今更ながらダンジョンに潜る事になりまして

名嵐

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35話

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 出張を終えて出社した俺を待っていたのは先輩方の考えた新作と疲れた顔をした幸と幸太たちだった。
 共にパソコンで何か入力している事から俺の出張中にやっていた事の報告書を作っているのだろう。

「おはよう」

「おはよう」

「おはようございます」

 声を掛けると二人とも直ぐに返事を返してくれた。幸の方は俺を見て少し安心したような顔を見せたような気がした。
 その表情に少しだけ疑問を持ちながら俺は自分のパソコンを起動させるとメールなどの確認を終わらせて簡単な朝礼を始める。

「あー、そのままで良いから聞いて欲しい。今日の予定だけど、報告書の作成を午前中に終わらせたら午後からは明日以降に潜るスケジュールやテスト品の選定の打ち合わせと各自が今回行ったダンジョンとかについての軽い意見交換にするつもりだ」

「……分かったわ。私の方はもう少しで終わると思うから」

「はい、俺の方はもうちょっと掛かりそうですが、午前中には終わると思うのでそれで大丈夫です」

「じゃ、そういう事でお願いします」

 チラっと二人の様子を見ながら話を終わらせ、直ぐに俺も自分の報告書を作成し始める。
 そのタイミングで桐野さんが事前に幸太たちが決めていた潜ったダンジョンに関して簡単にまとめられた物を渡してくれた。

「これですが今回の事で二人が潜ったダンジョンの出回っている評判や情報をまとめた物になります」

「ん、ありがとう。あと、二人が今回使った消耗品の補充とかはもう?」

「はい、既に発注して有ります。予定では今日の午後に届くようになっているので明日から直ぐに潜れるようになっています」

 渡された物に軽く目を通して午後から使おうと机の隅に置くと出張のついでに買っておいた茶菓子を取り出して午後から全員に出してもらうよう桐野さんに頼んで報告書に集中するのだった。



 どうにかして報告書を完成させた後、経費計算も終わらせ時田部長と相模部長に二人の作った報告書と共にデータを送って昼休憩に入る。
 既に俺以外の三人は昼休憩で外に行ってしまっているので寂しい物だが、俺も午後からの事を考えて早く済まそうと近場のラーメン屋に行くことにした。

「ラーメンを昼に食べるのも久しぶりだし、今日は味噌チャーシューにしようかな」

 案内された席でパッと目に入ったメニューをそのまま頼む。
 店内は既に満席に近い状況だった事からちょっとだけ時間がかかるかなと予想しながらスマホでダンジョン関係の新しい情報が無いかを探し始める。
 まずはニュースから確認してみるが特に何か変わったという事は無いようで代わり映えのしない物ばかり。
 まぁ、仕方ないかなと思いながら自分が担当した商品情報や他社の製品の使い心地について見ていると頼んだ物が届いた。

「いただきます」

 小さくそう呟き、麺を口に運ぶ。
 麺の味を忘れないうちにレンゲでスープを飲んでしっかりと味わう。
 うん、美味いな。これなら今後も頼む候補にして良いな。
 ズルズルと麺を啜ってはスープを飲んでと繰り返しながら時たまチャーシューを食べてと繰り返しているうちに残ったのはスープだけになる。

「ふぅー」

 残ったスープを飲み干した後に水で口の中をさっぱりさせて会計を済まして店から出ればちょうど幸太が会社に戻るために歩いているのが見えた。

「あ、進さん」

「おう、幸太も食べ終わって戻る所か?」

「はい、進さんはラーメンですか。どうでした?」

「個人的には美味しいと思ったよ。幸太は何を食べたんだ?」

「今日はパスタですね」

「へー、良い店がこの辺りに有るのか」

「まぁ、そこまで店を選んで入ってる訳では無いので……」

「そうか、今度で良いから教えてくれ」

 そんな事を話しながら部屋まで戻ると既に幸と桐野さんが戻っていた。
 とりあえず、全員戻っている事も有って打ち合わせの為に資料を用意していく。

「あー、全員戻ってきてるし、少し早いけど打ち合わせを始めたいけど良いか?」

「良いわよ(ですよ)」

 そう言うと桐野さんが俺の用意した資料をコピーしてくれたようで幸たちに手渡しているのが見えた。
 受け取った二人が目を通す間に俺も話始める準備を整えて打ち合わせを始めるのだった。
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