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ハイリ=クロスはひた隠す
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「全く、この愚図が。どうしてお前みたいなのが俺の婚約者候補だったのかな。爵位だけの愚図。まあ、俺の妃はエリザベートに決定したから!これでお前の顔を見なくて済むと思うとせいせいする!」
18歳の春。
やっと、やっと、やっと長年の苦労が報われたのだ!!!!!!
ハイリ=クロスはクロス公爵家の二男である。
エメラルドグリーンの瞳には精霊に祝福された虹色の虹彩が浮かび、雪のように滑らかな肌にきらきらと輝くプラチナブランド。
男ではあるが、子を産めるΩという第二の性を持っているせいで、女性に混じって王子の婚約者候補だった。
週末の舞踏会で、陛下妃殿下はたかだかに宣言する。
エリザベート=ゴシック侯爵令嬢と第一王子ミラーとの婚約発表。
世界にも発信され、これはもう覆らない!
宰相のお父様がやってくれました!
念書も書きました!!!
やったー!!!!!!!!!!!!
彼は知らない。
彼は僕のことを、あほでドジで間抜けで、勉強ができない馬鹿で役立たずでドブスなΩだと思っている。
何故??
決まってるじゃない。
5歳の時、彼の婚約者に指名された僕は絶望した。
家族も絶望したんだ。
だから、まだお茶会に出てもおらず、周囲に僕のことを知られていないのをいいことに、僕は目立たない茶色の鬘を被って、目は眼鏡で誤魔化して、肌にそばかすを描いて、終始無言か、「へー」「そーなんですかー」「すごーい」「さすがー」を棒読みで繰り返し続けたんだ!!!!!
あのバカは途中で誘拐されかかるし、池に落ちて死にそうになるし、馬に跳ねられて死にそうになるし、仕方ないから影でこっそり助けるしかなくって、その時変装が解けたときもあって、探されたこともあるけど、逃げ切った。
僕の髪色と目の色がエリザベート嬢に近かったから、勘違いするように仕向けたらうまくいった。
陛下も阿保だから、小麦が冷害でダメになりそうになるのを僕が先に手を打ったし、実家の経営の一端を担わせてもらっているから、他国との交易も上々。
僕はね、オメガだけど優秀なんだよ?ふふん。
「よ。あいつ馬鹿だよなー。」
くしゃくしゃ頭のグレー王子がやってくる。
グレー王子はれっきとしたあの陛下妃殿下の第二子なんだけど、黒髪黒目で見た目が亡き先代陛下にそっくりだったから嫌悪されているらしい。
厳しい人だったから、嫌いなんだって。
めんどくさいから、彼も僕と同じように容姿と才覚を隠しているらしいよ。
「まあね、でもだからたすかっちゃう。僕、あいつのことなんか大っ嫌いだもん。」
「俺も。なあ、王太子の任命も妃の公表もしたことだし、俺たちもそろそろ逆襲しねえ?」
「いいですねえ。」
「このまま隠しっぱなしじゃ、俺たちの未来は暗いからな。明るい未来を手に入れようぜ!」
僕たちは拳をカチン、と合わせて喜んだ。
18歳の春。
やっと、やっと、やっと長年の苦労が報われたのだ!!!!!!
ハイリ=クロスはクロス公爵家の二男である。
エメラルドグリーンの瞳には精霊に祝福された虹色の虹彩が浮かび、雪のように滑らかな肌にきらきらと輝くプラチナブランド。
男ではあるが、子を産めるΩという第二の性を持っているせいで、女性に混じって王子の婚約者候補だった。
週末の舞踏会で、陛下妃殿下はたかだかに宣言する。
エリザベート=ゴシック侯爵令嬢と第一王子ミラーとの婚約発表。
世界にも発信され、これはもう覆らない!
宰相のお父様がやってくれました!
念書も書きました!!!
やったー!!!!!!!!!!!!
彼は知らない。
彼は僕のことを、あほでドジで間抜けで、勉強ができない馬鹿で役立たずでドブスなΩだと思っている。
何故??
決まってるじゃない。
5歳の時、彼の婚約者に指名された僕は絶望した。
家族も絶望したんだ。
だから、まだお茶会に出てもおらず、周囲に僕のことを知られていないのをいいことに、僕は目立たない茶色の鬘を被って、目は眼鏡で誤魔化して、肌にそばかすを描いて、終始無言か、「へー」「そーなんですかー」「すごーい」「さすがー」を棒読みで繰り返し続けたんだ!!!!!
あのバカは途中で誘拐されかかるし、池に落ちて死にそうになるし、馬に跳ねられて死にそうになるし、仕方ないから影でこっそり助けるしかなくって、その時変装が解けたときもあって、探されたこともあるけど、逃げ切った。
僕の髪色と目の色がエリザベート嬢に近かったから、勘違いするように仕向けたらうまくいった。
陛下も阿保だから、小麦が冷害でダメになりそうになるのを僕が先に手を打ったし、実家の経営の一端を担わせてもらっているから、他国との交易も上々。
僕はね、オメガだけど優秀なんだよ?ふふん。
「よ。あいつ馬鹿だよなー。」
くしゃくしゃ頭のグレー王子がやってくる。
グレー王子はれっきとしたあの陛下妃殿下の第二子なんだけど、黒髪黒目で見た目が亡き先代陛下にそっくりだったから嫌悪されているらしい。
厳しい人だったから、嫌いなんだって。
めんどくさいから、彼も僕と同じように容姿と才覚を隠しているらしいよ。
「まあね、でもだからたすかっちゃう。僕、あいつのことなんか大っ嫌いだもん。」
「俺も。なあ、王太子の任命も妃の公表もしたことだし、俺たちもそろそろ逆襲しねえ?」
「いいですねえ。」
「このまま隠しっぱなしじゃ、俺たちの未来は暗いからな。明るい未来を手に入れようぜ!」
僕たちは拳をカチン、と合わせて喜んだ。
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