揚げ物、お好きですか?リメイク版

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本当の出会いは……

本当の出会いは……2

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 その日の夕食時。
 「あの……一つ提案したいことがあるのですが、よろしいですか?」
 イリアが珍しく、躊躇したような物言いをする。
 何時もなら、「提案したいことがあります!」という具合に、ハッキリと言うのだが……。
 「なんだい?気持ち悪い言い方するね?なんかあったのかい?」
 どうやら、同じ違和感を感じたのだろう。エリが少し怪訝そうにイリアにたずねる。
 「あの……ですね。その……ですね。」
 なぜか、モジモジとして言葉を続けられないでいる。イリア。
 これをイリアを知らない者が見たのなら、可愛いと言うだろう。確かに可愛い。だが、イリアを知る者なら少し不気味だ!とか。違和感を感じるだろう。
 「……どうしたの?イリア。私達には……言いにくい事なの?」
 俺の思っている事とは違って、ララは心配したのだろう。イリアに優しく問い掛ける。
 ララも出会った時と比べて、表情が少し豊かになった気がする。
 「いえ……言いにくい。と言うのとは、少し違うのかも知れません……。」
  「なら、なんだってんだい?ハッキリしなよ。らしくない。」
 エリは、食べるのを止め、フォークをテーブルに置き、真剣な眼差しでイリアを見据える。
 それに観念したのか、イリアは目を閉じ、勢い任せに言葉を紡いだ。
 
 イリア宛ての手紙が届いた日から、丁度、一週間。
 夕食時、イリアが言い渋った事が現実になった。
 俺達は今、セイラムに来ている。正確には、街外れの少し田舎の地域。農耕地域と言うやつだろう。セイラム都市部に比べて、かなりのんびりしていた。
 あの日、イリアが言い出せずにいた言葉は「皆さんで、私の実家に来て下さい!」だった。
 本人としては、言葉を選びに選びまくったのだろうが、内容としては凄くシンプルだった。
 何をそんなに躊躇う事があったのだろう?遊びに来てくれ。的なものだろ?俺にはイリアが躊躇った意味が分からなかったが……なぜか、それを聞いた、ララやエリは、イリア同様にモジモジとし始めた。
 そして、今日までの一週間。どこかお互いに、よそよそしい?何か気を使いあっている?そのように思えた。
 まあ、俺としてはかなり居心地の悪い空間になっていた事は言うまでもなく、この行事が済めば、何時もの日常が戻ってくるだろう。そう思っている。
 
 セイラムまでの移動手段は、徒歩か馬車。ゲートと言う魔法があるから、交通手段というのは原始的だ。
 まあ、実際に元の世界でも、同じ魔法があるならそうなるだろう。
 しかし、今回は馬車移動。
 王都からは、馬車で八時間。そして、セイラム都市部から、また馬車で二時間。片道、約十時間。
 遠い。遠い。ゲートという魔法があるなら、使えば良いものを……なぜか、イリアは使おうとしなかった。それを、ララやエリは否定せず、今回、同行したターニャさんも馬車で移動する事を了承した。
 よく分からない、エルフの行動。
 これが旅の醍醐味と言えば、そうなるのだろうけど……十時間は長いですわ。
 馬車のクッションは良いわけではないし……。
 お尻や腰、背中なんか、痛い、痛い。
 便利な魔法があるのだから、使ってしまえば良いのに……。
 そうすれば、遊ぶ時間、観光する時間も増えるだろうに……。しかも、馬車での会話もぎこちないし。
 
 そして、馬車を降りて、少し歩くと、一際立派な家が見える。
 「あっ!あれが、私の実家です!!」
 イリアは久々の実家を見て、テンションが上がったのだろう。一週間ぶりの元気の良さだった。
 そして、イリアは駆け出す。
 玄関先には、俺達の到着を待っていてくれたのだろう。二つの人影が見えた。
 「お父ちゃん!お母ちゃん!!ただいま~~!!」
 イリアは少女に戻ったように、両親に飛びつき、抱き付いた。
 あれだ。何時もお父様とか言ってたけど、やっぱり、お父ちゃんなんじゃん。と思ったが言わなかった。
 少し遅れ、俺達もイリアのご両親の前に到着する。
 「はじめ……うぉ!」
 俺が挨拶をしようとした時、ララとエリ、ターニャさんがこぞって挨拶をする。
 「……ララノア・ニールベルです。本日は……お招き頂き……ありがとうございます。」
 「エリアス・クロムウェルです。イリアさんには、日頃から大変お世話になっております。本日は、お招き頂き、ありがとうございます!!」
 「お義父様。お義母様。お久しぶりでございます。本日は、お会い出来て、大変光栄ですわ。」
 な、なんなんだ?いったい??
 ん?それに、どういうこと?お父さんにお母さん、泣いてない?イリアに久し振りに会えたから、感動してるの??お父さんなんか、号泣になってますよ?
 それに、イリアまで涙目なんですけど??
 そう思い、ララ達を見ると三人とも涙目?!
 ど、どうなってんの?!
 俺がキョロキョロしていると、みんなの視線が俺へと集まる。
 あっ。俺だけ、挨拶してなかったね。
 「はじめまして。ヤマトです。イリアさんには、日頃、大変お世話になっています。数日間、よろしくお願いします。」
 俺はそう言い、頭を下げた。
 「……ん?君……もしかして、あの時の!!」
 お父さんが、涙目をこすりながら、俺を見て、かなり驚いている。
 「あらあらあら!!なんて素敵な事なんでしょう?!あの時の子が、こんなに立派になって!!」
 お母さんがそう言い、イリアのご両親は、俺に抱きついてきた。
 え?!ど、どういうこと?!
 「お父ちゃん、お母ちゃん、嬉しいのは分かるけど、ヤマト様から離れて下さい。私からの紹介も終わっていませんし。」
 んん!?イリアからの紹介??さっき、俺達は自己紹介したけど??
 「おお!すまん、すまん。そうだった。大事な事だったな。」
 「あらあらあら。いけないわね。私達ったら、すっかり舞い上がっちゃって。」
 そう言い、ご両親は俺から離れ、姿勢を正した。
 そして、イリアが一つ、咳払いをした後、一言。
 「お父ちゃん、お母ちゃん。これが、私の『家族』です!!」
 んん??家族??どういうこと?
 それを聞いて、俺以外が号泣し始め、俺は一人、現実から取り残されたような気分になった。
 
 
 
 
 
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