笑うとリアルで花が咲き泣くと涙が宝石になる化け物の俺は、おひとり様を満喫しようと思っていたのに何故か溺愛されています。

竜鳴躍

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神の手

「うわぁあ、本当にこれっ、全部俺が使っていいの…?」

「リリアン、『俺』はダメよ?お外ではできているみたいだけれど、直していきましょうね。例え身内や家族の間でも『俺』よりは『僕』がいいわ!」


「ごめんなさい、おばあさま…。」


ビューテ侯爵夫人……じゃなかった、おばあさまとっても優しい。

俺の部屋には、生地を並べる棚や、トルソー、マネキンが並べられ、生地をカッティングするための大きなテーブルも置かれた。素敵!

それから、大きな鏡台に姿見、化粧品道具もワンセット。

「リリアンは表情があまり出ない子なのね。」

「不愛想でごめんなさい……。」

「謝る必要はないわ。貴族は表情に感情を出してはいけないものなの。お家や非公式の場では普通に感情をだしてもいいけど、そんなものよ。だから表情に出にくいのは、貴族として悪いことではないわ。それに、リリアンは表情に出ないけれど、嬉しい時は体がぴょんぴょんしてるし、分かる人がみたらちゃんとわかりますよ。貴方は感情豊かで可愛い孫よ。」

「あっ…ありがとうございますっ。」



「それから…。」


鋏をチョキチョキ握っている俺におばあさまから声がかかった。
動かしやすい。いいはさみ!


「優秀なデザイナーだとしても、あなたは子どもなのだから。これからお勉強もしましょうね?きっと必要な勉強もあると思うから。」


「はい。」

嬉しい。読み書き計算は出来ると思うけど、本の知識だけだと足りない。
俺にも家庭教師がつくんだ。
お茶会もするのかな?
お茶会をするとなると、皆でお揃いのオシャレをするんだよね。
それに侯爵家だと家で夜会とかも開く?

じっとおばあさまを見る。

この世界は結婚妊娠出産が早いから、前世の感覚だとおばあさまだなんて言っているのが申し訳ないくらい若い。
アラフォーくらいじゃないかな。
平民だと生活が大変だから年より老けこんじゃう人が多いけど、貴族は手入れされているから、日本のエステ行ってるマダムと同じくらい、綺麗なんだ。


赤毛に近いニンジン色の髪に緑色の瞳。背筋がしゃんとして、長い髪は綺麗にまとめられている。
目は切れ長で、睫毛は長い。女性にしては長身で、カッコいい感じのクールビューティ―。



はわあ!どうしよう!!創作意欲が!!!!!



「お、おばあさま。お、僕、おばあさまのドレス作ってもいいですか…!」


「まぁ。もちろんですよ。今度、娘のところ公爵家で夜会があるの。ちょうどいいからリリアンも行く?私だけでなく、おじいさまやお父様、あなた、それからケイトさんのお洋服を作ってくれないかしら。針子はグレイシャスが寄こしてくれるだろうから。」

「ケイトも…!?」


「ええ、彼女だって貴族なのだから。貴方の保護者として連れていくわ。もちろん、ブルックリン男爵家やシガレット伯爵家は呼びません。だから安心して?」

やったぁ!



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