上 下
27 / 201
からあげ処『大和』?

からあげ処『大和』?3

しおりを挟む
 レベル2
 ステータス、力301、魔力40100、敏捷101、耐久301、器用60、運3。SP60880、MP105552。
 おお!!魔力と器用がかなり上がっている!!コイツ、魔力に限界ってものはないのか?器用は魔力を制御出来るようになったから上がったのか??ってか、SPとか溜まり過ぎじゃね?!
 「器用が上がったのは素直に嬉しいです。ヤマト様との特訓の成果が反映されたようで。」
 そう言い、自分のギルドカードを抱きしめ嬉しそうにするイリアを見て、ドキッと俺はしてしまった。
 「お、おう。特訓の成果が出て良かったな。と、ところで、イリア。SPとか凄く貯まってない?何も覚えないの?」
 イリアは、俺がドキッとしたのが分かったのか、クスッと笑った後、答える。
 「そうですね。SPやMPは、覚える事が無いので使えないのです。特にMPは、女王様が使う蘇生魔法以外は使えますので、新しい魔法を開発する以外は、使うことがありません。SPは、新しい職業に就けば、使う事があるかもしれませんね。例えば……私が料理人としての才能が開花するとか?」
 イリアは嬉しそうにそう答えた。
 やっぱり、普通にしていると、イリアは可愛くて綺麗だった。魔法を開発とか言っているけれど、魔法って開発出来るの?まだ、知らない事が多い。そう思った。
 「料理人として、才能が開花するといいな。イリア。で、今日はどんなクエスト受けるんだ?」
 「はい!ありがとうございます。私、頑張ります!!そうですね。とりあえず……。」
 そう言い、イリアはクエスト板に向かい、一枚の紙を取って来る。
 「コーエンの洞窟を攻略しましょう。エンジェルピッグの翼×3とビッグホーンの角×4の納品です。これならば、コーエンの洞窟の四階までで事足りますが。ついでですので、最下層、五階。そこまで攻略致しましょう。」
  「クエスト、了解だ!!」
 俺達はコーエンの洞窟へ向かった。

 初めての三階層。大ニワトリばかり狩っていたので二階層より下に降りた事はなかった。それでもやはり攻略されているダンジョンとあって、とても明るい。
 「ヤマト様は、もうとっくにこのダンジョンを余裕で攻略出来るレベルに達しております。それでも、油断だけはなさらぬようにして下さい。何が起こるか分からないのがダンジョンですので。」
 イリアはそう言い、俺の気持ちを引き締めさせる。
 そして、初めてエンジェルピッグとエンカウントした。
 ……はっきり言って可愛かった。クリクリおめめの、愛らしく可愛らしい顔の豚さんが、翼を生やして、空を飛んでいるのだ。エンジェルビッグは、メルヘンの世界の住人さんだった。
 「イリアさん。あの、豚さんは何時も食べてる豚さんかい??」
 「はい。私達が口にしているのは養殖ですが。気をつけて下さい。奴ら見た目は可愛らしいですが……。」
 イリアが何かを言い終わる前に、エンジェルピッグは仕掛けてくる。
 『ブブブブブヒー』
 大きく息を吸い込みむ。エンジェルピッグは丸くなり、ボールのように落ち、バウンドしながらこちらに転がってくる。
 それを俺達は避ける。
 「イリア、あれはどうやれば?」
 「打撃系のハンマーや杖にはめっぽう強いですが、剣などの刃系にはとても弱いので、刺してやって下さい。」
 風船みたいな物ね。
 「了解!」
 俺は飛び跳ね、転がり来るエンジェルピッグを剣で一刺しした。
 『ピッギュー!!』
 エンジェルピッグは可愛らしい声と共に破裂し絶命した。
 レベルも上がっているせいか、簡単に倒せる。
 「食材にするには?」
 「縦でも横からでも良いので、真っ二つに斬って下さい。そうすれば、エンジェルロースが剥ぎ穫れます。」
 「了解!!」
 俺は必中を使い、エンジェルピッグを次々と素早く、二つにしていった。刺して破裂した時とは違って、エンジェルビッグは消滅しなかった。
 「食材とドロップアイテム。大量にゲットです。ヤマト様!食材が消えてしまう時間は五時間なので時間はあります。次の階へ降りましょう。」
 不思議な物だ。どの部位を切り取っても、ロース肉になってしまう。しかも、同じ分量。
 大ニワトリはそのまま持って帰れたのに。
 店で買う時はヒレ肉なんかの部位もちゃんとあるのに、ダンジョンのエンジェルピッグからは取れない。
 内臓も無いし、骨もプラモとかの簡単な骨組み程度しかない。不気味を通り越して感動すらするよ。
 そんな事を思いながら、イリアの言葉に従って下の階へ降りた。

 四階層。
 コーエンの洞窟へ入って思った事。
 このダンジョンは初心者使用なんだな。そんなに入り組んでいないし、モンスターも一種類ずつしか出てこない。
 そして、目の前には大きな角を生やした牛。ビッグホーンが『ブルブル』といきり立っていた。
 「イリア。アイツの食材は?」
 「ビッグホーンサーロインです。牛系モンスターの弱点である眉間を突き刺して下さい。」
 眉間?すげぇー難しそうなんだけど……。
 多分だけど、奴は突進型のモンスター。闘牛士のようにひらりと交わし隙をみて一刺しするか……。
 そう考えていると、ビッグホーンは突進してくる。
 ちっ!考えている暇はない!!『必中』!!
 俺は突っ込んで来るビッグホーンの眉間を狙う。
 しかし!眉間からズレ、角に当たる。そして、剣は弾かれ、俺は突進を寸前の所で横に飛んでかわす。
 危なかった!
 そう思った瞬間!後ろにイリアが居るのを思い出した。
 ビッグホーンは勢いそのままで、イリアへ突っ込んで行く。
 「危ない!!」
 俺の声は洞窟内で響いた。
しおりを挟む
1 / 3

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!


処理中です...