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34話
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「次は僕です。」
伊織が前に出ると、それに合わせるように背の高い女子が前に出る。薫とよばれた子だ。
「じゃあ、私が相手。男子の耳かき、やってみたいと思ってた。」
伊織が椅子に座ると薫も頭を伊織に載せる。顔をお腹に向けている。
「恥じらいとかないんですか?」
「スポーツでは勝ちが全て。勝つためなら何でもする。あなたもそうじゃない?」
さらりと言い切るが顔は伊織の腹に隠れて見えない。恥じらっているのか、本気で気にしてないのかはこちらからは分からなかった。
「じゃあ、僕も勝つために全力を尽くさせてもらいます。覚悟をしてくださいね?」
「試合をするなら、誰だって全力を尽くしてる。いちいち言うまでもない。それをいうのはあなたが弱い証拠。」
灯とはまた違ったタイプの口撃だ。試合前からここまで気持ちを乱しに行くのは・・・
「まあ、あれくらいならよくある試合前のやりとりだよ。」
「そうだな。行儀はよくないけど。」
先輩二人は、それほど珍しいものとは見ていない。ありがちなものだということだ。だが、今までの自分の試合経験からするとかなり態度が悪い。
「フフッ!盛り上がってるね!じゃ、はじめよっか!」
由芽は意地の悪い笑みを浮かべると、液晶がふたたび3に変わり、カウントダウンが始まる。2,1・・・
「スタート!」
「じゃあ、まずは耳の中を見せてもらいますね。」
「ん。」
伊織は耳を伸ばしながら覗き込むと目を見開いた。
「これは・・・こんな、まるでミルフィーユみたいな・・・毛まで絡んで・・・」
ミルフィーユ型。乾燥した耳垢の亜種の耳垢だ。何層にも重なることで、形作られたその塊は崩れやすく、重なり方によっては他の耳垢の除去にも悪影響を与える難敵になる耳。
だが、伊織も精密動作がウリの耳かき使い。冷静さを保てれば大きな影響は受けずにそのまま勝つことができるはずだ。
「耳の中を実況されるのは少し恥ずかしい。」
「あ、すみません。でも、これは・・・そうですね。なんにせよ、まずはこの大きなのをとってから、耳毛や干渉してるほかの耳垢も取っていきます。竹を入れますよ。」
「わかった。」
伊織は一呼吸置いて竹耳かきを手に取り、そのまま耳に沈める。
「んんっ!」
「くっ」
軽く耳垢にふれただけでも反応する薫の動きとその吐息に伊織も連動するように軽い硬直をする。
異性のその声は普通に男子には毒ではあるが、それでも薫が痛がる様子はない。
動きを乱されて尚、痛みをあたえるような動きにはならないのは伊織の丁寧な動きを証明している。
「結構やるわね。ムカつく。」
「1年生なんでしょう?男子も凄いんじゃないんですか?」
由芽は苛立ちはじめ、灯は面白そうに眺めている。
「でも、薫の耳はこれから。男子南下に高得点が取れるならとってみなさいって所ね。」
灯に応えるように由芽はそういうと再び感じの悪い笑顔を浮かべた。
伊織が前に出ると、それに合わせるように背の高い女子が前に出る。薫とよばれた子だ。
「じゃあ、私が相手。男子の耳かき、やってみたいと思ってた。」
伊織が椅子に座ると薫も頭を伊織に載せる。顔をお腹に向けている。
「恥じらいとかないんですか?」
「スポーツでは勝ちが全て。勝つためなら何でもする。あなたもそうじゃない?」
さらりと言い切るが顔は伊織の腹に隠れて見えない。恥じらっているのか、本気で気にしてないのかはこちらからは分からなかった。
「じゃあ、僕も勝つために全力を尽くさせてもらいます。覚悟をしてくださいね?」
「試合をするなら、誰だって全力を尽くしてる。いちいち言うまでもない。それをいうのはあなたが弱い証拠。」
灯とはまた違ったタイプの口撃だ。試合前からここまで気持ちを乱しに行くのは・・・
「まあ、あれくらいならよくある試合前のやりとりだよ。」
「そうだな。行儀はよくないけど。」
先輩二人は、それほど珍しいものとは見ていない。ありがちなものだということだ。だが、今までの自分の試合経験からするとかなり態度が悪い。
「フフッ!盛り上がってるね!じゃ、はじめよっか!」
由芽は意地の悪い笑みを浮かべると、液晶がふたたび3に変わり、カウントダウンが始まる。2,1・・・
「スタート!」
「じゃあ、まずは耳の中を見せてもらいますね。」
「ん。」
伊織は耳を伸ばしながら覗き込むと目を見開いた。
「これは・・・こんな、まるでミルフィーユみたいな・・・毛まで絡んで・・・」
ミルフィーユ型。乾燥した耳垢の亜種の耳垢だ。何層にも重なることで、形作られたその塊は崩れやすく、重なり方によっては他の耳垢の除去にも悪影響を与える難敵になる耳。
だが、伊織も精密動作がウリの耳かき使い。冷静さを保てれば大きな影響は受けずにそのまま勝つことができるはずだ。
「耳の中を実況されるのは少し恥ずかしい。」
「あ、すみません。でも、これは・・・そうですね。なんにせよ、まずはこの大きなのをとってから、耳毛や干渉してるほかの耳垢も取っていきます。竹を入れますよ。」
「わかった。」
伊織は一呼吸置いて竹耳かきを手に取り、そのまま耳に沈める。
「んんっ!」
「くっ」
軽く耳垢にふれただけでも反応する薫の動きとその吐息に伊織も連動するように軽い硬直をする。
異性のその声は普通に男子には毒ではあるが、それでも薫が痛がる様子はない。
動きを乱されて尚、痛みをあたえるような動きにはならないのは伊織の丁寧な動きを証明している。
「結構やるわね。ムカつく。」
「1年生なんでしょう?男子も凄いんじゃないんですか?」
由芽は苛立ちはじめ、灯は面白そうに眺めている。
「でも、薫の耳はこれから。男子南下に高得点が取れるならとってみなさいって所ね。」
灯に応えるように由芽はそういうと再び感じの悪い笑顔を浮かべた。
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