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【特別編】〜宝物〜 2
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「なんかこうしてると思い出すな⋯⋯心春との出会いを」
「そんな昔のことよく覚えてるね」
「当たり前だろ。心春との思い出は全部忘れない。これからの思い出も全部忘れないよ」
高校の時、気づけば姿を追っていた彼女に俺は想いを告げる勇気がなかった。
今思えばあの時カフェで再会できなかったら今頃どうなっていたんだろうと怖くなる。
困っていた心春を利用する形で結婚することになってしまったため、俺は俺にできる最大限の愛を注ごうと思っていた。
それを受け取ってくれた心春もまた俺と同じように愛を返してくれて本当の夫婦になれたんだ。
「伊織くんは随分変わったね」
「そうか?」
「高校の時に言われていた無口で無愛想な伊織くんはどこに行ったの?」
「会社ではまだ健在だよ。今日も専務はイケメンなのに無愛想だって部下が言ってるって翔から聞いたばかりだ」
「伊織くんのデレも可愛いとこも何もかも私しか見れないんだもんね~幸せだなぁ」
そう笑いながら心春はカップに口をつけて温かいココアを口に運んだ。
そんなふうに笑う心春が誰より可愛い。
今も昔も変わらない天使みたいな可愛い笑顔を浮かべてくれる心春を見つめておでこにちゅっと口付けを落とした。
俺のこの想いは心春に伝わっているだろうか。
「遥の世話もいつもありがとうな」
「ううん伊織くんこそ、いつもありがとうね」
俺の方に身体を預け甘えてくるように身を寄せる心春に思わず笑みがこぼれる。
いつまでもこんな可愛い妻を迎えられて俺はなんて幸せなんだろうか。
今後、俺は東雲ホールディングスを継ぐことになるだろう。
社長となった時、今よりも大変になる生活も心春となら一緒に頑張っていけるはずだ。
それに俺には遥もいる。
守る家族がいる俺はどんなことだって乗り越えられる気がした。
「心春と遥を幸せにするのが俺の役目だから。これからも頑張るよ」
「⋯⋯⋯そこに、1人、加えて欲しいな、なんて」
「ん?どういうことだ?」
心春は微笑みながら時に緊張したように視線を逸らしながらそっと自分のお腹に手を当てた。
その姿を見た俺の中に1つの考えが思い浮かぶ。
(そういえばいつもコーヒー飲むのに今日はココアがいいって⋯⋯)
「え、心春まさか⋯⋯」
「うん。伊織くんとの赤ちゃんがもう1人、来てくれました」
「ほんと、なのか⋯⋯⋯」
「うん、ほんとだよ。エコー写真ももらってきたんだ」
立ち上がった心春はカバンの中から1枚の写真を取りだし俺に差し出す。
そこには本当に小さな命の姿が写っておりジワジワと目元に涙が滲んできた。
写真を見つめる俺の足にそっと心春は手を置き、俺の肩にコテンと頭を置く。
そんな心春の身体を俺は片手でギュッと抱き寄せた。
「可愛いよね私たちの赤ちゃん」
「心春⋯⋯俺、すごい幸せだ。ありがとう」
思わず心春の身体をギュッと両手で抱きしめた。
彼女の身体には既に俺との新しい命が宿っておりますます愛おしさが溢れて止まらない。
「心春。身体を冷やしちゃダメだぞ。これからは家事も俺ができるだけやるから無理するな」
「伊織くん仕事してるじゃん。できることは私がするし、全然元気だから、そんな心配しないでよ」
「心配するのは当たり前だろ。心春はもう1人の身体じゃないんだから、極力安静に」
「心配しすぎです。伊織くん過保護すぎるよ」
1人目が来てくれた時よりも、妊婦生活や出産を共に経験したとはいえ何が起こるか分からない。
妊娠は奇跡だし無事に生まれることも全て奇跡なんだ。
何よりも心春と産まれてくる赤ちゃんの無事が大切なんだからそりゃ過保護にもなるだろう。
そういえば1人目の時も心春に過保護すぎて大変だったと言われたことがあった。
「次の検診の時は俺も一緒に行く。というか今後の検診はできるだけ一緒に行くから教えてくれ」
「仕事優先でいいからね?無理しないで」
「俺たちの赤ちゃんに会いに行けるんだぞ。仕事よりこっちの方が大事だろう」
仕事なんて後からどれだけでも挽回できる。
だけど赤ちゃんと会う時間というのは限られており、その時間を俺も妻である心春と共有したい。
「心春。今日の夜ご飯は俺が作るから」
「ええ!いいよ私も作れるよ」
「だめだ。俺がやる。心春は俺に甘やかされてればいいよ」
「甘やかされすぎて妊婦生活中に太っちゃうよ」
「太ったってどんな心春だって好きだよ。俺にこれからもどろどろに甘やかされて」
これから俺たちに家族が増える。
俺の幸せはこれからも心春と共に増えていくんだ。
遥と心春と産まれてくる赤ちゃんと4人を俺は守っていく。
「楽しみだな。早く会いたいな俺たちの赤ちゃんに」
「うん、そうだね。待ち遠しいね」
ふわっと微笑む心春の唇に触れるだけのキスを落とした。
未だに恥ずかしそうに顔を赤くさせる妻が愛おしい。
最愛の妻と共に俺はこれからも生きていくんだ───。
「そんな昔のことよく覚えてるね」
「当たり前だろ。心春との思い出は全部忘れない。これからの思い出も全部忘れないよ」
高校の時、気づけば姿を追っていた彼女に俺は想いを告げる勇気がなかった。
今思えばあの時カフェで再会できなかったら今頃どうなっていたんだろうと怖くなる。
困っていた心春を利用する形で結婚することになってしまったため、俺は俺にできる最大限の愛を注ごうと思っていた。
それを受け取ってくれた心春もまた俺と同じように愛を返してくれて本当の夫婦になれたんだ。
「伊織くんは随分変わったね」
「そうか?」
「高校の時に言われていた無口で無愛想な伊織くんはどこに行ったの?」
「会社ではまだ健在だよ。今日も専務はイケメンなのに無愛想だって部下が言ってるって翔から聞いたばかりだ」
「伊織くんのデレも可愛いとこも何もかも私しか見れないんだもんね~幸せだなぁ」
そう笑いながら心春はカップに口をつけて温かいココアを口に運んだ。
そんなふうに笑う心春が誰より可愛い。
今も昔も変わらない天使みたいな可愛い笑顔を浮かべてくれる心春を見つめておでこにちゅっと口付けを落とした。
俺のこの想いは心春に伝わっているだろうか。
「遥の世話もいつもありがとうな」
「ううん伊織くんこそ、いつもありがとうね」
俺の方に身体を預け甘えてくるように身を寄せる心春に思わず笑みがこぼれる。
いつまでもこんな可愛い妻を迎えられて俺はなんて幸せなんだろうか。
今後、俺は東雲ホールディングスを継ぐことになるだろう。
社長となった時、今よりも大変になる生活も心春となら一緒に頑張っていけるはずだ。
それに俺には遥もいる。
守る家族がいる俺はどんなことだって乗り越えられる気がした。
「心春と遥を幸せにするのが俺の役目だから。これからも頑張るよ」
「⋯⋯⋯そこに、1人、加えて欲しいな、なんて」
「ん?どういうことだ?」
心春は微笑みながら時に緊張したように視線を逸らしながらそっと自分のお腹に手を当てた。
その姿を見た俺の中に1つの考えが思い浮かぶ。
(そういえばいつもコーヒー飲むのに今日はココアがいいって⋯⋯)
「え、心春まさか⋯⋯」
「うん。伊織くんとの赤ちゃんがもう1人、来てくれました」
「ほんと、なのか⋯⋯⋯」
「うん、ほんとだよ。エコー写真ももらってきたんだ」
立ち上がった心春はカバンの中から1枚の写真を取りだし俺に差し出す。
そこには本当に小さな命の姿が写っておりジワジワと目元に涙が滲んできた。
写真を見つめる俺の足にそっと心春は手を置き、俺の肩にコテンと頭を置く。
そんな心春の身体を俺は片手でギュッと抱き寄せた。
「可愛いよね私たちの赤ちゃん」
「心春⋯⋯俺、すごい幸せだ。ありがとう」
思わず心春の身体をギュッと両手で抱きしめた。
彼女の身体には既に俺との新しい命が宿っておりますます愛おしさが溢れて止まらない。
「心春。身体を冷やしちゃダメだぞ。これからは家事も俺ができるだけやるから無理するな」
「伊織くん仕事してるじゃん。できることは私がするし、全然元気だから、そんな心配しないでよ」
「心配するのは当たり前だろ。心春はもう1人の身体じゃないんだから、極力安静に」
「心配しすぎです。伊織くん過保護すぎるよ」
1人目が来てくれた時よりも、妊婦生活や出産を共に経験したとはいえ何が起こるか分からない。
妊娠は奇跡だし無事に生まれることも全て奇跡なんだ。
何よりも心春と産まれてくる赤ちゃんの無事が大切なんだからそりゃ過保護にもなるだろう。
そういえば1人目の時も心春に過保護すぎて大変だったと言われたことがあった。
「次の検診の時は俺も一緒に行く。というか今後の検診はできるだけ一緒に行くから教えてくれ」
「仕事優先でいいからね?無理しないで」
「俺たちの赤ちゃんに会いに行けるんだぞ。仕事よりこっちの方が大事だろう」
仕事なんて後からどれだけでも挽回できる。
だけど赤ちゃんと会う時間というのは限られており、その時間を俺も妻である心春と共有したい。
「心春。今日の夜ご飯は俺が作るから」
「ええ!いいよ私も作れるよ」
「だめだ。俺がやる。心春は俺に甘やかされてればいいよ」
「甘やかされすぎて妊婦生活中に太っちゃうよ」
「太ったってどんな心春だって好きだよ。俺にこれからもどろどろに甘やかされて」
これから俺たちに家族が増える。
俺の幸せはこれからも心春と共に増えていくんだ。
遥と心春と産まれてくる赤ちゃんと4人を俺は守っていく。
「楽しみだな。早く会いたいな俺たちの赤ちゃんに」
「うん、そうだね。待ち遠しいね」
ふわっと微笑む心春の唇に触れるだけのキスを落とした。
未だに恥ずかしそうに顔を赤くさせる妻が愛おしい。
最愛の妻と共に俺はこれからも生きていくんだ───。
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