異世界転移した性奴隷は若き辺境伯の愛に溺れる

竜鳴躍

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貴方は悪くない

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城内の謁見の間にて。
陛下の後ろにはノイマン様夫婦、その傍にビーツ。

そして俺たち夫婦と前王の遺児二人…。
(※アリスおじいちゃんは国交回復のためにネームヴァリューのある自分の方が相手を納得させやすいし、そもそも今は国内を頑張ってほしいからと、ほぼ他国にいます。)

「ごめんなさい、ごめんなさいっ。僕、もう逃げません。どんな罰でも受けますから!」

シリウスは涙目で土下座をしている。

「シリウス!お前はほんっとドジで愚鈍だな!も碌に聞けないし!こいつはさ、街の修道女に私の父が無理やり産ませた子どもで。出産まで母親は拘束されてたけど、神の妻である修道女が穢れたとかなんとか?勝手に罪だとかほざいて母親は神の身許とやらにいったんだよ。生まれたばかりのこいつがいるのに、産まれたときから要らね、って誰からも捨て置かれたのがこいつさ。戸籍にも載ってない、王子ともよばれない、母親譲りの美貌で私より勉学はできて忌々しいから、私の玩具としておいてやってんの。奴隷みたいなもん。使えない奴隷は要らないから、こいつなんか私ともう血縁でも何でもないんで!主従関係でももちろんないから!」


平謝りでぐしぐし泣いてるシリウスに、やたらヘイトを集めようとするマイケル。


「あのミゲルの子にしてこの子ありだな。」

「こんなの生かしておいたらろくなことにならないだろう。」

「シリウス君には罪はない。かわいそうに。名もなき修道女よ…。」


ノイマンさんたちはそういうけど。

本当にこのマイケルはろくでなしだろうか。


虐待をするなら普通、見えない場所を殴るのではないだろうか。

例えその美貌に嫉妬していたとしても。

美貌に嫉妬した割には、顔の一部に青あざを作る程度だった。
見た目的にギョッとするけど、眼球に異常はなかったし、治る怪我。

普通、鼻を折るとか消えない傷をつけるくらいするんじゃないだろうか。


これ……。

もしかして誰も気付いてない?


シリウス君でさえも。


「シリウス君を虐げてきたのは、彼の命を守るため?そして、今は彼を救おうと自分だけが悪になろうとしてない?」


「……!」


みんながハッとした表情を浮かべる。

「そういえば、僕はお父様やお母様の閨には呼ばれたことはない…。他の妾の子たちはエッチなことされて泣いてる子もいるって……。僕に代わりに宿題とかさせてたけど、殿下はその分僕に勉強を教えてくれたし……??ごはんは少なかったけど……???」


「うわ、最低。」


「素直に言いなさい、言わないと分かるね?」

トーンの眼光がマイケルを射る。



「仕方ないだろ!一応虐げてる風じゃないと俺じゃない他の奴にやられそうだったし!俺なら手加減するけど、他の奴なら取り返しつかないことになるだろ!ごはんはもう、ごめんっていうか…。忍び込んで集めてくるのアレでも大変だったんだよ!お前も一緒にくえっていってもお前ときたら遠慮するしさぁ!いい加減シンデレラムーブもやめろってのに直んないし。まぁ、仕方ないか。そういう環境だったもんな。」

「うあー、どうしようかね。この子たち。子どもという年でもない、ましてや王族の記録がないシリウス君は兎も角、マイケル君は…。」


やっぱり頭抱えちゃうよね。



「トーン……。」

「ダメッ!そんな捨て犬を拾うみたいに簡単に受け入れないで!」



「王太子だったからね。スパーンと断頭台か毒杯がいいな。苦しまずにいけるやつ、頼みます。」


でも、そんなのもだめー!



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