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麗しきケーキ王国の王女
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ケーキ王国から王子と王女がやって来た!
2人ともモカ色の髪が甘い、華やかな美男美女。
ケーキ王国のメルヴェイユ王子は、ケーキ王国の下水道整備や交通路整備もリードした技術者でもあるし、ティラ王女はそんなお兄様をサポートしている才女なんだよ。
才色兼備ですごいよねぇ。
「ティラミスにお願いしたから、来てくれたんだよお!これでスパイス王国も整備できますぞ!」
きゃっきゃとしていたら、血相を変えたアニス様が飛んできた。
「カモミール団長から連絡がありました、二人は明日こちらへ来るそうですが、今日は今から歓迎会だそうです!お二人ともソルトに会いたいそうですよ!」
「そりゃそうでしょ、僕がお願いして来ていただいたんだから。」
じゃ、行きましょうかね~と椅子から立ち上がる。
「ちょっと待ちなさい。たとえ、相手方が許したとしても、仮にも一国の王子王女と会うのに、その格好じゃダメですよ?」
むんずと首根っこを捕まえられる。
ヒェッ。
助けてぇ~!とナス課長とキュウリ先輩を見たけれど、敬礼されたぁ!
スパイス王国よりも豊かで技術の進んだ大国、ケーキ王国。
その王子・王女ともなれば、衣装も豪華絢爛でかつ洗練されて嫌味がない。
たっぷりと同色の糸で刺繍された藍色のドレスを身にまとった王女は、モカ色の髪に薔薇色の瞳が映え、口元のほくろとぽってりとした唇がセクシーだ。
たれ目がちのパッチリした目元は濃い睫毛で縁取られている。
これだけの美女でありながら、才女という王女。
クミンは母親に付き添われながら、内心ごくりと喉を鳴らした。
しかし、彼女の隣には、彼女とよく似た兄王子がともにいて、クミンを警戒するようにじっと見ていた。
「王子殿下王女殿下にはご機嫌麗しゅう。はじめてお目にかかります、私、スパイス王国の第一王子、クミンと申します。ようこそ、我がスパイス王国へ。」
「………初めまして。」
「スパイス王国は香辛料がよく採れまして。美食の国と言われているんですよ。殿下たちのために今日は城の者が腕によりをかけておりますので、お楽しみください。」
「まあ、それは楽しみですわ。私、スパイス王国のお食事は気に入ってますの。」
「そうですか!」
「ほほほ。それほど我が国の食をお気に召していただいているのでしたら、王女のような素敵な方がクミンの妃になっていただければ、どれ程素晴らしいか…。クミンも、王女に一目ぼれをしたようですのよ…。」
「あら、王子にはマドレーヌ様がいらっしゃるでしょうに。」
「ま、まあ。聞き及んでおりましたか。…実は、あの子は王子妃教育についていけませんで…。」
「ふふふ。いやですわ、初めからあの方がついていけないことなど、分かっていたではないですか。」
側妃も、クミンも頭の上にハテナが飛びまわっている。
なんで、この王女はこの国の者ではないのに、自分とマドレーヌのことをよく知っているんだろう。
とにかく、なにか悪い予感だけはする……!
そこへ、ソルトが到着した。
「わぁっ!ティラ=ミス~!!久しぶりぃ!」
「きゃあ!ソルト!やあねえ、お互いこんな格好嫌なのにやらないといけないなんて!」
王女はぱっと立ち上がり、ソルトの手をとってきゃっきゃと飛び跳ねた。
「ティラ……、ミス?」
茫然とした顔でクミンは首を傾げる。
王女は侍従から眼鏡を受け取ると、顔に掲げてみせた。
「そうです、がり勉で色気がなくてブスだから、あなたとの婚約が決まりかけていたけれど破談になったティラミスですわ!」
隣の兄王子が膝を叩きながら笑い転げている。
「お兄さま、笑いすぎです!」
「いやぁ、お前、ほんっとこんな奴と婚約しなくて正解だったわ!」
「ななななななななななんでっ!!侯爵家の娘では…!?」
「タルト侯爵家は母の実家ですもの。この国に留学するにあたって、目立たないように母の実家の籍を借りていたのですわ。私の本名は、ティラ=ミス=ケーキです。すぐ調べればわかったことでしたのに。」
「なんで、ソルトといい、君といい、素晴らしい美貌を隠すんだよ!!!!」
「見た目だけで評価するような男は願い下げですわ。それに、私たちは自分をそれ程美しいと思ってませんもの。毎日鏡で見ている自分の顔を美しいって思う人ってナルシストしかいないんじゃないかしら。勉強は好きです。好きなものにわき目もふらず真面目に取り組んでいたら、自分のことがちょっと後回しになっただけじゃないですか。」
ネー、とソルトと2人意気投合している。
「あの、クミン様?ですから、一度婚約を取り消した私と、婚約できると思ったら大間違いですよ。それに、私、他の国の方々とも交友が深くて、世界中にお友達が多いので。クミン様から受けた仕打ちはお友達に愚痴らせていただいておりますわ!だから、マドレーヌ様を大切になさいませ?あの方を逃したら、貴方と結婚してくださるような奇特な女性はおりませんよ。あの方より劣るような方なら、まだいらっしゃるかもしれないですけどね。」
ガクッとクミンは肩を落とした。
2人ともモカ色の髪が甘い、華やかな美男美女。
ケーキ王国のメルヴェイユ王子は、ケーキ王国の下水道整備や交通路整備もリードした技術者でもあるし、ティラ王女はそんなお兄様をサポートしている才女なんだよ。
才色兼備ですごいよねぇ。
「ティラミスにお願いしたから、来てくれたんだよお!これでスパイス王国も整備できますぞ!」
きゃっきゃとしていたら、血相を変えたアニス様が飛んできた。
「カモミール団長から連絡がありました、二人は明日こちらへ来るそうですが、今日は今から歓迎会だそうです!お二人ともソルトに会いたいそうですよ!」
「そりゃそうでしょ、僕がお願いして来ていただいたんだから。」
じゃ、行きましょうかね~と椅子から立ち上がる。
「ちょっと待ちなさい。たとえ、相手方が許したとしても、仮にも一国の王子王女と会うのに、その格好じゃダメですよ?」
むんずと首根っこを捕まえられる。
ヒェッ。
助けてぇ~!とナス課長とキュウリ先輩を見たけれど、敬礼されたぁ!
スパイス王国よりも豊かで技術の進んだ大国、ケーキ王国。
その王子・王女ともなれば、衣装も豪華絢爛でかつ洗練されて嫌味がない。
たっぷりと同色の糸で刺繍された藍色のドレスを身にまとった王女は、モカ色の髪に薔薇色の瞳が映え、口元のほくろとぽってりとした唇がセクシーだ。
たれ目がちのパッチリした目元は濃い睫毛で縁取られている。
これだけの美女でありながら、才女という王女。
クミンは母親に付き添われながら、内心ごくりと喉を鳴らした。
しかし、彼女の隣には、彼女とよく似た兄王子がともにいて、クミンを警戒するようにじっと見ていた。
「王子殿下王女殿下にはご機嫌麗しゅう。はじめてお目にかかります、私、スパイス王国の第一王子、クミンと申します。ようこそ、我がスパイス王国へ。」
「………初めまして。」
「スパイス王国は香辛料がよく採れまして。美食の国と言われているんですよ。殿下たちのために今日は城の者が腕によりをかけておりますので、お楽しみください。」
「まあ、それは楽しみですわ。私、スパイス王国のお食事は気に入ってますの。」
「そうですか!」
「ほほほ。それほど我が国の食をお気に召していただいているのでしたら、王女のような素敵な方がクミンの妃になっていただければ、どれ程素晴らしいか…。クミンも、王女に一目ぼれをしたようですのよ…。」
「あら、王子にはマドレーヌ様がいらっしゃるでしょうに。」
「ま、まあ。聞き及んでおりましたか。…実は、あの子は王子妃教育についていけませんで…。」
「ふふふ。いやですわ、初めからあの方がついていけないことなど、分かっていたではないですか。」
側妃も、クミンも頭の上にハテナが飛びまわっている。
なんで、この王女はこの国の者ではないのに、自分とマドレーヌのことをよく知っているんだろう。
とにかく、なにか悪い予感だけはする……!
そこへ、ソルトが到着した。
「わぁっ!ティラ=ミス~!!久しぶりぃ!」
「きゃあ!ソルト!やあねえ、お互いこんな格好嫌なのにやらないといけないなんて!」
王女はぱっと立ち上がり、ソルトの手をとってきゃっきゃと飛び跳ねた。
「ティラ……、ミス?」
茫然とした顔でクミンは首を傾げる。
王女は侍従から眼鏡を受け取ると、顔に掲げてみせた。
「そうです、がり勉で色気がなくてブスだから、あなたとの婚約が決まりかけていたけれど破談になったティラミスですわ!」
隣の兄王子が膝を叩きながら笑い転げている。
「お兄さま、笑いすぎです!」
「いやぁ、お前、ほんっとこんな奴と婚約しなくて正解だったわ!」
「ななななななななななんでっ!!侯爵家の娘では…!?」
「タルト侯爵家は母の実家ですもの。この国に留学するにあたって、目立たないように母の実家の籍を借りていたのですわ。私の本名は、ティラ=ミス=ケーキです。すぐ調べればわかったことでしたのに。」
「なんで、ソルトといい、君といい、素晴らしい美貌を隠すんだよ!!!!」
「見た目だけで評価するような男は願い下げですわ。それに、私たちは自分をそれ程美しいと思ってませんもの。毎日鏡で見ている自分の顔を美しいって思う人ってナルシストしかいないんじゃないかしら。勉強は好きです。好きなものにわき目もふらず真面目に取り組んでいたら、自分のことがちょっと後回しになっただけじゃないですか。」
ネー、とソルトと2人意気投合している。
「あの、クミン様?ですから、一度婚約を取り消した私と、婚約できると思ったら大間違いですよ。それに、私、他の国の方々とも交友が深くて、世界中にお友達が多いので。クミン様から受けた仕打ちはお友達に愚痴らせていただいておりますわ!だから、マドレーヌ様を大切になさいませ?あの方を逃したら、貴方と結婚してくださるような奇特な女性はおりませんよ。あの方より劣るような方なら、まだいらっしゃるかもしれないですけどね。」
ガクッとクミンは肩を落とした。
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