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15 師
しおりを挟む「さて、答え合わせをしようか」
αが呼び出されたのは、他でもない津田であった。彼女は懺悔を求めているのではなく、罪を確かめたい訳ではない。ただ、2の生きていた証をここに刻みつけたいのだ。
「2が波止場に現れなくなったのはいつか。そう、2週間前のことだった。お前はその日さらなる高額な借金を重ねた。それも見境もなしに、隣駅の女性につぎ込むためだ。もちろん引き出した段階ではそこまで想定はしていない、だが一ヶ月半前に種はまいていた、芽吹いただけのこと。2が現れないとお前が気づくのは当然3日後になる。気づくことはできまい。お前の時間軸ではな」
αは津田の放つ一つ一つの鉛よりも重い言葉を、重そうに受け止めることにした。あくまで彼にとっては一つの確認に過ぎず、そう強がることでしか正気を保てないためだ。
「2には想い人がいたそうだ。当然お前はそれに気づいていながら、何故か2の周りを汚い羽虫のように飛んでいた。目障りこの上ない。わざわざ親族の用意したこの安定した場所に、おまえは混沌を意図的に持ち込んだ。外部からの刺激であろうと、お前の策略であろうと私の知ったことではないが、とにかく不快な行動だった。それは2も同意見とする」
津田と2の直接の接点は皆無である。だから、今の言動は正確には虚であるが、αにとって気にする問題にはならない。重要なのは津田が何を求めていたのか、もう少し風呂敷を広げても警戒に引っかかるかを確認したかった。
「悪かった」
「何も悪くはない」
「反省している」
「しなくていいし、そうは見えない」
「なにか具体的に解決策はあったのかな」
「そういえばお前は最近店員に横柄な態度を取った事に対して、有象無象に謝罪をしたそうじゃないか。それは批判できる社会的弱者だったからなのか。もし店員が2だったら笑って見過ごせるレベルのミスだったのではないかと、私はそう思うんだよ」
「津田さんは頭がいいな」
「寄り道はお前の大好物だろう。だが、他人への干渉は控えることだ」
警戒には引っかかっているようだ。
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