エスペランサー ~希望の力と共に歩く~

名嵐

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第八話 覚悟を決めて

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 和也、橘と戦って森沢が乱入してきた模擬戦から数日。
 それ以降の訓練に森沢が顔を出す事無く、平和な日々(?)が続いていた静馬たちだったが、ついに生徒の実力が一定の所まで来たようでピオニローラーとしての技能を磨く訓練が開始される事となった。
 最初は少人数の三人で何もない状態の学内に用意された簡易迷宮に潜るという内容で、既にグループ分けは終わっている。そして、静馬は和也と陽というそこまで気を使う事のないメンバーとなっている。
 今後は早い段階で次のステップに進むようになっている為、この何もない状態で潜る事になるのは今回だけになるという橘の話に各自が意気揚々と準備を進めていた。

「それじゃあ、この簡易迷宮について簡単に話していくわね」

 授業の始まりと共に生徒全員が揃っている事を確認した橘が迷宮の入り口でそう言って話始めた。



 学内に設けられた三つの簡易迷宮。初級、中級、上級と難易度によって内容が変わるようになっている迷宮で創るにあたってデュエロ・フィールダーの技術を応用する事で機械操作による設定で中の構造を簡単に切り替えれるようになっている。
 その為、毎日設定を変える事で同じ構造の迷宮になる事は無いようにされていて、生徒たちにも楽しんで挑戦できるようにとその日のタイムアタックランキングを常時表示し続ける事で飽きさせていない。そして、それにより通常の授業は勿論の事、放課後になると進んで簡易迷宮を利用する生徒が多くいた。
 また、初級はEVEや罠が無い物、中級は罠は有るけどEVEがいない物、上級は罠が有ってEVEもいるという物になっていて、上級は定期的にEVEの討伐を教師も含めて行うようになっている。そして、学内に造られた物という事も有って、初級は五階層、中級は十階層、上級は二十階層で構成されていて、各階層の入り口と出口にはリタイア用の出口が設けられている。
 今回、静馬たちが利用するのは初級の簡易迷宮で一番最初の授業という事も有って、今後は自由に利用できるようにと全員に一枚のカードが配布された。
 そして、不思議に思いながらカードと橘を見比べる生徒が多い中、橘が全員に行き渡った事を確認して話し出した。
 簡単に言えば、タイムアタックの計測用チップの埋め込まれた迷宮の鍵にあたる物で、学園関係者以外が迷宮に侵入できないように迷宮入り口に設置されている扉を開けるのにも必要になっているという事だった。
 埋め込まれているチップには各自の情報が入っている事や迷宮に入る為の物なので紛失等には気を付けるように話す橘に一人の生徒が質問する。

「もし、無くした場合はどうすれば良いんですか?」

「分かった時点で教師か事務局に申告してくれれば、数日後に新しいカードを渡すわ。まぁ、次回からは有料なんだけどね」

 そう言った後に続けて去年無くしたのがいたからくれぐれも注意してねと念を押す橘に生徒たちはそんな事は無いと騒ぎ立てるが、橘はそれを綺麗にスルーする。

「それじゃあ、今日は初級に潜ってもらうけど、初級だからって手を抜かないように!」

 念を押す橘に生徒たちがおもいおもいに返事を返し、それを見た橘は頷いてから迷宮の監視員と話すためにその場を後にした。

「なぁ、今日もタイムを計ると思うか?」

 いつの間に傍に来ていたのか和也が静馬に話しかける。静馬が辺りを見ると陽も傍までやってきていて、他のクラスメイト達もグループで集まって話をしているのが見えた。

「そりゃ、計るんじゃないか?」

 和也がそんな事を聞いてきた事を疑問に持ちながら静馬は恐らくそうだろうなと思ってそう返す。ただ、事前に聞いていた訳でも無く、どうなのかが分からない為に絶対にそうとは断言できなかった。

「なら、他の連中に負けない様にしないとな!」

 聞いた和也が気合を入れるようにそのやる気を見せつける姿に静馬だけではなく陽も軽く引きながら空回りしそうな和也を抑えるようとする。
 だが、そんな事は関係無いと言わんばかりに辺りにた他のグループの友達に声を掛けて、挑発するように話し出して二人は急いで止める事になる。

「ま、待ってよ!和也君、それは」

「あら、今回は最初って事も有って速さよりもマッピングとかをやってほしいんだけどなぁ」

 いつの間に後ろに来たのか橘がそう言って話しかけてくる。どうやら話し合いも終わったようで騒がしくしていた和也たちの所に来たようだった。
 その様子に和也は一瞬だけビクっと驚いたようだったが、直ぐに気を取り直したのか橘に恐る恐る振り向く。

「あ、あの、別に……」

「うん、良いの良いの。ただ、最初だからね?」

 橘は話しかけてくる和也の言葉を遮るように話した後に周りの注目を集めるように声を出して全員の視線を集めた。

「はーい、注目!!準備が整ったんでそろそろ迷宮に入る事になるけど大丈夫?」

 辺りを見渡して全員が見ている事と問題ない事を確認した橘が迷宮に入る順番について話始め、静馬たちはちょうど真ん中にあたる順番で潜る事を知る。
 先ほどまでの意気込みのまま早く潜りたいと橘を見つめる和也の姿に静馬も陽も苦笑してしまう。

「最後に今回は早くなくても良いから。それにここは簡易迷宮で初級だって事を忘れないでね」

 本来、簡易迷宮といえど中級以上はケガの危険が大なり小なり付きまとう。勿論、何らかの原因で本当の迷宮になってしまう可能性だって考えられる為に各簡易迷宮には監視員が詰めていて異変が確認されたら直ぐに対応できるようにされている。
 そして、今回のような授業の場合は橘を含めた教師がそれに加わる事でいつも以上の安全を確保しているので幾ら初めてとはいえど問題が起こりえない状態になっている。
 なので、元気よく返事をする生徒ややる気に満ち溢れている姿の生徒たちについ苦笑する橘だったが、初級という事も有って問題が発生する事は無いだろうと思って、早く戻ってくるグループが有れば、希望が有れば二回目も許可するつもりだった。
 そんな事とはつゆ知らず、仲間同士でどうするかを話始めた生徒たちを横目に橘は監視員に合図をして記念すべき最初のグループを入り口に呼んだ。



 学内に作られた簡易迷宮とはいえ初めて入った迷宮に静馬も含めてグループの全員が辺りを見渡す。
 人為的に作られただけ有って何処か建物の中を感じさせる壁や床に少々がっかりしたような表情を見せる和也だったが直ぐに気を取り直して周りを見始める。

「なんか、想像してたのと違う」

 そういう和也の言葉に同意するように頷く二人。二人にしてみてももう少し洞窟っぽい造りを想像していただけ有って少し残念と思ってしまう。

「じゃあ、そろそろ先に進む?」

 陽の言葉に静馬は直ぐに頷き、まだ周りを見ていた和也も少し遅れる形で承諾する事で先に進み始める。もっとも、その歩みも少し進んだところで止まる事となる。
 静馬たちが歩き始めて少し経った頃、進んだ先に見えてきたのは三つに分かれた通路。たぶん、自然に創られた迷宮ではそうそうお目にかかれないだろう等間隔に配置されたその通路に三人で顔を見合わせる事になった静馬たち。

「なぁ、どの道にするんだ?」

「道もだけど、この後も同じように分かれ道が有りそうだからここからマッピングしていく?」

「マッピングは必須として……、どの道を進むかだよな」

 和也と陽の提案を聞いて静馬は悩むが、陽の提案に関しては必要な事としてやっていくように答えた。だが、和也の方に関しては一人では決めれないなと思って二人の顔色を窺う。
 陽は静馬の言葉を聞いていそいそとマッピングの準備を始めていた為、静馬の様子に気が付いていなかったが和也は気が付いて自分なりに考えたことを言ってくる。

「確か左手か右手を壁に当てて進むんだっけ?」

「お前、それは迷路での方法だぞ!」

「なんの話してるの?」

 ネタか何か違う事を話しているような和也の言葉につい静馬は手が出てしまい、突っ込まれた和也の状態に準備が終わった陽が不思議そうに話しかける。
 もっとも、和也には陽に返す余裕などなく、咽ているだけでその様子に静馬は少し強くやり過ぎたかと思ってしまう。

「と、取りあえず、どの道進むか決めようよ」

「そ、そうだな。陽はどこが良いとか有るか?」

 未だに咽続けている和也に陽は心配そうな視線をおくりながらもそう静馬に話しかける。
 静馬にとってもそれはありがたい事だったので陽にどこが良いかを聞き返してみる事にした。

「んー、左で良いんじゃないかな」

 そう答えた陽は続けて理由話していく。
 取りあえず、左を選んでこれ以降の分かれ道も同じように左を選び続けて突き当りにたどり着いたら一つ前の分かれ道を選んだ道のすぐ右にしての繰り返しで行けば時間がかかるかもしれないけどゴールまで行ける筈と言う。
 マッピングする事や何らかの目印になるような物を分かれ道に置いていく事でどこかは区別がつくだろうと陽の考えに直ぐに思い浮かんだ事を話す静馬に漸く立ち直った和也も含めて二人も同意した。
 そうして、歩き始めた三人は左へと進み続ける事で遠回りになったかもしれないが奇跡的に一回だけ突き当りにたどり着いただけでゴールする事が出来た。また、一つ前のグループが一階層下に潜ってからスタートするように調整されていたとはいえ、静馬たちが前のグループにも後ろのグループにも遭遇する事無く終わった事で三人は自分たちの力を知る事が出来た。
 簡易迷宮の最下層に用意された地上への直通エレベーターに乗って外に出た三人を出迎えたのは既にゴールしていたクラスメイト達とその前に立って出迎えてくれた橘の姿だった。
 静馬たちの姿を確認した橘は手元の端末を操作してから三人に声を掛け、一先ずは休憩する事を伝えた。
 そして、その言葉を聞いたからか今までが嘘のように身体が重く感じ始めた三人の姿に少し笑いながら橘は言う。

「ふふふ、初めてだから知らないうちに力が入って無駄に体力を消耗したのよ」

 そんな言葉に三人は顔を見合わせてから笑い始める。そして、感じる身体の重さとときどき吹く風の感触になんとも言えない達成感を感じるのだった。



 初めて簡易迷宮に潜ってから何日か経った頃、ついにその時がやってきた。

「さて、今日は上級の簡易迷宮に潜ってもらうわと言いたい事だけど、残念ながらそれは次回に持ち越すわ」

 そんな橘の言葉にいる場所からうすうすは気が付いていたとはいえ、静馬たち生徒全員から不満の声が上がる。
 簡易迷宮から離れた訓練場。ここ最近は校外学習に向けて簡易迷宮での授業が多かった為に利用頻度が減っていた場所だった為、授業で指定された時は静馬も含めて全員が疑問を覚えた。
 校外学習までもう一週間も切った時にデュエロ・フィールダーで対人戦をするというのも無いとは言えないが、そんな事よりも簡易迷宮に潜っていたいと思うほどに休憩時間に話すほど校外学習で待っているだろう本物の迷宮が気になって仕方なかったからだ。

「皆、なんでって顔をしてるけど本当に気が付かない?」

 少しいつもとは違った雰囲気を感じさせる橘の姿に静馬は辺りを軽く見渡した。
 近くにいる知り合い同士で話すクラスメイトたちの姿や起動準備がされているデュエロ・フィールダー、恐怖の化身学長もいないと特に今までと変わった所が見当たらない。
 だからこそ、余計に橘の言う事が理解できない静馬たちに橘は一つため息をついた後に仕方ないかというような顔を見せる。

「まぁ、そうよね。とりあえず、今日は丸一日使っての授業だけど、覚悟だけはしてもらうわよ」

 凄むように言う橘の姿に大げさだと感じた生徒の一部が軽口をたたくが直ぐに橘が睨みつけるように見たので口を閉ざす。
 余りの橘の雰囲気が違う事に次第に不安を感じ始めた生徒たちを煽るように橘は訓練場の一角、搬入用に作られた外と繋がっている扉に視線を移す。
 その視線を追う様に静馬たちも視線を向けるとちょうど扉の傍に立っていた職員が端末か何か操作して扉が開き始めるところだった。そして、徐々に開け放たれていく扉の奥には何かが載せてある台車が置いてあった。そして、まるで監視するようにその台車を取り囲む職員の数に知っている橘を除いた誰もが首を傾げる。

「これからちょっと準備をした後に貴方たちにはEVEと戦ってもらいます」

 橘の言葉と運び込まれるEVEが入っていると思われる箱に全員の意識が一瞬だけ止まる。敢えてなのか生徒たちの様子を気にしない様にしながら運び込まれる物を見て、近くに来た職員と話始める橘。
 そんな状態が長く続くはずも無く、徐々に理解し始めた生徒たちの口から小さいながらも零れる声は否定も肯定もするものだった。

「さて、皆の中にはデュエランダーを目指して高専ウチに入ってきた人がいると思うわ。でもね、デュエランダーとして活躍できるのは一握り……、いえ、数人しかいないわ」

 橘は職員と話し終わったのか生徒たちを見渡し、一回頷いてから話し出した。そして、橘の話に静馬はつい頷きたくなるほどにそう思ってしまう。

「じゃあ、それ以外のエスペランサーはどうなるかだけど、知っての通りにピオニローラーになるのが普通ね」

 自分を見つめる一人一人の生徒に視線を合わせながら橘は続ける。

「貴方たちが卒業する時にどんな道を選ぶかは今の私は分からないけど、それすらにもならない選択肢を取る事も出来るわ。ただ、今はエスペランサーを目指す者としてEVEと戦う事を学ぶ時なの。だから、貴方たちには今日EVEと戦うとはどういうことかという事を命のやり取りで実際に学んで貰うわ」

「あの、先生、それはEVEが相手の模擬戦をするって事ですか」

 静馬が橘の言葉に動揺していると一人の生徒が橘に当たり前ともいえる質問をする。
 それを聞いた橘は職員に指示を出しながら答える。

「ええ、勿論よ。そして、普通の模擬戦とは違って戦闘訓練……、デュエロ・フィールダーの機能を最低までに落とした負傷者が出るかもしれないものよ」

「えっ、それは…「残念だけど、EVEを殺す事が目的のものよ」……」

 あまり理解したくない様に聞く生徒の言葉に被せて話す橘の姿に嘘は無いようでその後ろで着々と進められる準備に顔を青くする生徒が出始める。

「一つだけ言っておくと貴方たちが卒業する頃にはエスペランサーに関して新しい取り決めや組織が出来ていてもおかしくないと思うわ。でもね、エスペランサーにはEVEが出現した時に対応しなければいけない義務が有るの」

 意味が解るわよねと続ける橘。勿論、静馬も含めて生徒たちはそれを知ってなおこの学校に、高専に進んだのだから最低限の覚悟は有った。ただ、実際にその事と対面してしまうとどうしても足が竦んでしまう。
 だからと言って今のままで良い訳が無く、橘もその事を分かっているからこそ準備を進めている。

「皆、そろそろ準備が終わるけど覚悟を決めたかしら?」

 どれぐらい経ったのかそう呟いた橘の後ろで起動されたデュエロ・フィールダーの中には既にEVEが放たれていて警戒しながら辺りの様子を窺い、時より荒々しく暴れている姿がモニター越しに見える。
 そして、その姿により一層の恐怖を覚えた生徒がいたのだろう悲鳴にも似た声や息を殺したような音にもならないような声が静馬には聞こえた気がした。



 入った途端に向けられた視線に身体が竦んでしまう。警戒、殺意、敵意などを混ぜ合わせたような視線の元はたぶん全長が三十センチぐらいのEVE――ネズミが元となっているラトと名付けられていた存在。
 異界化された場所や迷宮の大半で見かける事が多いラトはそのあまり高くない攻撃力から高専では意図的に発生させて簡易迷宮に放たれている事が有るそこまで珍しくないEVEだった。
 ただ、そんなラトでも初めて対面した静馬にとっては恐怖を感じさせるモノには違いなく、今も静馬の様子を窺いながらも時より左右に歩き回る姿に近寄る事を拒否してしまう。
 そして、そんな静馬の様子を知ってか知らずかラトは目の前に現れた静馬という存在を自分に危害を加える敵として認めた。
 片方が決めれば状況が動き始めるのも早いもので、ラトは未だに何の動きも見せない静馬に飛び掛かる。
 大きく口を開け、進化した事で鋭くなった牙を見せつけるように一直線に迫ってくるラトに静馬は慌てて横に避ける。
 これがいつもの模擬戦だったなら慌てる事も無く、避けた後に嵐狐で攻撃を仕掛ける事も出来ただろうと思う静馬だったが、何処かで斬りかかる事を拒否している今はそれが出来るとは思わなかった。そして、何回か同じことを繰り返した後にラトも学習したのか、飛び掛かる事を止めて静馬の足に狙いをつけて素早い動きで近寄ってくる。
 その時は激痛と共にやってきた。
 素早い動きに翻弄された静馬の動きが鈍った瞬間、ラトは今までの鬱憤を晴らすが如く力強く静馬の足に噛みつき、その鋭く尖った牙が静馬の足を傷つけ激痛が走る。
 痛みと共に恐怖に襲われた静馬はそれから逃げ出そうと手に持った嵐狐で噛みついて動けなくなったラトに無我夢中で振るう。
 嵐狐がラトに当たった事で手に伝わってくる肉を切る感触と飛び散る血飛沫。
 傷ついた事で緩んだラトの噛みつきから足を外し、引きずる様に距離を取って再び嵐狐をラトに振るった。
 傷ついた事で動きの鈍っていたラトにその一撃が躱せる事も無く、その首に吸い込まれていくように嵐狐が襲い掛かる。
 一瞬だけ抵抗が有ったかと思った瞬間、その頭は胴体から切り離されて宙を舞った。
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