笑うとリアルで花が咲き泣くと涙が宝石になる化け物の俺は、おひとり様を満喫しようと思っていたのに何故か溺愛されています。

竜鳴躍

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お家に帰ろう

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「リリアン。迎えに来たよ、あの…夜のことは私が…教えるから…、安心して?」


迎えに来たカカオは


「ふふ、久しぶりに見てくれた。」

「あっ……。」

「カカオ、だいすき。カカオの全部が好き。カカオじゃなきゃ嫌なんだから。」

ぎゅーっと抱きしめると、カカオの目がじわっと潤んだ、と思う。


一度好きになった人は何度でもどんな姿に生まれ変わっても好きになるっていうけれど、本当だと思う。


「好き」って感情が分からなかったのに。
それでも、カカオは他の人と違うってちゃんとわかるんだから。



「リリアンよかったね。」

「クレイバー卿、これを…。」

リカルドがカカオに何か渡してる。何だろ。ハンドクリーム?丸い小さな缶だった。

それでなんで林檎みたいに真っ赤っかなのかな。




お家に帰る前に、お兄様たちが教えてくれた。




「リリアン、クレイバー卿。これは騎士団で掴んだばかりの情報だけど、二人が寝ていた二年間で他国では『先進国ばかりで聖女様の恩恵を受けて狡い』という声が上がり始めた。緑豊かな土地になったアラビアンナイト帝国。クリーンな土地に変貌した科学大国・ヴィラン王国。防災大国となったドウワ国。もちろんここ、フェアリーテイル合衆国も隣国アンデルセン王国も、リリアンと近しい関係にあるからか、非常に安定した気候に恵まれ、豊かな実りを得ている。そこで、あの手この手で取り入ろうとする輩が出てくると思う。幸いというか……リリアンを怒らせたら酷い目にあうことは分かっているから、無理に攫おうとは考えていないようだ。」

「だがそれも、まともな奴らの話で、どこの国でもいる悪いヤツっていうのは、いまだにリリアンを自分のものにしようって考えているみたいだ。」


「ありがとう、シガレット伯爵、伯爵夫人。今日の午後報告があると言っていた件はそれか…。」

「報告に行こうと思ったらリリアンがこちらにきたいというので…。」


俺、平穏に暮らしたい。


世界のことは、なんでもかんでも聖女頼みにするのはどうかと思う。

聖女がいなくなったら、何もできなくなるよ?

それに、聖女が病気も怪我も全部治してたらお医者様が廃業しちゃうし、医学も発展しない。
建物や建造物の工事についても知識を蓄えておくことが出来ないし、いろんなトラブルの解決策も蓄積できない。
学ぶことがストップして、なんにもできなくなっちゃうし、それに従事している人たちの仕事がなくなっちゃう。

経済がまわらなくなって、失業者があふれて、でも聖女パワーでまたそこ頼ろうとするんでしょ。


何の解決にもならないから!


どうしようもない公害とか災害とか環境破壊とかパンデミックの解決とかね。そういうのはやる!
食糧難対策の初動で食糧がうまく生産できるようになるまでのつなぎとか!

聖女はリセットボタンだと思うから。



「なんか俺に頼みたいやつは手紙とか何でもいいからお話してくれないかな…。実際に世界中回るのはきついけど、国際会議とかなんかで一同に集まって、現状を訴えてほしい。」

どーにもならないやつはどーにかするから、ちゃんと後は自分たちで頑張るって約束してほしい!


持続可能性って大事だよ!




「じゃあ、帰ろうか。」

「はい。」



深呼吸してから、手を繋いで馬車に乗る。

今はカカオの腕の中にいたい。



今夜こそ、オトナになれるかな?

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