王太子殿下は聖女でアイドル様。今日も無邪気に魅了します?

竜鳴躍

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酔っちゃった……

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アルコールで紅潮した顔とどこか潤んだ瞳で、視線はまっすぐに、ケインを射抜く。

「楽しいね、ケイン。僕たち男同士だけどおかしくなかったかな?」

ジュエルは女性パートも完璧で、酔っていても、ケインのリードでふわりと舞った。



「今は同性同士でも結婚するなんて普通ですし、俺たち従兄弟なんですから、変ではないですよ。」

「そうだよね。婚約者がいないレディは身内と踊るものね。」

「まあ、そうですね。」

「………ケイン、ごめんね。いつも、僕とばかり。僕はお母様やおばさま以外の女の子が苦手だけど、ケインはそうじゃないのに。みんな、婚約者いないの僕のせいかなって。かわいい女の子と次、踊ってきていいんだよ。」


「俺はジュエルだけでいいです。」


「ありがとう。嬉しいっ。僕、やっぱり焼き餅焼いちゃうかもしれないから。」


「……ジュエル、それって」


曲が止まり、ワルツが止まる。


「あっ…」

足元がふらついて、ケインの胸にジュエルが顔をうずめた。


「ケインのお胸、ふかふか。だいすき。ケインにだきしめられるの、すき。」

(俺のことが好きなのか俺の体が好きなのか分からないんだよ…。無邪気すぎるだろ。)

「だいぶ酔っているみたいですから、ご挨拶して退席させてもらいましょう。あとはマリウスたちがうまくやってくれますよ。」


「そうだよね、マリウスは天才だし、アナベルもよく周りがみえているもの。」



ケインのエスコートで会場の中央から出る。

嵐殿下に声をかけられた。

「流石にダンス、お上手ですね。」

「王族と高位貴族ですからね。」

「—-----そういえば、殿下たちの来訪にあわせて、アイドルのツアーが開催されるのですよね。」


「よくご存じで。」


「みな楽しみにしていますから。私も行く予定ですよ。」

「申し訳ありません、殿下。ジュエル王太子殿下は体調がすぐれないようなので、これで中座させていただきます。」


「それはたいへんだ。客室は既に整えさせておりますから、ゆっくりなさってください。何か軽食でもあとでおもちしますか?」

「会場でつまんだので、大丈夫です。ありがとう。」

いつもはふわふわしていても、酔っぱらっていても、王太子として体にしみついた振る舞いは、きちんと出てくる。



(ケイン。お前は殿下と一緒に寝た方がいい。だが、分かっているな。信じているよ、お前が紳士だって。)

(マリウス…、分かっているさ。後のことは任せた。)

「今、マリウスとなにお話していたの?」

「今日はジュエルと一緒に眠った方がいいと言われました。」

「僕子どもじゃないのに。酔っぱらってるから?そんなにひどいかなあ。」

「どちらかというと護衛の意味が強いですね。」

「もぉ。」

ぎゅっと、エスコートされている手に力が入る。



幼馴染で従兄弟に執着してるなんておかしいかな。

どうしよう、僕、お酒で変かもしれない。


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