無理です!僕は絶対にこんな屑駄目王子の嫁になりませんからね?

竜鳴躍

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ホワイトタイガー王国?の陛下たちの戸惑い

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社会勉強とお金稼ぎを兼ねて冒険者にしたミラーが別人のようになって帰って来た。

お城では、陛下妃殿下の困惑が続く。



「ハーネス、あーん♡おいしい?僕頑張って作ったのぉ。」

「ミラーは料理の才能があったんだな。おいしいよ。」


城には使用人がいない。

だから、掃除や洗濯は私がばばっと魔法でやっているのだが、最近になってミラーが料理を担当してくれるようになった。


冒険者をしていた先で、ピンクスライムに襲われておかしくなったところで、この辺境伯家の二男に助けられ、なりゆきで番になったらしい。


王妃は、ミラーがΩだということを隠し、疑似βになるよう薬を盛っていたらしい。
ミラーが立派な男として、可愛い妃を貰うことを夢見ていた王妃は、ショックで二日間寝込んだ。
だが、私に言わせれば、そんなことをしないほうが良かっただろう。
聞けばハーネスもαでありながら番が疑似βをやっているせいでα性が発現せず、疑似βだったようだし、最初からミラーをΩとして婿を探していれば、もっと早くに二人は出会えていただろう。

こうなるのは、運命だったのだ。




それに、Ωのミラーは可愛い。

多少我儘ではあるが、番のαの言うことは素直に聞く。傲慢さがない。
これなら………王国が破滅するまではいかなかったんじゃないの?

私たちはグレーに苦手意識があって避けていたから、グレーの方を王太子にすることはなかったかもしれないが、出来の悪いミラーを支えてくれたのかもしれない。



はぁ…。


ため息をつくと、ハーネスがこちらをまっすぐ見た。


「陛下。」


「なんだね。」


「提案があるのですが、私はベーカリー家の二男ですので、こちらに婿入りすることは可能です。私が取りなしますので、ホワイトタイガーの姓をタイガーにでも変えて、公爵家として神聖ホワイトタイガー王国へ加入しませんか。」


「えっ…。それは願ってもないが、あの子や周りは許してくれるだろうか。」

「陛下が直轄地を自ら運営されているのも、ミラーを社会勉強に出したのも、みんな知っています。今思えば、ミラーの横暴さも、服薬の副作用だったのかもしれないですから、誠心誠意謝罪を尽くせば受け入れてもらえますよ。」


誠心誠意…。

王妃をちらっとみる。

やっぱり、アレ、だよねぇ。


「承知した。タイガーに変えて、当主をハーネスにする。王妃は塔への幽閉。私は隠居しよう。」


王妃がギャーギャー騒ぎ始めた。


正直、私の王妃への愛はもうない。流石にね。
私の知らないところでいろいろやりすぎた。



「では、今後のことですが、この城は公爵家の館としては広すぎますので、美術館や博物館にして観光地にしましょう。新しい館を隣接した場所に建てます。先祖代々の王家の貴重なものなどがあれば、神聖ホワイトタイガー王国の城の方に移します。使用人は私の名で呼べば集まるでしょう。つなぎでベーカリー家から派遣してもらいます。」


おお。やったー、ハーネス君は優秀な婿だ!

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