揚げ物、お好きですか?リメイク版

ツ~

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本当の出会いは……

本当の出会いは……1

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 天高く、馬肥ゆる秋。
 「あっ、そうそう。ヤマトさん。『セイラム』
で、新種の作物が見つかった。って話聞きました?」
 季節はまさに、収穫期。秋、真っ盛り。
 何時ものエビの塩焼き。サラダなんかがテーブルに並ぶ酒場で、俺達はオープンカフェの副料理長、マーガレットと食事を楽しんでいた。
 そして、今、目の前に、最近流行りのポテトチップが並ぶ。正確には、サツマイモチップスだが。
 丁度、収穫期にあたり、今はサツマイモがメインになっている。もちろん、ちゃんと普通のもある。
 そう。この料理は、エリが店員になった頃。酒場の女マスター、アルベルダに頼まれて教えたレシピだ。まあ、スライスして揚げて塩を振るだけで、簡単なのだが、元の世界同様に人気になった。
 「ん?『セイラム』で?どんな作物なんだ?」
 『セイラム』とは、この国の南方の都市の事だ。なかなか大きな街らしいが、俺は当然のごとく、行った事はない。正確に言うと、この王都とダンジョンの往復だけだ。
 「ん~。薬草っぽい感じらしいんですけど、まだ詳しくは分かっていないみたいですよ。あっ!すいません!!店員さん!エラールテを一杯貰えますか?」
 マーガレットが注文をするとき、イリアは便乗するように注文をする。
 「私は、大ニワトリの塩焼きを……食べる方は他にいますか?」
 俺とララ、エリが軽く手を挙げる。
 「では……五人前。お願いします。」
 「そう言えば、イリア。あんた、セイラムの出身だよな。」
 エリは、イリアに言う。
 「はい。そうですね。あなたは、その隣り村『ラキム』でしたよね?」
 お。学校からの付き合いだと思ってたけど、もしかして、その前からの付き合いなのか?
 「ああ。そうだね。それより、あんた、何か聞いてないのかい?新しい作物なら、主様のためになるかもしれねぇ。」
 エリの言葉に、イリアは少し考える。
 「いえ。私は何も聞いていませんね。両親とは、しばらく連絡は取っていませんし……。友達と言える人は、故郷に帰らず王都に居ますからね。」
 「はい。エラールテ。お待たせしました。」
 丁度、話を割るように、店員さんが、マーガレットの頼んだエラールテをもってきた。
 『エラールテ』。簡単に言うと麦酒の事だ。慣れ親しんだ感じで言うと、ビール。当然のように冷えてはいない。
 この世界には、ちゃんと蒸留酒のウイスキーやブランデーもある。主に飲まれているのは、果実酒のワイン。果実酒はかなりの種類が有り、美味い。もちろんの事、ブランデーも美味い。のだ。
 ビールの話しに戻るが、実は、かなりの種類がある。確か『スタイル』と言ったか?
 発酵の種類や熱処理の有無、原料、色。大まかに分けれるのが発酵による種類分け。その代表的な物のと言えば、上面発酵で造られた『エール』。下面発酵で造られた『ラガー』。
 俺が日本で慣れ親しんで、冷やして飲んでいたのが、ラガービールの一種である。ピルスナーだ。
 ピルスナーは、冷やして飲むのに適していてる。元居た世界では、ヨーロッパなんかで常温で美味しいビールもあるらしいが、飲んだ事は無かった。
 この世界のビールは、ヨーロッパのそれに近いのだろうか?上面発酵のエールが主流だろうか?それとも、下面発酵のラガー?というより、冷やして美味しいビールには、まだ出会った事はない。エラールテの種類も結構あるのに。
 正直なところ、揚げ物屋をメインした飲食店を作っているのだから、揚げ物に合う、冷えていて、のどごしのいい、ビールやハイボールが欲しいところだ。
 「ぷは~!やっぱり、私はエラールテが一番好きだな~。果実酒もいいんだけど、やっぱり、エラールテだね~。店員さん!エラールテ、もう一杯!!」
 マーガレットは満足そうにエラールテでポテトチップを流し込んだ。
 その光景を見ながら、イリアは思い出したように。
 「何か、その作物が気になりますね。両親に手紙を出して聞いてみる事にします。」
 そう言い、イリアは果実酒を一口飲んだ。
 
 それから、2日後。
 家に一通の手紙が届いた。
 お!イリア宛てじゃないか。手紙を出すって言ってたけど、もうその返事が返って来たって事?
 ちなみに、家には今、四人が寝泊まりしている。
 当然の如く、エリが家に引っ越して来たからだ。
 荷物は衣類だけという、かなりシンプルな引っ越し。
 「必要な物は、元の家にそのままにしておきます。ですから……わたくしも主様と一緒に住まわして下さい。……わたくしだけ、仲間外れというのは、悲し過ぎます。」
 俺だけに見せる、特別な態度だろう。美女の上目遣いというのは『反則』だと、改めて思わされた。
 何時もなら、ターニャさんがエリも引っ越して来たのなら、イリアは益々用済みだろう?と言ってくるところなのだろうが、何故かターニャさんはニコニコと笑顔だった。少し不気味だと思った記憶がある。
 そんなこんなで、四人生活が始まったが、本当に窮屈すぎる。早く家が建たないか、待ち遠しくて仕方がない。生殺し状態が半端ないし、実年齢はおじさんなのだが、体は18くらいになっているのだから、欲求というのを抑えるのにも限界が来るってもんですよ。
 色々と悶々しながら、俺はイリアに手紙を渡した。
 「ありがとうございます。ヤマト様。最近の手紙は来るのが早いですね。」
 そう言い、イリアは手紙を開けて読み始めた。
 
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