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なんだこの生き物
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すっごく頑張って、ちゅって。
真っ赤な顔で。
どうしてこんなにかわいいんだろう。
ちゅって、初めてキスしてくれた。
それはいいんだけど、これからどうするつもりなの?
「殿下、ダンスと一緒です。きちんとベッドにエスコートしてください。」
ロッテンマイヤー先生の声で、ロイがびくっとなった。
「まず、ローブを脱がせてさしあげて。」
指先がふるふる震えてる。
「ロイ、おじいさまが婚前交渉してもいいっておっしゃってたし、僕は別にいいからね。結婚式の日にあわせて、赤ちゃんを産める魔法をかけてもらうのだし、まだ子どもはできないから。」
こんな様子だと、むしろ初めては先生が見守ってる方が安心というか…。
ムードも何もないけれども。
一回やっちゃえば、きっと大丈夫だと思うんだけどね。
「ロイ、大丈夫。僕も欲しいから。」
バスローブの紐に指をかけるロイの、その手にそっと触れる。
プルプルして子犬みたい。
どうしてこんなにかわいいのかしら。
なんだこの生き物。
意を決してバスローブの紐に手をかける。
しゅるっと紐をほどくと、露になった彼の体は、小柄ながらもそれなりに筋肉も付いて締まっている。
13年間、魔法があるとはいえど一人であの屋敷を切り盛りしていたのだ。
家事労働でついた筋肉だろう。
しなやかできめ細かい肌はしっとりして、胸の突起はピンク色で。
小粒な可愛らしい形をしている。
「見て、ロイ。僕だって期待してこんなになっているんだよ?」
そして、その下は――――――。
形のいい、私のよりは小ぶりなそれが、同じように膨らんで、実が弾けそうになってお腹につきそうになっている。
見世物小屋ではカタルシスが醜悪すぎて気持ち悪い以外なかったが、同じ男の体なのに、どうしてシンは綺麗なんだろう。
「シン……。」
「ん…。」
思わずまた、唇を重ねながら。ゆっくりとシンをベッドに仰向けにした。
ロッテンマイヤー先生が、視界に入らない場所でぐっと拳を握りしめていた。
が、そこでショートしたのか、ロイはぶっ倒れた。
「…………ロイ。」
ロッテンマイヤー先生がこほん、と咳払いする。
「なんかもう、しょうがないですね。でも、公爵がそれとなく誘導してくださるので、これ以上教育をしなくても大丈夫な気がしてきました。陛下たちには再教育は終わったと伝えておきましょう。」
「ありがとうございます。」
「教育の代わり、といいますか。殿下は暫くこの屋敷に置いておいてもよろしいでしょうか。親友としてはずっとそばにいたかと思いますが、婚約者という立場ではないでしょう。婚約者として、傍で触れ合う時間こそ必要と存じます。それから……。」
先生は小瓶をくれた。
「潤滑油です。これを穴に塗ってから入れてもらうことで、怪我を防げますし、スムーズに事が運べるでしょう。あと……そうですね。産める体になれば必要ありませんが、普通の男の体の場合は、中に出されると腹痛になりますので、もしそういうことになりましたら、事後には中を綺麗にしてもらってください。」
「分かりました。」
先生はお辞儀をして、優雅に部屋を出て行った。
ベッドにほぼ裸で残される自分たち。
「全くもう。僕もう萎えちゃったよ。」
ぺち、と軽く背中をはたいた。
「一緒に暮らしていれば、手を出してくれるかしら。」
いっぱい誘惑してみよう。
なんなら、襲ってもよいかもしれない。
真っ赤な顔で。
どうしてこんなにかわいいんだろう。
ちゅって、初めてキスしてくれた。
それはいいんだけど、これからどうするつもりなの?
「殿下、ダンスと一緒です。きちんとベッドにエスコートしてください。」
ロッテンマイヤー先生の声で、ロイがびくっとなった。
「まず、ローブを脱がせてさしあげて。」
指先がふるふる震えてる。
「ロイ、おじいさまが婚前交渉してもいいっておっしゃってたし、僕は別にいいからね。結婚式の日にあわせて、赤ちゃんを産める魔法をかけてもらうのだし、まだ子どもはできないから。」
こんな様子だと、むしろ初めては先生が見守ってる方が安心というか…。
ムードも何もないけれども。
一回やっちゃえば、きっと大丈夫だと思うんだけどね。
「ロイ、大丈夫。僕も欲しいから。」
バスローブの紐に指をかけるロイの、その手にそっと触れる。
プルプルして子犬みたい。
どうしてこんなにかわいいのかしら。
なんだこの生き物。
意を決してバスローブの紐に手をかける。
しゅるっと紐をほどくと、露になった彼の体は、小柄ながらもそれなりに筋肉も付いて締まっている。
13年間、魔法があるとはいえど一人であの屋敷を切り盛りしていたのだ。
家事労働でついた筋肉だろう。
しなやかできめ細かい肌はしっとりして、胸の突起はピンク色で。
小粒な可愛らしい形をしている。
「見て、ロイ。僕だって期待してこんなになっているんだよ?」
そして、その下は――――――。
形のいい、私のよりは小ぶりなそれが、同じように膨らんで、実が弾けそうになってお腹につきそうになっている。
見世物小屋ではカタルシスが醜悪すぎて気持ち悪い以外なかったが、同じ男の体なのに、どうしてシンは綺麗なんだろう。
「シン……。」
「ん…。」
思わずまた、唇を重ねながら。ゆっくりとシンをベッドに仰向けにした。
ロッテンマイヤー先生が、視界に入らない場所でぐっと拳を握りしめていた。
が、そこでショートしたのか、ロイはぶっ倒れた。
「…………ロイ。」
ロッテンマイヤー先生がこほん、と咳払いする。
「なんかもう、しょうがないですね。でも、公爵がそれとなく誘導してくださるので、これ以上教育をしなくても大丈夫な気がしてきました。陛下たちには再教育は終わったと伝えておきましょう。」
「ありがとうございます。」
「教育の代わり、といいますか。殿下は暫くこの屋敷に置いておいてもよろしいでしょうか。親友としてはずっとそばにいたかと思いますが、婚約者という立場ではないでしょう。婚約者として、傍で触れ合う時間こそ必要と存じます。それから……。」
先生は小瓶をくれた。
「潤滑油です。これを穴に塗ってから入れてもらうことで、怪我を防げますし、スムーズに事が運べるでしょう。あと……そうですね。産める体になれば必要ありませんが、普通の男の体の場合は、中に出されると腹痛になりますので、もしそういうことになりましたら、事後には中を綺麗にしてもらってください。」
「分かりました。」
先生はお辞儀をして、優雅に部屋を出て行った。
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「全くもう。僕もう萎えちゃったよ。」
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「一緒に暮らしていれば、手を出してくれるかしら。」
いっぱい誘惑してみよう。
なんなら、襲ってもよいかもしれない。
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