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もし許されるなら(4)
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私の話を聞き終えた理玖くんはテーブルに置いた私の手にそっと自分の手を重ねてくれた。
その手は肌を撫で恋人繋ぎのように指が絡められる。
ドキドキと心臓が高鳴り、私たちの周りが甘ったるい空気に包まれた。
恥ずかしいしドキドキするのに嫌じゃなくて、ずっとこのままでいたいとさえ思える。
「理玖くん。私から振ったのにずっと好きでいてくれてありがとう。もし許されるなら⋯⋯私をもう1度───」
「陽葵ちゃん。もう1度俺に愛される覚悟はできた?」
「⋯⋯うん」
私の言葉を遮って理玖くんは空いていた片方の手で私の頬にそっと触れる。
個室風の席のため私たちの姿は他の人には見えない。
「なら俺から言わせて。陽葵ちゃん。もう1度俺の彼女になってくれませんか?」
「⋯⋯はい、喜んで。もう1度理玖くんの彼女になりたいです」
「今度は絶対離さないよ。離れてって言っても離さない」
「うん⋯離さないで」
「俺、すげー陽葵ちゃんを溺愛するよ?めちゃくちゃ甘やかすし、どろどろに蕩けさせるし、俺なしじゃ生きられないようにするよ?」
「すごい⋯ヘビーな想い、だね」
理玖くんが私を想い続けてくれたから今こうして私は彼の元に戻ってこられた。
もう2度とこの手を離さないように、ずっと彼の隣にいたい。
もう少しこれからは素直になってみようかとも思う。
大学の頃の私はわがままを言わないようにあえてしていた。
重たいと思われたくなかったし、年上の理玖くんにめんどくさいとも思われたくなかった、私なりの背伸びだったんだ。
でももうそんな背伸びも必要ない。
ありのままの私を理玖くんはきっと愛してくれる。
それが話してちゃんと伝わったから。
「陽葵ちゃん⋯⋯この後、俺の部屋来ない?」
「えと、それは⋯⋯」
「うん。誘ってる陽葵ちゃんのこと」
「すごいハッキリ言うじゃん」
「もう我慢しなくていいから全力で陽葵ちゃんを沼らせます」
バクバクと心臓が暴れだし口から飛び出そうなくらいドキドキしている。
繋いだ手から理玖くんの体温が伝わってきて、この先のことを想像させ子宮がキュンと疼くのが分かった。
理玖くんから漂うオーラが甘くて色っぽくて穏やかな空気を纏いつつも、私を逃さないと言わんばかりにその瞳の奥には獣を飼っているようだ。
私だって大人だし、部屋に行けばどんな事が待っているかそれくらい分かる。
だけど今の私にはもう隔てる壁なんかなく、理玖くんを好きだという気持ちに嘘はない。
その気持ちに身を任せてみようと思う。
私は理玖くんを真っ直ぐ見つめて静かにうなづいた───。
その手は肌を撫で恋人繋ぎのように指が絡められる。
ドキドキと心臓が高鳴り、私たちの周りが甘ったるい空気に包まれた。
恥ずかしいしドキドキするのに嫌じゃなくて、ずっとこのままでいたいとさえ思える。
「理玖くん。私から振ったのにずっと好きでいてくれてありがとう。もし許されるなら⋯⋯私をもう1度───」
「陽葵ちゃん。もう1度俺に愛される覚悟はできた?」
「⋯⋯うん」
私の言葉を遮って理玖くんは空いていた片方の手で私の頬にそっと触れる。
個室風の席のため私たちの姿は他の人には見えない。
「なら俺から言わせて。陽葵ちゃん。もう1度俺の彼女になってくれませんか?」
「⋯⋯はい、喜んで。もう1度理玖くんの彼女になりたいです」
「今度は絶対離さないよ。離れてって言っても離さない」
「うん⋯離さないで」
「俺、すげー陽葵ちゃんを溺愛するよ?めちゃくちゃ甘やかすし、どろどろに蕩けさせるし、俺なしじゃ生きられないようにするよ?」
「すごい⋯ヘビーな想い、だね」
理玖くんが私を想い続けてくれたから今こうして私は彼の元に戻ってこられた。
もう2度とこの手を離さないように、ずっと彼の隣にいたい。
もう少しこれからは素直になってみようかとも思う。
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重たいと思われたくなかったし、年上の理玖くんにめんどくさいとも思われたくなかった、私なりの背伸びだったんだ。
でももうそんな背伸びも必要ない。
ありのままの私を理玖くんはきっと愛してくれる。
それが話してちゃんと伝わったから。
「陽葵ちゃん⋯⋯この後、俺の部屋来ない?」
「えと、それは⋯⋯」
「うん。誘ってる陽葵ちゃんのこと」
「すごいハッキリ言うじゃん」
「もう我慢しなくていいから全力で陽葵ちゃんを沼らせます」
バクバクと心臓が暴れだし口から飛び出そうなくらいドキドキしている。
繋いだ手から理玖くんの体温が伝わってきて、この先のことを想像させ子宮がキュンと疼くのが分かった。
理玖くんから漂うオーラが甘くて色っぽくて穏やかな空気を纏いつつも、私を逃さないと言わんばかりにその瞳の奥には獣を飼っているようだ。
私だって大人だし、部屋に行けばどんな事が待っているかそれくらい分かる。
だけど今の私にはもう隔てる壁なんかなく、理玖くんを好きだという気持ちに嘘はない。
その気持ちに身を任せてみようと思う。
私は理玖くんを真っ直ぐ見つめて静かにうなづいた───。
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