弟を助けようとする兄。
真意がわからなくても、どんなにひどい扱いを受けても、兄に寄り添い続けた弟。
なんて尊い………!!
ぶわっと涙腺が崩壊する。
「うっ、うぅうっ。うぇええええ。」
「どうした。ビーツ。そんなに泣き出して。」
「だってぇぇぇ。だってぇ。かわいそうだよぉおおおおお!どうにかならないんですかぁ!俺はぁつ、二人とも幸せになって欲しぃい!」
「でもなぁ……あそこであんなふうに騒がれるとなぁ……。」
ノイマンがトーンとマイケルを見る。
「さすがに元王太子の方はどうにもならないような。」
「もしかして、殿下は僕のこと好きだったんですか………!弟として愛してくださってたのですか!」
「お前は他の腹違いの弟妹と違って、端から私のことを嫌ってこなかっただろう。純粋で……優秀で。私は一人だったから、慕ってくれる弟が可愛くないわけないじゃないか。さすがにたくさんいる弟妹を助けることはできないが、お前一人くらい助けたいって思うだろう?」
「あああああ!お兄様ぁ!!!!!ずっと、お兄様って呼びたかった!」
「シリウス!!ごめんよー!つらくあたってごめん!!!」
「尊い…。マイケルもシリウスも可愛い!二人ともカワイイ!!!」
「トーン、他の子どもたちみたいにしてはダメなの?」
「うーん。」
みんなで意見を出し合った結果、一般国民を陪審員にして裁判にかけることに。
シリウスは戸籍がないためセーフ。マイケルもルビー一族に繋がるすべての履歴を捨て、平民として煙突掃除などをして生涯社会貢献に努めることとなった。
つまり、何も変わらないということ。
これは、冒険者としての活動で人となりが正しく知られていたことが大きかった。
そして…………。
「もう、二人とも甘えん坊だなあ。」
「おいっ!どうしてお前たちがうちにいるんだ!」
今日もトーンの叫び声がこだまする。
「シリウスはうちで働いているもの。こんなに可愛い子たちを邪険にすることないじゃない。」
「わーい、ぱぶぱぶ。クルスママは優しいなぁ。」
「私はお前を養子にした覚えはない!」
「僕、きっと立派になってみせます!僕はかわいそうな子じゃないって!もっと視野を広げて!辺境伯閣下みたいな立派な人になりたいから!僕の過呼吸を優しく落ち着かせてくれた白衣の天使みたいなあの人に相応しい立派な筋肉を身に着けるんだ!」
「シリウス君、てれてれでビーツのこと満更じゃないのは嬉しいんだけど、ビーツは筋肉を求めてないと思うよ。」
「大体、辺境伯は秘密主義が多すぎる!」
ビシッとマイケル元殿下が指をさす。
「クルスママの元客になにをしたのか、ちゃんとママにいうべきだ!能力のことはもう知ってるんだろ!」
「……っ、きらわれたくないんだ。」
「あのね、マイケル。言わぬが花って言葉もあると思うんだ。トーンが言いたくないなら俺は…。きっと俺のためにしたことだと思うし…。」
トーンはクルスを身請けしたばかりの時のことを思い出して、胸を押さえた。
身請けする。
愛しい人を。
でも愛しい人は性奴隷をさせられていた。
偏見は受けるだろう。
それに、自分以外の男があの人を知っているという、どうしようもない苛立ち。
身請けするにあたり、トーンは調べたのだ。
3年という長い月日ながら、クルスの客は固定が多く、それほど多い人数ではなかった。
大体は身請けの話をすると、祝いを言って、あの子を幸せにしてやってほしい、自分ではできなかったからと言ってくれて、ベッドではどうだったとかそういう野暮な話は今後一切流布せずに、閨の思い出は自分の中にとどめておいてくれることや関係をもとうなどとしないことを約束、契約書まで取り交わしてくれた。
ノイマン殿下が取り仕切っていただけあって、客もそれほど変な相手はいなかった。
ただ、最初の頃の客で出禁になった客たち以外は――――――。
真意がわからなくても、どんなにひどい扱いを受けても、兄に寄り添い続けた弟。
なんて尊い………!!
ぶわっと涙腺が崩壊する。
「うっ、うぅうっ。うぇええええ。」
「どうした。ビーツ。そんなに泣き出して。」
「だってぇぇぇ。だってぇ。かわいそうだよぉおおおおお!どうにかならないんですかぁ!俺はぁつ、二人とも幸せになって欲しぃい!」
「でもなぁ……あそこであんなふうに騒がれるとなぁ……。」
ノイマンがトーンとマイケルを見る。
「さすがに元王太子の方はどうにもならないような。」
「もしかして、殿下は僕のこと好きだったんですか………!弟として愛してくださってたのですか!」
「お前は他の腹違いの弟妹と違って、端から私のことを嫌ってこなかっただろう。純粋で……優秀で。私は一人だったから、慕ってくれる弟が可愛くないわけないじゃないか。さすがにたくさんいる弟妹を助けることはできないが、お前一人くらい助けたいって思うだろう?」
「あああああ!お兄様ぁ!!!!!ずっと、お兄様って呼びたかった!」
「シリウス!!ごめんよー!つらくあたってごめん!!!」
「尊い…。マイケルもシリウスも可愛い!二人ともカワイイ!!!」
「トーン、他の子どもたちみたいにしてはダメなの?」
「うーん。」
みんなで意見を出し合った結果、一般国民を陪審員にして裁判にかけることに。
シリウスは戸籍がないためセーフ。マイケルもルビー一族に繋がるすべての履歴を捨て、平民として煙突掃除などをして生涯社会貢献に努めることとなった。
つまり、何も変わらないということ。
これは、冒険者としての活動で人となりが正しく知られていたことが大きかった。
そして…………。
「もう、二人とも甘えん坊だなあ。」
「おいっ!どうしてお前たちがうちにいるんだ!」
今日もトーンの叫び声がこだまする。
「シリウスはうちで働いているもの。こんなに可愛い子たちを邪険にすることないじゃない。」
「わーい、ぱぶぱぶ。クルスママは優しいなぁ。」
「私はお前を養子にした覚えはない!」
「僕、きっと立派になってみせます!僕はかわいそうな子じゃないって!もっと視野を広げて!辺境伯閣下みたいな立派な人になりたいから!僕の過呼吸を優しく落ち着かせてくれた白衣の天使みたいなあの人に相応しい立派な筋肉を身に着けるんだ!」
「シリウス君、てれてれでビーツのこと満更じゃないのは嬉しいんだけど、ビーツは筋肉を求めてないと思うよ。」
「大体、辺境伯は秘密主義が多すぎる!」
ビシッとマイケル元殿下が指をさす。
「クルスママの元客になにをしたのか、ちゃんとママにいうべきだ!能力のことはもう知ってるんだろ!」
「……っ、きらわれたくないんだ。」
「あのね、マイケル。言わぬが花って言葉もあると思うんだ。トーンが言いたくないなら俺は…。きっと俺のためにしたことだと思うし…。」
トーンはクルスを身請けしたばかりの時のことを思い出して、胸を押さえた。
身請けする。
愛しい人を。
でも愛しい人は性奴隷をさせられていた。
偏見は受けるだろう。
それに、自分以外の男があの人を知っているという、どうしようもない苛立ち。
身請けするにあたり、トーンは調べたのだ。
3年という長い月日ながら、クルスの客は固定が多く、それほど多い人数ではなかった。
大体は身請けの話をすると、祝いを言って、あの子を幸せにしてやってほしい、自分ではできなかったからと言ってくれて、ベッドではどうだったとかそういう野暮な話は今後一切流布せずに、閨の思い出は自分の中にとどめておいてくれることや関係をもとうなどとしないことを約束、契約書まで取り交わしてくれた。
ノイマン殿下が取り仕切っていただけあって、客もそれほど変な相手はいなかった。
ただ、最初の頃の客で出禁になった客たち以外は――――――。
28
あなたにおすすめの小説
異世界転移してΩになった俺(アラフォーリーマン)、庇護欲高めα騎士に身も心も溶かされる
ヨドミ
BL
もし生まれ変わったら、俺は思う存分甘やかされたい――。
アラフォーリーマン(社畜)である福沢裕介は、通勤途中、事故により異世界へ転移してしまう。
異世界ローリア王国皇太子の花嫁として召喚されたが、転移して早々、【災厄のΩ】と告げられ殺されそうになる。
【災厄のΩ】、それは複数のαを番にすることができるΩのことだった――。
αがハーレムを築くのが常識とされる異世界では、【災厄のΩ】は忌むべき存在。
負の烙印を押された裕介は、間一髪、銀髪のα騎士ジェイドに助けられ、彼の庇護のもと、騎士団施設で居候することに。
「αがΩを守るのは当然だ」とジェイドは裕介の世話を焼くようになって――。
庇護欲高め騎士(α)と甘やかされたいけどプライドが邪魔をして素直になれない中年リーマン(Ω)のすれ違いラブファンタジー。
※Rシーンには♡マークをつけます。
【完結】一生に一度だけでいいから、好きなひとに抱かれてみたい。
村松砂音(抹茶砂糖)
BL
第13回BL大賞で奨励賞をいただきました!
ありがとうございました!!
いつも不機嫌そうな美形の騎士×特異体質の不憫な騎士見習い
<あらすじ>
魔力欠乏体質者との性行為は、死ぬほど気持ちがいい。そんな噂が流れている「魔力欠乏体質」であるリュカは、父の命令で第二王子を誘惑するために見習い騎士として騎士団に入る。
見習い騎士には、側仕えとして先輩騎士と宿舎で同室となり、身の回りの世話をするという規則があり、リュカは隊長を務めるアレックスの側仕えとなった。
いつも不機嫌そうな態度とちぐはぐなアレックスのやさしさに触れていくにつれて、アレックスに惹かれていくリュカ。
ある日、リュカの前に第二王子のウィルフリッドが現れ、衝撃の事実を告げてきて……。
親のいいなりで生きてきた不憫な青年が、恋をして、しあわせをもらう物語。
※性描写が多めの作品になっていますのでご注意ください。
└性描写が含まれる話のサブタイトルには※をつけています。
※表紙は「かんたん表紙メーカー」さまで作成しました。
【完結】顔だけと言われた騎士は大成を誓う
凪瀬夜霧
BL
「顔だけだ」と笑われても、俺は本気で騎士になりたかった。
傷だらけの努力の末にたどり着いた第三騎士団。
そこで出会った団長・ルークは、初めて“顔以外の俺”を見てくれた人だった。
不器用に愛を拒む騎士と、そんな彼を優しく包む団長。
甘くてまっすぐな、異世界騎士BLファンタジー。
わがまま放題の悪役令息はイケメンの王に溺愛される
水ノ瀬 あおい
BL
若くして王となった幼馴染のリューラと公爵令息として生まれた頃からチヤホヤされ、神童とも言われて調子に乗っていたサライド。
昔は泣き虫で気弱だったリューラだが、いつの間にか顔も性格も身体つきも政治手腕も剣の腕も……何もかも完璧で、手の届かない眩しい存在になっていた。
年下でもあるリューラに何一つ敵わず、不貞腐れていたサライド。
リューラが国民から愛され、称賛される度にサライドは少し憎らしく思っていた。
黒とオメガの騎士の子育て〜この子確かに俺とお前にそっくりだけど、産んだ覚えないんですけど!?〜
せるせ
BL
王都の騎士団に所属するオメガのセルジュは、ある日なぜか北の若き辺境伯クロードの城で目が覚めた。
しかも隣で泣いているのは、クロードと同じ目を持つ自分にそっくりな赤ん坊で……?
「お前が産んだ、俺の子供だ」
いや、そんなこと言われても、産んだ記憶もあんなことやこんなことをした記憶も無いんですけど!?
クロードとは元々険悪な仲だったはずなのに、一体どうしてこんなことに?
一途な黒髪アルファの年下辺境伯×金髪オメガの年上騎士
※一応オメガバース設定をお借りしています
白金の花嫁は将軍の希望の花
葉咲透織
BL
義妹の身代わりでボルカノ王国に嫁ぐことになったレイナール。女好きのボルカノ王は、男である彼を受け入れず、そのまま若き将軍・ジョシュアに下げ渡す。彼の屋敷で過ごすうちに、ジョシュアに惹かれていくレイナールには、ある秘密があった。
※個人ブログにも投稿済みです。
愛しの妻は黒の魔王!?
ごいち
BL
「グレウスよ、我が弟を妻として娶るがいい」
――ある日、平民出身の近衛騎士グレウスは皇帝に呼び出されて、皇弟オルガを妻とするよう命じられる。
皇弟オルガはゾッとするような美貌の持ち主で、貴族の間では『黒の魔王』と怖れられている人物だ。
身分違いの政略結婚に絶望したグレウスだが、いざ結婚してみるとオルガは見事なデレ寄りのツンデレで、しかもその正体は…。
魔法の国アスファロスで、熊のようなマッチョ騎士とツンデレな『魔王』がイチャイチャしたり無双したりするお話です。
表紙は豚子さん(https://twitter.com/M_buibui)に描いていただきました。ありがとうございます!
11/28番外編2本と、終話『なべて世は事もなし』に挿絵をいただいております! ありがとうございます!
【完結】ハーレムルートには重要な手掛かりが隠されています
天冨 七緒
BL
僕は幼い頃から男の子が好きだった。
気が付いたら女の子より男の子が好き。
だけどなんとなくこの感情は「イケナイ」ことなんだと思って、ひた隠しにした。
そんな僕が勇気を出して高校は男子校を選んだ。
素敵な人は沢山いた。
けど、気持ちは伝えられなかった。
知れば、皆は女の子が好きだったから。
だから、僕は小説の世界に逃げた。
少し遠くの駅の本屋で男の子同士の恋愛の話を買った。
それだけが僕の逃げ場所で救いだった。
小説を読んでいる間は、僕も主人公になれた。
主人公のように好きな人に好きになってもらいたい。
僕の願いはそれだけ…叶わない願いだけど…。
早く家に帰ってゆっくり本が読みたかった。
それだけだったのに、信号が変わると僕は地面に横たわっていた…。
電信柱を折るようにトラックが突っ込んでいた。
…僕は死んだ。
死んだはずだったのに…生きてる…これは死ぬ瞬間に見ている夢なのかな?
格好いい人が目の前にいるの…
えっ?えっ?えっ?
僕達は今…。
純愛…ルート
ハーレムルート
設定を知る者
物語は終盤へ
とあり、かなりの長編となっております。
ゲームの番外編のような物語です、何故なら本編は…
純愛…ルートから一変するハーレムルートすべての謎が解けるのはラスト。
長すぎて面倒という方は最終回で全ての流れが分かるかと…禁じ手ではありますが
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる