悪役令息上等です。悪の華は可憐に咲き誇る

竜鳴躍

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閑話 とある看守の独り言

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家族のように接してきた、かわいいあの子は、いつの間にか街で一番の悪女になった。

本当は、君のことが好きだったんだ。

愛されたくて、心が泣き叫んでいる君に、素直に「僕のお嫁さんになって。」と言えてたら良かったんだろうか。

だけど、かわいい君に釣り合うような僕じゃなくて。

鼻ぺちゃで背も低くて、太っていて、そばかすまみれの顔の僕は、友だちでいられることで満足してしまっていたんだ。



君はどんどん傷ついて。

お母さんの弟さんに連れて行かれて、住む世界も違ってしまったけれど。

僕は本当に君が心配で。

体を鍛えて、兵士になった。

いつか、下っ端でいいから騎士の端くれになれたら、君を守れるかもしれないでしょ?

子どもの頃から調理場で下働きをしていた僕は、足腰が強かったらしくて、思いの外トントン拍子に騎士になれた。

体が鍛えられ、身長もぐんと伸びて、甲冑で顔が隠れていたら、ますます僕だって誰も分からないだろうね。



君が塔に幽閉されるから、僕は君のために看守になった。



僕だって気づかないだろう。


きつい言い方をしてごめんね。




毎日君に食事を届けて、毎日君とお話するよ。

君を出すことはできないけど、僕はずっと君のそばにいるから。
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