68 / 97
第2章
067
しおりを挟む
直後、クロノたちの背後で地面を蹴る音が聞こえた。
「お、お前たち、まさか愛の逃避行でも――」
「違うから黙ってろ」
「人様の戦利品横取りとか、マナー違反じゃね?」
エイレンの奥から、更に状況を引っ掻き回しそうな人物が怒鳴り声と共にやって来る。
予期していた中で最も嫌な形で挟み撃ちにされてしまった。
「やっと追いつい…………ミント?」
「カルナはあんたを、ミントを探してたんだよ!」
後方のベギーネルと前方のツインテール――カルナが、それぞれミントの名前を呼ぶ。
呼ばれた本人はと言うと、二人の顔を見比べてから、困惑した様子でクロノへと助けを求めるような視線を向けた。どうやらミントは理解が追い付いていないらしい。
「もう追い付いてきたのか!」
「ミント、カルナから盗ったものを返して!」
――どういう状況だ、これ。
だが、それは少年も同じだった。僅かに表情を引き攣らせたクロノだったが、現状を把握させてもらえる程の時間の余裕はないようだ。
警戒を解かないまま、ナイフへと伸ばした手が、ポケットの中へ突っ込まれる。
それは、一種の賭けだった。
その手が触れたのはケータイで、それは隠すことなく取り出される。そして、クロノは躊躇うことなく着信履歴の一番上を押した。
無機質な呼び出し音が微かに聞こえたが、すぐにエイレンの声に掻き消される。
「お前、こんな時にどこにラブコールしてるんだ!」
「返してよ! テールは元々カルナのものなんだから!」
「金髪のオマエ、何でミント連れちゃってんの?」
前後から各々の言葉が飛び交った直後。
「あー! お前は!?」
慌てて追い掛けて来たのだろう一般人が、クロノを指差しながら悲鳴に近い声を上げた。
もうどうしようもない、と、クロノも臨戦態勢を取りかけた時だ。
『…………お前、何してんだよ』
電話の向こう側から、普段通りと言えば普段通りの面倒そうな声が聞こえた。
無事に繋がったことに、内心胸を撫で下ろしながら、クロノは電話相手へ話し掛ける。
「この場から逃げたいんだ。手を貸してくれ」
『…………』
かみ砕きまくった簡潔な言葉に、旧友は沈黙を返した。
「お願い、カルナの援護して。ここで倒しちゃうから」
ツインテールを揺らしたカルナは、イルエへ援護要求しながら、刀を抜く。
「黒羽くんに警戒しなよ。何かする気だからね」
「そんなの知らない!」
イルエの忠告を無視して、カルナは一気にクロノとミントへ距離を詰める。
「っ」
すぐに反応して動こうとしたのはエイレンだった。
だが、同時に背後でベギーネルが地面を蹴って駆け出した。
二人を守ろうとしたエイレンは一瞬戸惑った様子を見せたが、自身が持つスーツケースを優先したらしい。クロノたちに背を向け、彼女を迎え撃とうとする。
利き手がケータイで塞がっているクロノは、咄嗟に紋章術で応戦しようとした。
ぶわりと高まる魔力と冷えていく空気。
次の瞬間。紋章術を使おうとした彼の隙を狙って、イルエが何かを少年へと投げつけた。
少年に当たったと同時、それは魔導汚染に似た魔力を辺りに撒き散らし、クロノはそれをもろに浴びてしまった。
「なっ」
具現化しようとしていた紋章術は、まるで氷が溶けるかのように消える。
クロノは何とも言えない喪失感と脱力感に襲われて、体がグラリと揺れた。
「クロノさんっ!」
ミントが慌ててクロノの体を支えた直後。
二人の目の前でカルナの刀とベギーネルの拳がぶつかり合う。
「オマエ、しつけーわ。いー加減、ミント狙ってんじゃねーっての」
「狙うも何も、ミントから返してもらいたいだけだもん!」
武器を構えたも無視されたエイレンが、きょとんと目を丸くしている。
クロノとミントもまた、目の前で繰り広げられた展開に驚きを隠せなかった。
『ケータイを外に向けろ。ぶっ放してやる』
クロノが何か言うより先に、今まで静かだったケータイが響かせたのは物騒な言葉だった。
彼の言葉にクロノが反射的に自身の目の前へとケータイを向けた瞬間。
『――――――!』
ケータイの向こうから届いたのは、衝撃波に近い音の波だった。
何の音も聞こえないのは、おそらく、ミラノのものだからだろうか。
無音のシャウトは、ケータイを向けられたグラールとガエブルグ、その中でも特に、目の前にいたカルナとベギーネルに直撃した。彼女たちをはじめ、矛先にいるイルエやその隣にいるもう一人のローブはもちろん、反対側にいながらも膨大な魔力にあてられたのだろう一般人までもが突然の衝撃に膝を付いた。ケータイを持っているクロノと、その背に庇われているミントには被害がなかったが、エイレンも少しふらついている様子だ。
それはまるで、先程何かをぶつけられたクロノの、少しマシになった症状に似ている。
「オマエ、何でその力……」
忌々しそうにクロノを睨むベギーネル。
音の超音波のせいなのかカラスマスクに罅が入り、それは乾いた音を立てて地面に落ちた。
彼女の素顔を見たミントが、その濃紫色の目を見つめ、思わず零す。
「ネル……!?」
彼女の声は呟きと呼ぶにはあまりにも小さく、ミラノの攻撃に掻き消されて、クロノの耳にすら届いていない。
衝撃波が鳴り止んだ直後。比較的被害が少ないエイレンはすぐに体勢を立て直した。
「良くわからんが、やったなクロノ。今のうちに逃げるぞ!」
わざわざ大声で言わなくても良いような事を声高らかに告げるエイレン。
彼はそのまま当たり前のように鉄扉を開けた。
「ミント。そいつじゃねーっしょ! オレらんとこに来い!」
その言葉にミントは真っ直ぐベギーネルを見つめる。
彼女は黙って返事を待っていた。
「ごめん、ネル。わたしは、この人の力になるって決めたの」
少女の返事に、ベギーネルは僅かに目を見開く。
そしてミントは、先行した赤毛を追って、振り返ることなく演習場の外へと駆けていった。
その背中を無言で見送るベギーネルを一瞥してから、クロノも彼等へと背を向ける。
二人を追い掛けながらクロノは、静かになっていたケータイの通話が切れていないのを確認してから、改めてシグドと、そしてミラノにお礼を告げる。言われた本人は、面倒事は二度と手伝わないなどと何度目かわからない文句を言い残してケータイを切ったのだが。
「ナイスプレーだったぞ、クロノ。……二人とも、帰りはしっかりオレについて来い!」
言いたいことを言うだけ言って、エイレンは足早に演習場から離れる。
クロノたちは、エイレンが取引で横取りしたセラの遺体をスーツケースごと連れて、自分たちの結社への帰路についた。
「お、お前たち、まさか愛の逃避行でも――」
「違うから黙ってろ」
「人様の戦利品横取りとか、マナー違反じゃね?」
エイレンの奥から、更に状況を引っ掻き回しそうな人物が怒鳴り声と共にやって来る。
予期していた中で最も嫌な形で挟み撃ちにされてしまった。
「やっと追いつい…………ミント?」
「カルナはあんたを、ミントを探してたんだよ!」
後方のベギーネルと前方のツインテール――カルナが、それぞれミントの名前を呼ぶ。
呼ばれた本人はと言うと、二人の顔を見比べてから、困惑した様子でクロノへと助けを求めるような視線を向けた。どうやらミントは理解が追い付いていないらしい。
「もう追い付いてきたのか!」
「ミント、カルナから盗ったものを返して!」
――どういう状況だ、これ。
だが、それは少年も同じだった。僅かに表情を引き攣らせたクロノだったが、現状を把握させてもらえる程の時間の余裕はないようだ。
警戒を解かないまま、ナイフへと伸ばした手が、ポケットの中へ突っ込まれる。
それは、一種の賭けだった。
その手が触れたのはケータイで、それは隠すことなく取り出される。そして、クロノは躊躇うことなく着信履歴の一番上を押した。
無機質な呼び出し音が微かに聞こえたが、すぐにエイレンの声に掻き消される。
「お前、こんな時にどこにラブコールしてるんだ!」
「返してよ! テールは元々カルナのものなんだから!」
「金髪のオマエ、何でミント連れちゃってんの?」
前後から各々の言葉が飛び交った直後。
「あー! お前は!?」
慌てて追い掛けて来たのだろう一般人が、クロノを指差しながら悲鳴に近い声を上げた。
もうどうしようもない、と、クロノも臨戦態勢を取りかけた時だ。
『…………お前、何してんだよ』
電話の向こう側から、普段通りと言えば普段通りの面倒そうな声が聞こえた。
無事に繋がったことに、内心胸を撫で下ろしながら、クロノは電話相手へ話し掛ける。
「この場から逃げたいんだ。手を貸してくれ」
『…………』
かみ砕きまくった簡潔な言葉に、旧友は沈黙を返した。
「お願い、カルナの援護して。ここで倒しちゃうから」
ツインテールを揺らしたカルナは、イルエへ援護要求しながら、刀を抜く。
「黒羽くんに警戒しなよ。何かする気だからね」
「そんなの知らない!」
イルエの忠告を無視して、カルナは一気にクロノとミントへ距離を詰める。
「っ」
すぐに反応して動こうとしたのはエイレンだった。
だが、同時に背後でベギーネルが地面を蹴って駆け出した。
二人を守ろうとしたエイレンは一瞬戸惑った様子を見せたが、自身が持つスーツケースを優先したらしい。クロノたちに背を向け、彼女を迎え撃とうとする。
利き手がケータイで塞がっているクロノは、咄嗟に紋章術で応戦しようとした。
ぶわりと高まる魔力と冷えていく空気。
次の瞬間。紋章術を使おうとした彼の隙を狙って、イルエが何かを少年へと投げつけた。
少年に当たったと同時、それは魔導汚染に似た魔力を辺りに撒き散らし、クロノはそれをもろに浴びてしまった。
「なっ」
具現化しようとしていた紋章術は、まるで氷が溶けるかのように消える。
クロノは何とも言えない喪失感と脱力感に襲われて、体がグラリと揺れた。
「クロノさんっ!」
ミントが慌ててクロノの体を支えた直後。
二人の目の前でカルナの刀とベギーネルの拳がぶつかり合う。
「オマエ、しつけーわ。いー加減、ミント狙ってんじゃねーっての」
「狙うも何も、ミントから返してもらいたいだけだもん!」
武器を構えたも無視されたエイレンが、きょとんと目を丸くしている。
クロノとミントもまた、目の前で繰り広げられた展開に驚きを隠せなかった。
『ケータイを外に向けろ。ぶっ放してやる』
クロノが何か言うより先に、今まで静かだったケータイが響かせたのは物騒な言葉だった。
彼の言葉にクロノが反射的に自身の目の前へとケータイを向けた瞬間。
『――――――!』
ケータイの向こうから届いたのは、衝撃波に近い音の波だった。
何の音も聞こえないのは、おそらく、ミラノのものだからだろうか。
無音のシャウトは、ケータイを向けられたグラールとガエブルグ、その中でも特に、目の前にいたカルナとベギーネルに直撃した。彼女たちをはじめ、矛先にいるイルエやその隣にいるもう一人のローブはもちろん、反対側にいながらも膨大な魔力にあてられたのだろう一般人までもが突然の衝撃に膝を付いた。ケータイを持っているクロノと、その背に庇われているミントには被害がなかったが、エイレンも少しふらついている様子だ。
それはまるで、先程何かをぶつけられたクロノの、少しマシになった症状に似ている。
「オマエ、何でその力……」
忌々しそうにクロノを睨むベギーネル。
音の超音波のせいなのかカラスマスクに罅が入り、それは乾いた音を立てて地面に落ちた。
彼女の素顔を見たミントが、その濃紫色の目を見つめ、思わず零す。
「ネル……!?」
彼女の声は呟きと呼ぶにはあまりにも小さく、ミラノの攻撃に掻き消されて、クロノの耳にすら届いていない。
衝撃波が鳴り止んだ直後。比較的被害が少ないエイレンはすぐに体勢を立て直した。
「良くわからんが、やったなクロノ。今のうちに逃げるぞ!」
わざわざ大声で言わなくても良いような事を声高らかに告げるエイレン。
彼はそのまま当たり前のように鉄扉を開けた。
「ミント。そいつじゃねーっしょ! オレらんとこに来い!」
その言葉にミントは真っ直ぐベギーネルを見つめる。
彼女は黙って返事を待っていた。
「ごめん、ネル。わたしは、この人の力になるって決めたの」
少女の返事に、ベギーネルは僅かに目を見開く。
そしてミントは、先行した赤毛を追って、振り返ることなく演習場の外へと駆けていった。
その背中を無言で見送るベギーネルを一瞥してから、クロノも彼等へと背を向ける。
二人を追い掛けながらクロノは、静かになっていたケータイの通話が切れていないのを確認してから、改めてシグドと、そしてミラノにお礼を告げる。言われた本人は、面倒事は二度と手伝わないなどと何度目かわからない文句を言い残してケータイを切ったのだが。
「ナイスプレーだったぞ、クロノ。……二人とも、帰りはしっかりオレについて来い!」
言いたいことを言うだけ言って、エイレンは足早に演習場から離れる。
クロノたちは、エイレンが取引で横取りしたセラの遺体をスーツケースごと連れて、自分たちの結社への帰路についた。
0
あなたにおすすめの小説
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
〖完結〗終着駅のパッセージ
苺迷音
恋愛
分厚い眼鏡と、ひっつめた髪を毛糸帽で覆う女性・カレン。
彼女はとある想いを胸に北へ向かう蒸気機関車に乗っていた。
王都から離れてゆく車窓を眺めながら、カレンは夫と婚姻してから三年という長い時間を振り返る。
その間、夫が帰宅したのは数えるほどだった。
※ご覧いただけましたらとても嬉しいです。よろしくお願いいたします。
さようならの定型文~身勝手なあなたへ
宵森みなと
恋愛
「好きな女がいる。君とは“白い結婚”を——」
――それは、夢にまで見た結婚式の初夜。
額に誓いのキスを受けた“その夜”、彼はそう言った。
涙すら出なかった。
なぜなら私は、その直前に“前世の記憶”を思い出したから。
……よりによって、元・男の人生を。
夫には白い結婚宣言、恋も砕け、初夜で絶望と救済で、目覚めたのは皮肉にも、“現実”と“前世”の自分だった。
「さようなら」
だって、もう誰かに振り回されるなんて嫌。
慰謝料もらって悠々自適なシングルライフ。
別居、自立して、左団扇の人生送ってみせますわ。
だけど元・夫も、従兄も、世間も――私を放ってはくれないみたい?
「……何それ、私の人生、まだ波乱あるの?」
はい、あります。盛りだくさんで。
元・男、今・女。
“白い結婚からの離縁”から始まる、人生劇場ここに開幕。
-----『白い結婚の行方』シリーズ -----
『白い結婚の行方』の物語が始まる、前のお話です。
元公爵令嬢は年下騎士たちに「用済みのおばさん」と捨てられる 〜今更戻ってこいと泣きつかれても献身的な美少年に溺愛されているのでもう遅いです〜
日々埋没。
ファンタジー
「新しい従者を雇うことにした。おばさんはもう用済みだ。今すぐ消えてくれ」
かつて婚約破棄され、実家を追放された元公爵令嬢のレアーヌ。
その身分を隠し、年下の冒険者たちの身の回りを世話する『メイド』として献身的に尽くしてきた彼女に突きつけられたのは、あまりに非情な追放宣告だった。
レアーヌがこれまで教育し、支えてきた若い男たちは、新しく現れた他人の物を欲しがり子悪魔メイドに骨抜きにされ、彼女を「加齢臭のする汚いおばさん」と蔑み、笑いながら追い出したのだ。
地位も、居場所も、信じていた絆も……すべてを失い、絶望する彼女の前に現れたのは、一人の美少年だった。
「僕とパーティーを組んでくれませんか? 貴方が必要なんです」
新米ながら将来の可能性を感じさせる彼は、レアーヌを「おばさん」ではなく「一人の女性」として、甘く狂おしく溺愛し始める。
一方でレアーヌという『真の支柱』を失った元パーティーは、自分たちがどれほど愚かな選択をしたかを知る由もなかった。
やがて彼らが地獄の淵で「戻ってきてくれ」と泣きついてきても、もう遅い。
レアーヌの隣には、彼女を離さないと誓った執着愛の化身が微笑んでいるのだから。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる