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カルテ12:カミ島の長

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「ふぅ~~。暇じゃのぅ。」


真っ赤な柱と白い壁。
カミ島の中央にある、五重の塔と宮には、この島の長が住んでいる。


長い金髪をサラリと伸ばし、赤い袴に胴着を着た男は、年の頃は20代後半から30代前半に見えるが、かれこれ千年近く生きている。


「白犬家の狛が今年は外界に出ておったよな。アレも早く一人前にならんかのぅ。というより、なんで一向にワシの後継が現れんのかのー。」



我が血筋は多岐にわたり、自分の直系である狐型の九尾家と傍系の白犬家がその中でも由緒正しい家だ。



「いいのぅ。わしもたまにはバカンスして羽目を外したいのぅ。」



しかし、ワシはこの島と外界を繋ぐ結界を維持してるしのー。




そうじゃ!ぴこーんと閃いたわい。




ワシの分身を作って、向こうに送ったろ!







「「くしゅん!」」

コマと岐里が同時にくしゃみをしたので、アヤは風邪かな?と思った。

マンションに帰る時に待ち伏せしてるかのような浮浪者がいて、無理やり手首を引いて連れて帰ったが、そういえばその時も熱かったかもしれない。


「岐里さんも今日は無理すんな。二人とも犬になれんだろ?3人で風呂入ってあったまろうぜ。」


風邪ひいたときはおかゆ食べて、温まって、早く寝るに限る。
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