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真実 側妃イヴァンナ⑦
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「死人を甦えらせた?」
「ああ、そうだ。イーニアの母イリスと陛下の第二側妃アイリス。2人は双子の姉妹と言う事になっている。表向きはな…」
「表向き…? では真実は違う…と?」
「いや、2人が双子だったのは事実だ。だがな、陛下の第二側妃アイリス。可笑しな事にこのアイリスと言う女性、調べてみると幼少期に流行病を拗らせて既に亡くなっていたよ」
「……え?」
私は目を見張った。だったら…。
「そうだ。今お前が考えた通り、だったら第二側妃アイリスとは一体誰だと言う事になる。だからアイリス本人に直接聞きに行ったらしい。そしたら情勢が変わったからだろうな。彼女は漸く自分の身に何があったのか話してくれたそうだ」
彼は私の考えをまるで読み取ったかの様にそう語った。
情勢が変わった…。それは恐らく、王家よりも強い発言力と権力を持ちこの国を牛耳っていた、義父シルベールの失脚を意味するのだろう。
恐らくアイリス様にとって、今まで恐れていたものが無くなった。そう言う事だ。
「それで…? アイリス様はお認めになったと言う訳ですね。彼女こそがイーニア伯母様の母、イリスだと」
「流石に妃教育を受けてきただけの事はある。読みが早いな。その通りだ。当時ロレット家は当主の投資の失敗で借金が嵩み、没落寸前だったそうだよ。借金の形に夫に金で売られた。彼女はそう話してくれたそうだ。勿論、国王の妃として王家に嫁ぐのだ。貴族家とはいえ困窮し、明日の食事にさえ困る様な、名ばかりの伯爵夫人でいるより余程名誉な事だ。それに何よりロレット家を困窮から救う事が出来る。それは即ち、イーニアを救う事にもなる。そう説得されて、彼女は婚姻暦のあるイリスではなく、アイリスになり変わり、死人になる道を選んだ」
その後、約束通り多額の金が王家よりロレット家に支払われ、そのお陰でロレット家は持ち直した。彼女は側妃として2年の役割を果たし、後に今の夫であるロレットとは別の伯爵家に下賜された。
前夫であるロレット伯爵が早々に、私の祖母バネットと再婚していたからだ。
それでもイリスは、ロレット伯爵がイーニアを大切に育ててくれていると信じていた。
だって自分が王家に嫁いだ事でロレット伯爵家は立ち直った。それにイーニアは伯爵にとっても血を分けた娘だ。
だが、その考えが甘かった事にもっと早くに気付くべきだった。アイリスはそう語った。
ロレットは死んだはずの母親が娘に会う事を拒んだ。彼女には既に別に母と呼ぶ存在がいるのだと…そうロレットに言われれば、彼女にはどうする事も出来なかった。
イーニアの事は勿論気になっていた。
でも、時を重ねる内に、彼女にもイーニアの他に大切なものが出来た。夫や夫との間に出来た子供達だ。
それから何年か経って、本来なら貴族学園に入学しているはずのイーニアが、学園には通っていない事を知った。
この国では、貴族学園に通わなければ貴族としての生きる道を閉ざされてしまう。
流石に可笑しいと思い、人を使ってロレット家について調べた。
その結果、イーニアは家族に寄って虐げられ、暴力まで受けている事を知った。
彼女はロレットに抗議した。自分がこの伯爵家を救ったのだ。それなのに何故、自分の産んだ子に対して、こんな非道な行いが出来るのかと。
そんな彼女をロレットは嘲笑ったそうだ。
ならば真実を明らかにすれば良い。そんな事をすればお前は全てを失う。いや、この件には王家が関わっているのだ。下手をすれば、隠蔽のため、お前の婚家にすら、危害が及ぶかも知れないがな。明らかな脅しだった。
だがロレットが言う様に、この件に王家と筆頭公爵家が絡んでいるのは本当の事だ。彼女は口を噤むしか道は無かった。
「だがな、彼女はそれでも母親としてイーニアを守ろうとしたんだ。2年の婚姻生活でエラルド陛下の人となりを知っていたアイリスは、意を決して事の顛末を彼に訴え出た。陛下はそれに心を痛められ、内密にではあるがロレットに注意を与えたらしい。するとロレットは今度は厄介払いとばかりに、イーニアをカイザードに金で売った」
「売った?」
「ああ。金額を提示し、その金を用意すればイーニアをくれてやる。そうカイザードに言ったそうだ」
その後カイザードさんは必死に働き、そのお金を用意した。そして晴れて伯母と一緒になれたそうだ。
「それでも彼はイーニアを金で買った事に後ろ暗い思いを抱えていたそうだ。だがそんな彼にイーニアは言った」
『お母様は私がまだ小さい頃に亡くなってね。私、母と過ごした記憶がないの。だから、生まれてきてから今が1番幸せよ』
「だが、幸せは長く続かなかった。陛下がイーニアの存在を気に掛けている事を知ったシルベールは、彼女を利用しようと考えた。彼はロレットを巻き込み、イーニアを攫うと、陛下の元へと連れて行った。カイザードを人質に取られていた彼女は彼らに逆らう事が出来なかったんだ。
だから、恐らくエラルド陛下がイーニアを手元に置いたのは、自分のせいで不幸にしてしまった彼女に罪悪感を感じての事だったのだろう。陛下はまんまとシルベールの口車に乗り、借金の形に彼女が娼館に売られると信じ込んでいたんだ。何せロレットは、一度は金の為に妻を売った男だ。だから彼女を救おうとされたんだ。それがシルベールのついた真っ赤な嘘だったなんて疑いもせずに…」
そうだったんだ…。
カイザードさんと伯母様を引き裂いたのは、伯母様を救おうとした人達の善意と、それを利用して私腹を肥そうとした者達の悪意だった。
「話を聞いてカイザードさんは何と仰ったのですか?」
訊ねた私に彼は鎮痛な面持ちを浮かべた。
「イーニアの最期は、エラルド陛下とジュリアスに看取られた穏やかなものだったそうだ。それを聞いたアイツは良かったって笑顔を浮かべたよ。少なくとも彼女は悪意の中で死んで行った訳では無かった。それが救いだと…。そう言って泣いていた…」
カイザードさんの気持ちを考えると、私まで涙が出た。シルベールに唆され、彼の意のままに動いていた私なんかに、そんな資格はないと言うのに…。
私は溢れた涙を手で拭う。カイザードさんのハンカチは使いたくなかった。
そんな私を見て、目の前の彼は言った。
「カイザードは言ったよ。お前もまた、その出自を利用され、巻き込まれたある意味被害者でもあると。だがな、身内を殺された俺や、シルヴィア様、そして、この件を調べ上げた者からすれば、お前のした事は絶対に許す事は出来ない。俺達はカイザードとは違う! お前に掛ける温情なんてものは俺たちには微塵も無いんだよ!」
彼の言葉からは、怒りを通り越した深い悲しみが感じられた。
そうだ。どれだけ私が悔やんだとしても、1度失われた命は2度とは戻らない。
彼らの悲しみも癒える事など無いんだ。
「この件を調べ上げた者?」
私は彼に問いかけた。恐らく私はその人にも深い恨みをかっているのだ。
少し考えれば分かった事だ。今、この国は周辺国によって物流を止められ疲弊している。
そんな中でこれだけの重大な内容を、貴族であるアイリス様が、異国人である彼に話したとはとても思えない。
「その人物は、お前がさっき、殺めた事さえ忘れていたアルテーシア付きの侍女の恋人だった男だ。彼女の名はエリスと言う。お前にとっては取るに足りぬ者だったかも知れない。だがな、彼女にもまた、愛する人も、彼女を愛していた人もいたんだよ。彼の名はアルドベリク・スティングライト。そうだ! この国の宰相だ。そしてな、もう1つ教えてやるよ! エリスはな。血を分けた俺の妹だ!」
「……そんな…」
『お前が謝罪しなければならない相手はアルテーシアだけか?』
『誰かの命が失われればその裏には必ず、嘆き、悲しむ者達がいるんだ。例えそれがお前にとっては取るに足りないと、考える事さえしなかった者達だとしてもな!』
私は彼が放ったこの言葉の本当の意味が漸く分かった気がして、愕然とした。
「ああ、そうだ。イーニアの母イリスと陛下の第二側妃アイリス。2人は双子の姉妹と言う事になっている。表向きはな…」
「表向き…? では真実は違う…と?」
「いや、2人が双子だったのは事実だ。だがな、陛下の第二側妃アイリス。可笑しな事にこのアイリスと言う女性、調べてみると幼少期に流行病を拗らせて既に亡くなっていたよ」
「……え?」
私は目を見張った。だったら…。
「そうだ。今お前が考えた通り、だったら第二側妃アイリスとは一体誰だと言う事になる。だからアイリス本人に直接聞きに行ったらしい。そしたら情勢が変わったからだろうな。彼女は漸く自分の身に何があったのか話してくれたそうだ」
彼は私の考えをまるで読み取ったかの様にそう語った。
情勢が変わった…。それは恐らく、王家よりも強い発言力と権力を持ちこの国を牛耳っていた、義父シルベールの失脚を意味するのだろう。
恐らくアイリス様にとって、今まで恐れていたものが無くなった。そう言う事だ。
「それで…? アイリス様はお認めになったと言う訳ですね。彼女こそがイーニア伯母様の母、イリスだと」
「流石に妃教育を受けてきただけの事はある。読みが早いな。その通りだ。当時ロレット家は当主の投資の失敗で借金が嵩み、没落寸前だったそうだよ。借金の形に夫に金で売られた。彼女はそう話してくれたそうだ。勿論、国王の妃として王家に嫁ぐのだ。貴族家とはいえ困窮し、明日の食事にさえ困る様な、名ばかりの伯爵夫人でいるより余程名誉な事だ。それに何よりロレット家を困窮から救う事が出来る。それは即ち、イーニアを救う事にもなる。そう説得されて、彼女は婚姻暦のあるイリスではなく、アイリスになり変わり、死人になる道を選んだ」
その後、約束通り多額の金が王家よりロレット家に支払われ、そのお陰でロレット家は持ち直した。彼女は側妃として2年の役割を果たし、後に今の夫であるロレットとは別の伯爵家に下賜された。
前夫であるロレット伯爵が早々に、私の祖母バネットと再婚していたからだ。
それでもイリスは、ロレット伯爵がイーニアを大切に育ててくれていると信じていた。
だって自分が王家に嫁いだ事でロレット伯爵家は立ち直った。それにイーニアは伯爵にとっても血を分けた娘だ。
だが、その考えが甘かった事にもっと早くに気付くべきだった。アイリスはそう語った。
ロレットは死んだはずの母親が娘に会う事を拒んだ。彼女には既に別に母と呼ぶ存在がいるのだと…そうロレットに言われれば、彼女にはどうする事も出来なかった。
イーニアの事は勿論気になっていた。
でも、時を重ねる内に、彼女にもイーニアの他に大切なものが出来た。夫や夫との間に出来た子供達だ。
それから何年か経って、本来なら貴族学園に入学しているはずのイーニアが、学園には通っていない事を知った。
この国では、貴族学園に通わなければ貴族としての生きる道を閉ざされてしまう。
流石に可笑しいと思い、人を使ってロレット家について調べた。
その結果、イーニアは家族に寄って虐げられ、暴力まで受けている事を知った。
彼女はロレットに抗議した。自分がこの伯爵家を救ったのだ。それなのに何故、自分の産んだ子に対して、こんな非道な行いが出来るのかと。
そんな彼女をロレットは嘲笑ったそうだ。
ならば真実を明らかにすれば良い。そんな事をすればお前は全てを失う。いや、この件には王家が関わっているのだ。下手をすれば、隠蔽のため、お前の婚家にすら、危害が及ぶかも知れないがな。明らかな脅しだった。
だがロレットが言う様に、この件に王家と筆頭公爵家が絡んでいるのは本当の事だ。彼女は口を噤むしか道は無かった。
「だがな、彼女はそれでも母親としてイーニアを守ろうとしたんだ。2年の婚姻生活でエラルド陛下の人となりを知っていたアイリスは、意を決して事の顛末を彼に訴え出た。陛下はそれに心を痛められ、内密にではあるがロレットに注意を与えたらしい。するとロレットは今度は厄介払いとばかりに、イーニアをカイザードに金で売った」
「売った?」
「ああ。金額を提示し、その金を用意すればイーニアをくれてやる。そうカイザードに言ったそうだ」
その後カイザードさんは必死に働き、そのお金を用意した。そして晴れて伯母と一緒になれたそうだ。
「それでも彼はイーニアを金で買った事に後ろ暗い思いを抱えていたそうだ。だがそんな彼にイーニアは言った」
『お母様は私がまだ小さい頃に亡くなってね。私、母と過ごした記憶がないの。だから、生まれてきてから今が1番幸せよ』
「だが、幸せは長く続かなかった。陛下がイーニアの存在を気に掛けている事を知ったシルベールは、彼女を利用しようと考えた。彼はロレットを巻き込み、イーニアを攫うと、陛下の元へと連れて行った。カイザードを人質に取られていた彼女は彼らに逆らう事が出来なかったんだ。
だから、恐らくエラルド陛下がイーニアを手元に置いたのは、自分のせいで不幸にしてしまった彼女に罪悪感を感じての事だったのだろう。陛下はまんまとシルベールの口車に乗り、借金の形に彼女が娼館に売られると信じ込んでいたんだ。何せロレットは、一度は金の為に妻を売った男だ。だから彼女を救おうとされたんだ。それがシルベールのついた真っ赤な嘘だったなんて疑いもせずに…」
そうだったんだ…。
カイザードさんと伯母様を引き裂いたのは、伯母様を救おうとした人達の善意と、それを利用して私腹を肥そうとした者達の悪意だった。
「話を聞いてカイザードさんは何と仰ったのですか?」
訊ねた私に彼は鎮痛な面持ちを浮かべた。
「イーニアの最期は、エラルド陛下とジュリアスに看取られた穏やかなものだったそうだ。それを聞いたアイツは良かったって笑顔を浮かべたよ。少なくとも彼女は悪意の中で死んで行った訳では無かった。それが救いだと…。そう言って泣いていた…」
カイザードさんの気持ちを考えると、私まで涙が出た。シルベールに唆され、彼の意のままに動いていた私なんかに、そんな資格はないと言うのに…。
私は溢れた涙を手で拭う。カイザードさんのハンカチは使いたくなかった。
そんな私を見て、目の前の彼は言った。
「カイザードは言ったよ。お前もまた、その出自を利用され、巻き込まれたある意味被害者でもあると。だがな、身内を殺された俺や、シルヴィア様、そして、この件を調べ上げた者からすれば、お前のした事は絶対に許す事は出来ない。俺達はカイザードとは違う! お前に掛ける温情なんてものは俺たちには微塵も無いんだよ!」
彼の言葉からは、怒りを通り越した深い悲しみが感じられた。
そうだ。どれだけ私が悔やんだとしても、1度失われた命は2度とは戻らない。
彼らの悲しみも癒える事など無いんだ。
「この件を調べ上げた者?」
私は彼に問いかけた。恐らく私はその人にも深い恨みをかっているのだ。
少し考えれば分かった事だ。今、この国は周辺国によって物流を止められ疲弊している。
そんな中でこれだけの重大な内容を、貴族であるアイリス様が、異国人である彼に話したとはとても思えない。
「その人物は、お前がさっき、殺めた事さえ忘れていたアルテーシア付きの侍女の恋人だった男だ。彼女の名はエリスと言う。お前にとっては取るに足りぬ者だったかも知れない。だがな、彼女にもまた、愛する人も、彼女を愛していた人もいたんだよ。彼の名はアルドベリク・スティングライト。そうだ! この国の宰相だ。そしてな、もう1つ教えてやるよ! エリスはな。血を分けた俺の妹だ!」
「……そんな…」
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『誰かの命が失われればその裏には必ず、嘆き、悲しむ者達がいるんだ。例えそれがお前にとっては取るに足りないと、考える事さえしなかった者達だとしてもな!』
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