揚げ物、お好きですか?リメイク版

ツ~

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真実は胸の中(イリア回想)

真実は胸の中4

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 「すみませんてした!」
 私は、あのお店へ戻り、何とか覚えた言葉で、謝罪をした。
 「いえいえ、こうやってお金も払いに戻ってきてくれましたし。頭をお上げ下さい。」
 先ほどの超イケメンの人は、最初は少し驚いたような様子だったが、どうやら、私を許してくれるようだ。
 「すみませんてした!」
 私はこれしか言えない。そして、イケメンさんが何を言っているか、正確には分からない。
 まあ、雰囲気でそんな感じだろう。そう言っているに違いない。
 「ヤマト店長。からあげ定食、1、お願いします。」
 ん?さっき、ヤマトと聞こえたような気がするけど……気のせいかしら?
 「はい。おつりです。」
 イケメンさんは私の手を握り、ニホンの通貨を渡してくれた。
 ……あたたかい。何か懐かしいぬくもりだ。私は、このぬくもりを知っている?やはり、ヤマトなのだろうか?
 ……気になります。あ!そうだ!!観察したい。見ていれば、分かるかもしれない。
 ……そうだ!もう一度、ここの料理を食べよう。その間、観察していいはず。
 「すみませんてした!」
 「えぇ!?」
 イケメンさんはびっくりしたようだが、私はこの言葉しか知らない。
 私は、メニューを見て、指をさす。確か、これだったはず……。
 「あっ。はい!からあげ定食ですね。お待ち下さい。」
 ふぅ。どうやら、伝わったようだ。
 私は、料理を待ちながら、イケメンさんを観察する。
 ……ん~。ヤマトは、あんなにふくよかではなかったし、あんなに切れ長な目ではなかった。ただ、どこか面影があるような気もする。
 「はい。おまちどおさま。揚げ物処ヤマト特製からあげ。」
 あれ?さっき食べたやつとは違う。茶色が濃くって、丸っこい。私、違う物を注文してしまったのでしょうか?
 やってしまったようです。私。
 交換してもらえるのでしょうか?私は、あのエンジェルポークみたいなやつを食べたいのです。
 し、しかしです。な、何とも言えない良い香りですね……。
 香ばしい香りに、少し、酸味が混じっているのでしょうか?爽やかな匂い。なんと、食欲をそそるのでしょう。
 ま、まあ、間違ったものは仕方ありませんよね。これを食べますか。
 私は、一口、茶色で丸っこい物を口に入れた。
 な、なんでしょう!!このジューシーさは!!肉汁が口の中に溢れて来ます。こ、このお肉はいったい?!
 私は、噛み切った断面を見る。
 え!!これって、大ニワトリ?!そ、そんな、バカな!!パサパサ感が売りの、あの大ニワトリ?!いや、そんなはずはない。大ニワトリがこんなに美味しいはずが……そ、そうだ!コカトリスか何かの高級鳥のお肉でしょう。うん。そうだ!そうに違いない。
 で、でも、なんという美味しさなのでしょう。大ニワトリのお肉だとか、コカトリスのお肉だとか、どうでもよくなりますね。食べる事に集中したい。味わいたい。
 ああ、何なる、美味。……また、記憶が………遠のいてい……く。

 ………お……い。
 …………お~い。
 ん?何か声が聞こえますね。
 「お~い。イリアよ。しっかりするのじゃ。お~い。」
 は!じょ、女王様!!
 こ、ここは!?お、王宮!?
 「心配したぞよ。おぬし、ふらふらっと帰ってきて、そのまま何も言わずに立ち尽くしておるのじゃもん。妾、おぬしが呪いにでもかかったかと思って心配したぞよ。」
 え?どういうこと?私、あのお店で、何か食べた途中から記憶が……。
 ま、まさか!また食い逃げ?!
 ひっ、ひえ~~!!
 「ど、どうしたのじゃ?イリアよ。自分の頬をそのように両手で押し潰すようにしてからに。何かあったのか?」
 「あ、あの、ご、ご報告がございます。あ、あの……トンカツという物以外の物を私、食べました……。」
 「ほう!なんと言う食べ物じゃ!?」
 女王様は身を乗り出し、興奮気味に私へたずねる。
 「私も人間界の字が読める訳ではないので、何と書いてあるかは分かりませんでしたが……トンカツとはまた違った食感で、中のお肉は鳥類の物だと思われます。大ニワトリなのか……はたまた、高級食材のコカトリス……いえ、やはり、はっきりしません。鶏肉と言っていいとは思いますが……。とにかく、中のお肉がとてもジューシーで、下味もついているのかもしれません。それが、ご飯との相性もバッチリで……夢中になる美味しさでした………。」
 「ふぉふぉ~~!妾、その食べ物も気になる~のじゃ!!……ん?おや?そのように美味なる物を食したのに、イリア、おぬし、冴えぬ顔をしておるの……もしや……。」
 私の顔色を見て、女王様は何かを感じ取ったようだった。
 「はい……また、やってしまった。と思われます……。」
 「こん馬鹿者が!!」
 私は、女王様に初めて、こっぴどく怒られてしまった。
 そして、その日からニホンと言う国の言葉を覚え、『揚げ物処 大和』へと通う事になったのだった。
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