EAR OF YOUTU

チャッピー

文字の大きさ
22 / 38

22話

しおりを挟む

「突然ですがピンチです!!」
 友梨奈先輩がホワイトボードの前に立ち、宮古先輩と伊織と自分が
並んで座る。
 不定期に友梨奈先輩は突拍子もないことをこうやって発表する。9割はコンビニのお菓子の新情報とか、雲が綿棒の形をしてたから綿棒の練習の日とかしょーもない話題なのだが、以前の部の存続の危機みたいなことがあってはいけないので、一応友梨奈先輩の奇行には付き合うことが暗黙の了解となっていた。
 半分白けている空気だが、伊織は律儀に手を挙げて質問をする。
「部長、何がピンチなんですか?」
「良くぞ聞いてくれた!もうすぐ夏休みです!」
「はあ、そうですね。大会も夏休み中ですから、練習はより一層頑張らないと・・・・・・」
「ちっがーう!!」
 伊織の夏休みに向けた練習についての話はシャットアウトされた
「テスト!があるでしょ!!」
「は?」
 伊織は素の疑問符が声に出たのだろう。先輩相手に辛辣な声だった。
「あんたまた、赤点になりそうなの?」
 宮古先輩は呆れ顔で友梨奈先輩を見ている。また、ということはこれ初めてじゃないな?
「だって、だって!部の存続の危機とかあったし、伊織くんの入部の後だって意地悪会長が予算のために必要な書類とかいって沢山書類書いてたんだもん!勉強の暇なんてなかったよー!!ピンチなの私だけじゃないでしょ?ね?一緒に勉強会しよ??」
 さて、勉強についてはまあ、赤点を心配する程のことはない。歴史はスポーツの歴史が入ると怪しいが、問題なく試験は終えれるだろう。
「僕は赤点取るほどではないですね。」
「僕もそこは心配ないです。というか、僕と柿人君は学年下だから、勉強会しても先輩たちの力にはなれないですよ?」
 そう。そもそも自分たちは勉強会自体はまだ良いにしても、おそらく一番ピンチだろう友梨奈先輩の役に立つかは疑問だ。
「ひとりじゃ耳かきの動画見ちゃうから勉強できないんだよー・・・みゃーちゃんは私の味方だよね?後輩君達も万が一で大会出られないってなったらダメだよね?」
「みゃーちゃん言うなって。でもま、いつもの事だし私は構わないよ。後輩達はまあ、本人達に任せてもいいと思うけど。友梨奈よりもしっかりしてるんじゃない?」
「酷い!」
 宮古先輩は呆れつつも少し機嫌が良い。まあ、この人は友梨奈先輩と2人きりならそれはそれでおいしいんだろうが。
「僕はお役に立てなくてもいいなら参加自体は全然いいですよ。みんなで集まってやるのはたのしいですから。」
 伊織が愉快そうに微笑む。
「まあ、僕も別に参加自体は全然構わないですけど。」
 宮古先輩も男性陣の言葉を聞いてフッと笑う。
「だってさ。よかったね。先輩思いの後輩が入部してきて。」
「うん!」
 友梨奈先輩は勉強会ができると決まったことに安堵し満面の笑みを浮かべる。
「じゃあ!今日からは耳かき部の練習規模は縮小して、勉強会を開くことにします!でも、自主練や動画トレーニングは時間がある時にしておこうね!」
「「「おー。」」」
 3人の気の抜けた掛け声が響き、勉強道具が部室に広がった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

不思議な夏休み

廣瀬純七
青春
夏休みの初日に体が入れ替わった四人の高校生の男女が経験した不思議な話

小学生をもう一度

廣瀬純七
青春
大学生の松岡翔太が小学生の女の子の松岡翔子になって二度目の人生を始める話

フットサル、しよ♪

本郷むつみ
青春
1人の女子高生がフットサル部を作り、全国大会を目指す青春コメディです。

初恋♡リベンジャーズ

遊馬友仁
青春
【第五部開始】  高校一年生の春休み直前、クラスメートの紅野アザミに告白し、華々しい玉砕を遂げた黒田竜司は、憂鬱な気持ちのまま、新学期を迎えていた。そんな竜司のクラスに、SNSなどでカリスマ的人気を誇る白草四葉が転入してきた。  眉目秀麗、容姿端麗、美の化身を具現化したような四葉は、性格も明るく、休み時間のたびに、竜司と親友の壮馬に気さくに話しかけてくるのだが――――――。  転入早々、竜司に絡みだす、彼女の真の目的とは!?  ◯ンスタグラム、ユ◯チューブ、◯イッターなどを駆使して繰り広げられる、SNS世代の新感覚復讐系ラブコメディ、ここに開幕!  第二部からは、さらに登場人物たちも増え、コメディ要素が多めとなります(予定)

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

彼女に振られた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう。

遊。
青春
主人公、三澄悠太35才。 彼女にフラれ、現実にうんざりしていた彼は、事故にあって転生。 ……した先はまるで俺がこうだったら良かったと思っていた世界を絵に書いたような学生時代。 でも何故か俺をフッた筈の元カノ達も居て!? もう恋愛したくないリベンジ主人公❌そんな主人公がどこか気になる元カノ、他多数のドタバタラブコメディー! ちょっとずつちょっとずつの更新になります!(主に土日。) 略称はフラれろう(色とりどりのラブコメに精一杯の呪いを添えて、、笑)

隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする

夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】 主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。 そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。 「え?私たち、付き合ってますよね?」 なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。 「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。

処理中です...