笑うとリアルで花が咲き泣くと涙が宝石になる化け物の俺は、おひとり様を満喫しようと思っていたのに何故か溺愛されています。

竜鳴躍

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王太子の婚約者

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「オリーブ、おめでとう!さすが私の娘ね!誇らしいわ!」

「うちは元々侯爵家。これを機に侯爵位に戻れるだろう。愛されるのだぞ。その匂い袋は肌身はなさず忘れないように。」


「お父様、これなんですの?」


「おまじないのかかった袋だよ。これがあれば、殿下はオリーブの虜だ。」


「わかりましたわ?」


持たせた香袋はベータには臭いがしない。
オリーブには分からないが、それは、リリアンの香り。
ベータのオリーブは、戸籍上はオメガだ。
オメガでなければアルファ……よりよい相手に嫁ぐことはできない。
オメガに偽装するのに必要だったのがリリアンの香りだった。



何代か前の男オメガが王太子に懸想して、皆を扇動し、聖女を八つ裂きにしたせいで、我が家は伯爵位に落ちた。

男のオメガなど百害あって一利なし。


はじめからオリーブの方がオメガならばよかったものを。



しかし、王太子を釣るとはな。



リリアンの薔薇の香りは、やはり特別だったか。

匂い袋に定期的に香りを詰め込まないとな。

「アレはどうした。リリアンだ。」

「アレはビューテが使用人としてほしいと言うので、売りましたわ。」

「なんだって!?どうして勝手なことをするんだ!」

「貴方?無駄飯食いのいらない子だといつも言っていたじゃない!どうせあの無愛想、大人になったって売れやしないわ!ビューテは高く買ってくださったのよ!」


ああ、どうする!?

「ハッ、リリアンの持ち物は!?」

「あんなゴミ、持っていかせたわよ。あとは気持ち悪いから焼却したわ!」


ああ!








「香り袋ね……。」

かわいいピンクの小袋だけど、ちっともいい香りじゃない。


何が入ってるのかしら。


ヒッ!

そこにあったのは髪の毛。


私と同じ金髪。


「いやああ!気持ち悪い!」


侍女に中身を捨ててもらい、綺麗に洗濯して、代わりに薔薇のポプリを入れてもらった。
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