3 / 3
【番外編】ロイの過去
しおりを挟む
真っ暗で黒い世界。
誰もいない。ひとりぼっちだ。
暗い。怖い。叫んでも、何もない。
闇がどんどん濃くなる。
怖いよ。苦しいよ。嫌だ。嫌だ・・・!
ハッと目が覚める。
呪いにかかってから、毎日この夢を見る。
「もう、こんなの嫌だ。なんで僕だけ・・・。」
どれだけ調べても、呪いを解く方法は一つもなかった。
絶望した。
この呪いは僕が死ぬまで続くんだ。
もしかしたら今日呪い殺されるかもしれない。明日は生きていないかもしれない。
『 僕に、未来なんてない。 』
僕はロイ。10歳だ。
今日は父上に連れられ、王都魔法支部長の研究室に来ている。呪いを解く手がかりを得るためだって言われるけど、解く方法がないことは知っている。
定期的に研究室に来たり、聖女様に魔法をかけてもらったりするけど、効果が薄まるだけで、どうせちょっと時間が経てば辛くなる。正直、もういいんじゃないかな、なんて思う。
僕の魔力や呪いの魔法陣について確認された後、父上と支部長の2人で話があるらしく僕は追い出された。
目的もなく歩く。先程魔力を使ってしまったためか、少しふらふらする。
いつの間にか、目の前に小さい女の子がいる。
「はじめまして!!」
元気よくそう言って、僕の前でお辞儀をする。
踊るように揺れる小さな髪の毛の束。
上げた顔に浮かぶ満面の笑み。
ふわっと香る甘い魔法の香り。
僕は無意識に思った。かわいい、愛おしいと。
呪いにかけられてからは、辛い・苦しい・不安・嫌だ以外の感情は一切湧いてこなかった。可愛い、愛おしいなんてもってのほかだった。
それなのに、どうして。
「ねぇ、大丈夫?」
「なにが?」
「お腹のとこ、悪い方が勝っちゃいそう。」
僕は驚く。これがわかるのか。僕の魔力が下がって苦しいことも。
「うーん、そうだ!手出して。」
言われるがままに手を出す。
少女は小さな手で私の手を優しく握り、呪文を唱え始める。
「えっ」
急に始まった魔法に驚くが、悪い感じはしない。
それどころか、僕の体に彼女の優しい魔力が流れ込んでくる。
それはまるで温かいものに包まれていく感覚だ。
パッと彼女の手が離れる。
「よし、大丈夫そうだね!これ最近習ったの!」
そう言って嬉しそうに笑う。
「ありがとう」僕が呟くと、
「どういたしまして!」と元気に返事が返ってくる。
「あの、」
僕は名前を聞こうとした。が、
「ごめん、お父様が呼んでるわ。またね!」
そう言って駆け出してしまった。
後から聞いた話によると彼女はフランソワ。
先程、父上と話していた支部長の娘だそうだ。
学園のHonorになるために、魔法の勉強をしているらしい。
「学園、か。あの子と学園生活送るの楽しそうだな。」
口から出た言葉に驚いた。
明日、死んでしまうかもしれない。そんな不安に押しつぶされそうで、未来なんて考えてないようにしていたのに。不思議だ。
それに、彼女が「またね」と言っていた。また、会えるのだろうか。会いたい。
・
・
・
それから、月日は流れ16歳になった。
入学式で彼女を見つけた。
「なんで男装してるんだ」
予想外の姿に思わず笑う。
彼女に話しかけると、初めましての挨拶をされた。
覚えてないことに残念だと思ったが、ひとつだけ確信することができた。
『 彼女となら、楽しい未来になる。 』
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
前回、「これを言い当てたのは2回目だ」と言って嬉しそうにしていたのは、以前もフランが当てたからだったんです。
ゲーム上のロイは、幼少期に呪いにかかったことはなく、ロイとフランは一度も会ったことがありません。こんな展開になったのはリンが話を変えたから?それとも・・・?
ちなみに16歳になるまで二人が会わなかったのは、フランが魔法の勉強に没頭していたり、シスコン気味のお兄様が会わせないようにしたり、とかいう理由です。
誰もいない。ひとりぼっちだ。
暗い。怖い。叫んでも、何もない。
闇がどんどん濃くなる。
怖いよ。苦しいよ。嫌だ。嫌だ・・・!
ハッと目が覚める。
呪いにかかってから、毎日この夢を見る。
「もう、こんなの嫌だ。なんで僕だけ・・・。」
どれだけ調べても、呪いを解く方法は一つもなかった。
絶望した。
この呪いは僕が死ぬまで続くんだ。
もしかしたら今日呪い殺されるかもしれない。明日は生きていないかもしれない。
『 僕に、未来なんてない。 』
僕はロイ。10歳だ。
今日は父上に連れられ、王都魔法支部長の研究室に来ている。呪いを解く手がかりを得るためだって言われるけど、解く方法がないことは知っている。
定期的に研究室に来たり、聖女様に魔法をかけてもらったりするけど、効果が薄まるだけで、どうせちょっと時間が経てば辛くなる。正直、もういいんじゃないかな、なんて思う。
僕の魔力や呪いの魔法陣について確認された後、父上と支部長の2人で話があるらしく僕は追い出された。
目的もなく歩く。先程魔力を使ってしまったためか、少しふらふらする。
いつの間にか、目の前に小さい女の子がいる。
「はじめまして!!」
元気よくそう言って、僕の前でお辞儀をする。
踊るように揺れる小さな髪の毛の束。
上げた顔に浮かぶ満面の笑み。
ふわっと香る甘い魔法の香り。
僕は無意識に思った。かわいい、愛おしいと。
呪いにかけられてからは、辛い・苦しい・不安・嫌だ以外の感情は一切湧いてこなかった。可愛い、愛おしいなんてもってのほかだった。
それなのに、どうして。
「ねぇ、大丈夫?」
「なにが?」
「お腹のとこ、悪い方が勝っちゃいそう。」
僕は驚く。これがわかるのか。僕の魔力が下がって苦しいことも。
「うーん、そうだ!手出して。」
言われるがままに手を出す。
少女は小さな手で私の手を優しく握り、呪文を唱え始める。
「えっ」
急に始まった魔法に驚くが、悪い感じはしない。
それどころか、僕の体に彼女の優しい魔力が流れ込んでくる。
それはまるで温かいものに包まれていく感覚だ。
パッと彼女の手が離れる。
「よし、大丈夫そうだね!これ最近習ったの!」
そう言って嬉しそうに笑う。
「ありがとう」僕が呟くと、
「どういたしまして!」と元気に返事が返ってくる。
「あの、」
僕は名前を聞こうとした。が、
「ごめん、お父様が呼んでるわ。またね!」
そう言って駆け出してしまった。
後から聞いた話によると彼女はフランソワ。
先程、父上と話していた支部長の娘だそうだ。
学園のHonorになるために、魔法の勉強をしているらしい。
「学園、か。あの子と学園生活送るの楽しそうだな。」
口から出た言葉に驚いた。
明日、死んでしまうかもしれない。そんな不安に押しつぶされそうで、未来なんて考えてないようにしていたのに。不思議だ。
それに、彼女が「またね」と言っていた。また、会えるのだろうか。会いたい。
・
・
・
それから、月日は流れ16歳になった。
入学式で彼女を見つけた。
「なんで男装してるんだ」
予想外の姿に思わず笑う。
彼女に話しかけると、初めましての挨拶をされた。
覚えてないことに残念だと思ったが、ひとつだけ確信することができた。
『 彼女となら、楽しい未来になる。 』
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
前回、「これを言い当てたのは2回目だ」と言って嬉しそうにしていたのは、以前もフランが当てたからだったんです。
ゲーム上のロイは、幼少期に呪いにかかったことはなく、ロイとフランは一度も会ったことがありません。こんな展開になったのはリンが話を変えたから?それとも・・・?
ちなみに16歳になるまで二人が会わなかったのは、フランが魔法の勉強に没頭していたり、シスコン気味のお兄様が会わせないようにしたり、とかいう理由です。
0
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(2件)
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
女の子だったはずのフランが男装している事に突っ込む王子が良いですね(笑)
そりゃびっくりするよね。
ところで「フランソワ」は元から男性ネームみたいです。
女の子だとフランソワーズとか?
なので男装しててもフランソワのままでも大丈夫かも?
なんとなくフランちゃんの方が女の子っぽい?
続き楽しみにしています!
月空様、続きが気になりますね。本編?の死亡フラグ~の方はまだ読んでませんが、また、読ませていただきます。