俺がお前を王にしてやる―隠れオメガクイーンは勇者様―

竜鳴躍

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俺を甘く見てもらっては困るな

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「俺を甘く見てもらっては困るな。」

思わず啖呵を切る。




そこに颯爽と、俺の愛するアーサーが来て、俺の肩を抱いた。


「チャーリー殿下。失礼過ぎませんか。いくら大国の王太子と王女といえど、見過ごせません。今は私が陛下の代理。早速フローラ王国に書状を送らせてもらったところです。」


「転移魔法で?」

「うん。転移魔法で。」



「…………はっ。失礼だがこちらの国は我が国より格下だ。後悔するのはそちらだぞ。」

「どうでしょうね。わざときついフェロモンを漂わせて他国に訪問する方が常識外れではないでしょうか。我が国の騎士たちはローゼに鍛えられてたいへん優秀でしてね。だからこそ、何も起きなかったものの、よそでそのようなことをすれば暴漢に襲われますよ。」


「い、妹を侮辱するか!」


「侮辱などしていません。事実しかいっていませんし、忠告をしているだけでしょう。我が国はシュヴァイツァー王国と懇意にしており、共同開発国として上質な抑制剤を優先的に融通していただいておりますので、貴族どころか平民にまで薬は浸透しているのです。だから、市井でも夜会でも……あなた方がフェロモンを垂れ流したところで騒動は起きていないでしょう?よそじゃこうはいかないですよ。うちの国は薬代を保険適用しているから為せることです。国民皆保険制度っていうのですけど、ローゼのアイディアで誰でも上質な医療が受けられるのです。全くうちのローゼは素晴らしいでしょう。」


「酷いわ、アーサー様!そこのオメガに騙されているのだわ!貴方がアーサー様を誘惑してるのでしょう!分かっていますのよ!」


「フェロモンで誘惑しようとしているのは貴方でしょう。彼はオメガクィーンなので、運命であってもそうでなくても圧倒するだけのフェロモンを出せる。だが、彼は慎ましやかなので、結婚し子作りを始めるまではと、完全抑制剤を服用しているのだ。彼のフェロモンは分かりやすいから、彼が私を誘惑しているのだとしたらすぐに分かるはずだ。」


「…………なんで私のフェロモンが利かないのよ!私は貴方の運命の――――。」

「貴方は確かに私の番なのでしょうね。だけど、本当の愛は揺るがない。いうなればそうですね……。強い媚薬程度です。媚薬程度、私ならば耐えられる。」

そう。僕の伯父が耐えてきたように……。





「さすが私たちの殿下!」

「アーサー殿下万歳!ローゼ様万歳!」


そうだ。


みんな、俺たちを理解してくれている。分かってくれている。



会場は俺たちの称賛で溢れて、二人はバツが悪いまま無駄な1週間を過ごし、帰国していった。
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