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口づけしてもいいですか
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「貴様………よくも『俺の』大切な人にっ!」
着乱れた衣装になにをしようとしていたかは一目瞭然。
だが、その様子から、最後まで至ってはいないことに安堵する。
考えたくもないが、女性に変化したからだで何かがあったら、どうなってしまうのだろう。
ジュエルの精神も心配だが、不安が大きい。
許せない。
あんなにふるふると震えて。
ただでさえジュエルはトラウマを抱えているのに。
ジュエルは繊細なんだ。
外へ出られなくなってしまったら、どうしてくれるんだ!
真綿でくるむように大切に大切に傍で守って来たのだ。
それはもう、年齢が十を数える前から。
血もにじむような鍛錬を積み重ねて。
「はっ、お前は同じメンバーのケイ……っ。ははっ、君も私のことが好きだったんだね。ヤキモチかな!素晴らしいオッパイだ!大丈夫、私はまとめて愛
メキョ!
「ま まて、
「黙れ強姦魔!」
「強姦ではなくこれはプレイだし、私たちは運命の相手で!」
「妄想癖が!」
「妄想じゃない!聖女マフィが女神のお告げを教えてくれたのだ!私たちは結ばれる運命だと!」
「偽聖女の虚言に騙されんなよこのくそが!そんなんだから親子して王族不適格の烙印を押されたことを理解しろよ無能!」
「ええええーーーーーっ!あの聖女偽物だったのぉ!」
「偽物も何もホイホイ聖女がいてたまるか。どーみても偽物だろうが、こんな犯罪お前に教唆する程心根が穢れまくってる女。大方、自分が偽物だとバレて立場が危うくなるのを防ぐために唆したんだろう!」
どかばきぐしゃとケインは殴っていく。
レッド王子は頑丈らしい。
やっと気絶したので手を離し、ケインはジュエルの肩に自分の上着をかぶせた。
「ケイン……。」
「攫われる前に感知できず、申し訳ありませんでした。」
項垂れる肩に、ジュエルの腕が回った。
どきどきする。
ケインがきてくれた。
うれしい。
想いがあふれる。
「ケイン、ありがとう。ごめんね、僕が迂闊だった。魔法が封じられたら、僕なんてたいしたことないのに。きてくれて、うれしかった。僕、僕ね、きづいたことがあるんだ。僕、ケインがすき!」
「ジュエル…!」
「僕をケインのお嫁さんにしてください!王配になって!…………いや、かな?」
「嫌じゃありません、俺は初めてあったその日にジュエルに心を奪われたのです。俺も、ジュエルが好きです!」
口づけしてほしい……。
見つめあって、ケインの唇を奪うように背伸びして…
「いたーっ!」
怒涛のように会場を走り回るケインについていけず、息を切らした面々が部屋に入る。
豪華な部屋だったはずなのに、壁がめり込み、調度品が転がって、レッド王子が血まみれで床に放置されていた。
そして、ジュエルとケインが今にもキスをしようと……。
みんなが来たことに気付いて、二人が離れる。
耳まで真っ赤な初々しさに、アナベルは目を細めた。
「うん、女体化の姿を解いてからにしようか。」
「……はは、負けちゃったみたいだな。」
力なく笑う嵐の肩を、マリウスは優しく、慰めるように叩く。
「一つの恋が終わったとしても、また恋の花は咲きますよ。」
「そうだな…。」
そこではたと、嵐はレッドのボタンの一つが他と違うことに気付いた。
「盗聴器?いや、小型カメラか?」
主犯―――聖女マフィだろう。
ぶちっととって、足で踏んで粉砕する。
あの女にも罰が必要だな。きっとこの国に害悪をもたらしているに違いない。
「ちっくしょう!!!!」
宮殿内の私室で、マフィは枕をぶん投げて怒り狂った。
「つっかえねええええええ!!!!」
傷物にはできなかった。
だが、どうにかして貶めたい。
なにかないか、なにか………
せめて裸体を全世界に発信なんてできたら。
この世界、足首を見せるだけでも破廉恥なのだ。
彼女たちはその視点からすると十分破廉恥だが、それをあいどるだからと受け入れられている以上、もっと、破廉恥に。
いくらなんでも素っ裸を発信されたら、すくなくても王族や高位貴族の嫁にはなれないはずだ!
着乱れた衣装になにをしようとしていたかは一目瞭然。
だが、その様子から、最後まで至ってはいないことに安堵する。
考えたくもないが、女性に変化したからだで何かがあったら、どうなってしまうのだろう。
ジュエルの精神も心配だが、不安が大きい。
許せない。
あんなにふるふると震えて。
ただでさえジュエルはトラウマを抱えているのに。
ジュエルは繊細なんだ。
外へ出られなくなってしまったら、どうしてくれるんだ!
真綿でくるむように大切に大切に傍で守って来たのだ。
それはもう、年齢が十を数える前から。
血もにじむような鍛錬を積み重ねて。
「はっ、お前は同じメンバーのケイ……っ。ははっ、君も私のことが好きだったんだね。ヤキモチかな!素晴らしいオッパイだ!大丈夫、私はまとめて愛
メキョ!
「ま まて、
「黙れ強姦魔!」
「強姦ではなくこれはプレイだし、私たちは運命の相手で!」
「妄想癖が!」
「妄想じゃない!聖女マフィが女神のお告げを教えてくれたのだ!私たちは結ばれる運命だと!」
「偽聖女の虚言に騙されんなよこのくそが!そんなんだから親子して王族不適格の烙印を押されたことを理解しろよ無能!」
「ええええーーーーーっ!あの聖女偽物だったのぉ!」
「偽物も何もホイホイ聖女がいてたまるか。どーみても偽物だろうが、こんな犯罪お前に教唆する程心根が穢れまくってる女。大方、自分が偽物だとバレて立場が危うくなるのを防ぐために唆したんだろう!」
どかばきぐしゃとケインは殴っていく。
レッド王子は頑丈らしい。
やっと気絶したので手を離し、ケインはジュエルの肩に自分の上着をかぶせた。
「ケイン……。」
「攫われる前に感知できず、申し訳ありませんでした。」
項垂れる肩に、ジュエルの腕が回った。
どきどきする。
ケインがきてくれた。
うれしい。
想いがあふれる。
「ケイン、ありがとう。ごめんね、僕が迂闊だった。魔法が封じられたら、僕なんてたいしたことないのに。きてくれて、うれしかった。僕、僕ね、きづいたことがあるんだ。僕、ケインがすき!」
「ジュエル…!」
「僕をケインのお嫁さんにしてください!王配になって!…………いや、かな?」
「嫌じゃありません、俺は初めてあったその日にジュエルに心を奪われたのです。俺も、ジュエルが好きです!」
口づけしてほしい……。
見つめあって、ケインの唇を奪うように背伸びして…
「いたーっ!」
怒涛のように会場を走り回るケインについていけず、息を切らした面々が部屋に入る。
豪華な部屋だったはずなのに、壁がめり込み、調度品が転がって、レッド王子が血まみれで床に放置されていた。
そして、ジュエルとケインが今にもキスをしようと……。
みんなが来たことに気付いて、二人が離れる。
耳まで真っ赤な初々しさに、アナベルは目を細めた。
「うん、女体化の姿を解いてからにしようか。」
「……はは、負けちゃったみたいだな。」
力なく笑う嵐の肩を、マリウスは優しく、慰めるように叩く。
「一つの恋が終わったとしても、また恋の花は咲きますよ。」
「そうだな…。」
そこではたと、嵐はレッドのボタンの一つが他と違うことに気付いた。
「盗聴器?いや、小型カメラか?」
主犯―――聖女マフィだろう。
ぶちっととって、足で踏んで粉砕する。
あの女にも罰が必要だな。きっとこの国に害悪をもたらしているに違いない。
「ちっくしょう!!!!」
宮殿内の私室で、マフィは枕をぶん投げて怒り狂った。
「つっかえねええええええ!!!!」
傷物にはできなかった。
だが、どうにかして貶めたい。
なにかないか、なにか………
せめて裸体を全世界に発信なんてできたら。
この世界、足首を見せるだけでも破廉恥なのだ。
彼女たちはその視点からすると十分破廉恥だが、それをあいどるだからと受け入れられている以上、もっと、破廉恥に。
いくらなんでも素っ裸を発信されたら、すくなくても王族や高位貴族の嫁にはなれないはずだ!
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