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ナス課長の保護
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ボウ=ナス子爵家はそこそこ金持ちである。
元々領地は、農業をするにも土壌がよくなく、荒れ地ばかりで、海や山林にも微妙に遠いこの地は、これといった特産がなかった。
しかし、王都のおひざ元にあり、海や山、他の領地や他国に行くのに便利な位置にあることに気づいたボウ少年は、農作物の生産を捨て、交通網を整備することにって、王都や交易の安全なルートとして通過料を徴収することによって利益を得ることに成功した。
重要な交通網になれば、そこに商売が生まれ、宿泊業も盛んになり、通過料をとるために整備した、領地をぐるっと囲んだ高い塀と私兵の存在は、スパイス王国随一の治安を誇る地となり。
結果、親の代では貧しかった子爵家は豊かになったのである。
後継もいない、ゆくゆくは国に返すつもりの領地をなぜそこまで豊かにしたのか。
それは、国に返すつもりだからこそ、豊かにして渡したかったのだ。
ナス課長の人柄が細微まで反映されたその領地の一部は、可愛い部下の計画のために国に先に返しており、そこには国立の病院が建った。
商人が集まり、騎士団の拠点もあり、病院が近くにある。
そう、海里が暮らす街は、ナス課長の領地だった。
気にかけている海里が身重の身で一人で暮らすとなると、自分が一番信頼できるところでなければならなかった。
だから、使用人を住まわせている宅地の開いている区画に住まわせ、面倒見のいいルーシーにそれとなくお願いをした。
こんな裏で手を回して、もしかして知られたら気持ち悪いって思うかもしれない。
そう思ったものの、海里の安全が絶対に一番大切だったから。
カモミールやブラック、ホワイトのように、自分が直接守ってあげられるくらい強ければよかったけれど、残念ながら魔法も剣もからっきしだし、子爵は爵位的にも上位貴族には微妙で、守ってあげられそうもなかった。
だからこそ、いろいろ考えて、安全な場所を選んだのだ。
この数か月。
髪を切って、服装も変えて。
仕事の合間には、ソルトが作ってくれたダイエットマシーンを漕ぎ倒した。
綺麗になったキュウリはダイエット茶を淹れてくれて。
食事も、高たんぱく低カロリーを心掛けた。
手術の経過もよく、滞ってた精管が通るようになり、男として機能するようになってきた。
実際に、自分の子を持てるかはさておいて、好きな人ができれば、抱きたいと思うのは正直なところで。
やっと、自信を持てるようになって。
結婚してくださいと告白できたのに。
ただ、茫然としている海里に、断られるのか、受け入れてもらえるのか。
「っ、あ!僕、もう、仕事行きますね!いきなり、変なこと言ってごめんなさい。急に応えられないですよね。でも、僕本気ですから!断っても構わないので、いつか、返事ください!!」
海里の顔を見られず、逃げるようにナスは職場のある王都へ向かった。
元々領地は、農業をするにも土壌がよくなく、荒れ地ばかりで、海や山林にも微妙に遠いこの地は、これといった特産がなかった。
しかし、王都のおひざ元にあり、海や山、他の領地や他国に行くのに便利な位置にあることに気づいたボウ少年は、農作物の生産を捨て、交通網を整備することにって、王都や交易の安全なルートとして通過料を徴収することによって利益を得ることに成功した。
重要な交通網になれば、そこに商売が生まれ、宿泊業も盛んになり、通過料をとるために整備した、領地をぐるっと囲んだ高い塀と私兵の存在は、スパイス王国随一の治安を誇る地となり。
結果、親の代では貧しかった子爵家は豊かになったのである。
後継もいない、ゆくゆくは国に返すつもりの領地をなぜそこまで豊かにしたのか。
それは、国に返すつもりだからこそ、豊かにして渡したかったのだ。
ナス課長の人柄が細微まで反映されたその領地の一部は、可愛い部下の計画のために国に先に返しており、そこには国立の病院が建った。
商人が集まり、騎士団の拠点もあり、病院が近くにある。
そう、海里が暮らす街は、ナス課長の領地だった。
気にかけている海里が身重の身で一人で暮らすとなると、自分が一番信頼できるところでなければならなかった。
だから、使用人を住まわせている宅地の開いている区画に住まわせ、面倒見のいいルーシーにそれとなくお願いをした。
こんな裏で手を回して、もしかして知られたら気持ち悪いって思うかもしれない。
そう思ったものの、海里の安全が絶対に一番大切だったから。
カモミールやブラック、ホワイトのように、自分が直接守ってあげられるくらい強ければよかったけれど、残念ながら魔法も剣もからっきしだし、子爵は爵位的にも上位貴族には微妙で、守ってあげられそうもなかった。
だからこそ、いろいろ考えて、安全な場所を選んだのだ。
この数か月。
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「っ、あ!僕、もう、仕事行きますね!いきなり、変なこと言ってごめんなさい。急に応えられないですよね。でも、僕本気ですから!断っても構わないので、いつか、返事ください!!」
海里の顔を見られず、逃げるようにナスは職場のある王都へ向かった。
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