異世界の魔法学校でカミ使いになりました

小月

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プロローグ

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一つ折り、二つ折り。
一つ折っては願いを込めて。
二つ折っては祈りを込めて。

「おばあちゃんはキレイに折るねぇ」

丁寧な手つきで折り紙を折る。ずれもなく、ピシッと形が作られてゆく。
手のひらに乗るのは真っ白な折り鶴で。
出来上がるとおばあちゃんが笑いながら折ったモノをくれた。

「紙にはね、神様がいらっしゃるからね」
「紙の神様?」
「そう。想いを紙に込めて折るとね、神様が叶えてくれるのよ」
「おばあちゃんは何をお願いしたの?」
「そうねぇ、お願いごとはたくさんあるけれど、一番はやっぱりーー」


千世が幸せになりますように。



高校の入学式の少し前に、私の幸せを願っていた祖母は他界した。
病院のベッドで折っていたあの折り鶴は今も机の上に飾ってある。

両親は物心ついた頃には事故で亡くしており、親代わりに育ててくれた祖母も病死して、一人ぼっちになってしまった。

一人暮らしは寂しかったけど、なるべく前を向いて過ごすようにしてた。
大きくなって、また新しく家族を作って、おばあちゃんが願ったように、いつか幸せにーー


そしてその夏、私はトラックに轢かれた。


(…………ん? 轢かれた?)


え、轢かれた?
トラックなんて大物に轢かれたら助からないんじゃないの??

と言うか、大怪我して痛くてこんな悠長に考えられないのでは……?
あれ、もしかして私いま走馬灯とか見てたりする?

(私、死んじゃったの?)

驚いて目を開けると、トラックの姿はなく。
見覚えのない薄暗い路地に居た。

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