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ラックスター
ラックスター3
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イリア達は魔王とララから聞いたラックスターの最期に言葉を失っていた。
「なら、ラックスターの目的は……ヤマト様の身体を奪う事?奪って、復讐を果たす……事??」
イリアは懸念しいる言葉を口にして、絶望の淵に立たされた。
なぜ目覚めたのか、何が目的か分からない現状で、一番考えられる事が復讐を果たす事だったからだった。
「ま、魔王様……。ヤ、ヤマト様は……。」
泣き崩れるイリアを見ながら、魔王も深く考え込んで、言葉を口にする。
「それが目的だと決まった訳ではないと思う。それに、女王の事だ……ヤマト君に託したと考えた方がいいと思うんだ。何か考えがあっての事だと思うし……。」
「魔王様。魔王様が主様の心臓を新しくするって事は出来ないのか?!」
エリも魔王にすがるように言う。
「……エリちゃん。それは出来ないんだ。あの術を使える神は知っているけれど、ボクはこの世界に降りてきた時に、女王にその力を分け与えて使えないんだ。エルフで使えるのは女王だけなんだ。」
「そ、そんな……。」
エリも力無くうなだれた。
「それなら……もう一度、もう一度!女王様に頼めば!!」
ターニャも魔王に食い下がる。
「……ターニャちゃん。ターニャちゃんも分かっているだろ?あの魔法は、そんなに容易く使えるものじゃないんだよ。あれをエルフが使うには、最低でも数十年のスパンが必要になる。」
「ですが!?……。」
そう言い、ターニャは俯いた。
「まだ、ラックスターの目的も分からない……だから、希望を捨てちゃダメだ!」
魔王は希望を持つように、力を込めて言った。
そして、ララはそれを静かに見つめていた。
「僕は恨みなんて晴れないと思ってた。時間が解決するものでもないと思っていたんだ。女王様が何で僕を君の心臓に選んだのかも分からなかった。この目でまた世界を見るまでは。」
ラックスターは一呼吸置いて、また口を開く。
「千年ぶりに見た世界は……美しかった、そしてまぶしかった。ずっと暗闇の中で復讐をする事だけを考えて、ドス黒く濁りきっていた僕には、物凄く輝いて見えたんだ。……そして、この世界が愛おしく見えた。思えてしまったんだ。あれだけの苦痛を受け、愛する者を目の前で殺され、憎しみの業火に心を焼かれ続けたのに……僕はこの世界が愛おしく思えてしまった。理由なんてないんだ。ただ、それだけ。それだけだったんだ。……僕はやっぱり、この世界が好きなんだ。簡単な事さ。僕を愛してくれた人達の想いを……思い出したんだ。憎しみだけの世界じゃない。僕は恨みを晴らすだけに君として生まれ変わった訳じゃない……。」
ラックスターの声は涙で震えていた。
「僕は、何で女王様が僕を君の心臓に選んだか、僕を蘇らせたか、分かった気がしたんだ。君はこの世界を知らない。それなのに、偏見なんて持ってなかった。エルフを見た目で判断しない。それどころか、君は瞳の色の事を歯牙にもかけない。困っている人を助ける優しさもある。武力で事を成そうとしていない。それなのに、君はこの世界に変革をもたらそうとしている。いや、既に変革は始まっているんだ。君はこれからのこの世界には必要な人さ。」
ラックスターは涙を拭ったのだろう。声は晴れやかな声に変わっていた。
「……僕は君を守るよ。そして、君として僕は生きる。だから、僕の技を君に残してまた影に戻るとするよ。」
俺は最初、復讐の為に俺の身体を乗っ取られると思っていた。でも、それは違った。ラックスターはやはり……英雄だった。
どんなに辛かっただろう。どんなに苦しかっただろう。それは、想像を絶するモノだっただろう。それでも、人を愛し続ける事が出来たんだ。恨みの業火に心を焼かれながらも、決して焼かれる事のない優しさを持っていたんだ……。
でも、一つ疑問に思った。何でミノタウロスの時は目覚めなかったのに、今回はラックスターは目覚めたのだろう?俺はそれを聞きたくなった。
「何で、ミノタウロスの時は目覚めなかったのに、あなたは今回は目覚めたんだ?」
「心臓が一度止まった事で僕が出て来れたのが一番の理由なんだけれど……笑わないで聞いてくれるかい?」
ラックスターはなぜか照れくさそうに言う。
「ああ。約束する。」
ラックスターは少しの沈黙の後、口を開いた。
「アリシア君……。彼女が僕の妻に似ているんだよ。ルックスもそうだけど、変にお姉さんぶったり、突拍子もない事をやったり……とか。それに……いや、これは彼女から聞いた方がいいね。」
最後に何か言いかけたけど、アリシアに似ている?と言うのが可笑しすぎて、俺は思わず笑ってしまった。
「笑わないって約束だろ?彼女はとてもチャーミングじゃないかい??」
不服そうに、ラックスターは言うがその後、笑いながら言った。
「君を守りたかったと言うのは、もちろんだけれど……彼女を守りたかったというのも本当さ。もうそろそろ、君が目を覚まさないと彼女達が可哀想だから、僕は引っ込むよ。もし今度、僕が出てくる時は異端審問員を見つけた時だと思う。そんな事がない事を願うけど、もし、その時、僕が暴走しないように君が僕を止めておくれよ。あっ、それと最後に、僕が殺されたもう一つの理由も教えておくよ。」
そう言えば、もう一つ理由があるって……。
「僕の妻は……バンシーだったんだ。カラーコンタクトで隠しはしていたけど……。僕や家族、村の人はそれを知っていたし、気にもしなかったよ。僕の時と同じように。でも、異端審問員の奴は恐れたんだ。魔力のない異端の者の僕とバンシーの妻。その二人の子供がどんな形で生まれてくるか……。想像を絶したんだろうね。だから、お腹の子を一番最初に殺したんだ。……ヤマト君。この世界はそんなに優しい世界じゃない。王都は優しく見えるけれど、他の国に行けば、いずれそんな物が見えてくる。憎む気持ちも出てくるだろう。でも、君の仲間を、家族を信じてあげてくれ。それと、これが本当の最後だ。アリシア君には特に気を掛けてあげてくれ。きっと彼女にもまた災いが降り注ぐだろうから。」
そうと言い、ラックスターの声は聞こえなくなった。
「なら、ラックスターの目的は……ヤマト様の身体を奪う事?奪って、復讐を果たす……事??」
イリアは懸念しいる言葉を口にして、絶望の淵に立たされた。
なぜ目覚めたのか、何が目的か分からない現状で、一番考えられる事が復讐を果たす事だったからだった。
「ま、魔王様……。ヤ、ヤマト様は……。」
泣き崩れるイリアを見ながら、魔王も深く考え込んで、言葉を口にする。
「それが目的だと決まった訳ではないと思う。それに、女王の事だ……ヤマト君に託したと考えた方がいいと思うんだ。何か考えがあっての事だと思うし……。」
「魔王様。魔王様が主様の心臓を新しくするって事は出来ないのか?!」
エリも魔王にすがるように言う。
「……エリちゃん。それは出来ないんだ。あの術を使える神は知っているけれど、ボクはこの世界に降りてきた時に、女王にその力を分け与えて使えないんだ。エルフで使えるのは女王だけなんだ。」
「そ、そんな……。」
エリも力無くうなだれた。
「それなら……もう一度、もう一度!女王様に頼めば!!」
ターニャも魔王に食い下がる。
「……ターニャちゃん。ターニャちゃんも分かっているだろ?あの魔法は、そんなに容易く使えるものじゃないんだよ。あれをエルフが使うには、最低でも数十年のスパンが必要になる。」
「ですが!?……。」
そう言い、ターニャは俯いた。
「まだ、ラックスターの目的も分からない……だから、希望を捨てちゃダメだ!」
魔王は希望を持つように、力を込めて言った。
そして、ララはそれを静かに見つめていた。
「僕は恨みなんて晴れないと思ってた。時間が解決するものでもないと思っていたんだ。女王様が何で僕を君の心臓に選んだのかも分からなかった。この目でまた世界を見るまでは。」
ラックスターは一呼吸置いて、また口を開く。
「千年ぶりに見た世界は……美しかった、そしてまぶしかった。ずっと暗闇の中で復讐をする事だけを考えて、ドス黒く濁りきっていた僕には、物凄く輝いて見えたんだ。……そして、この世界が愛おしく見えた。思えてしまったんだ。あれだけの苦痛を受け、愛する者を目の前で殺され、憎しみの業火に心を焼かれ続けたのに……僕はこの世界が愛おしく思えてしまった。理由なんてないんだ。ただ、それだけ。それだけだったんだ。……僕はやっぱり、この世界が好きなんだ。簡単な事さ。僕を愛してくれた人達の想いを……思い出したんだ。憎しみだけの世界じゃない。僕は恨みを晴らすだけに君として生まれ変わった訳じゃない……。」
ラックスターの声は涙で震えていた。
「僕は、何で女王様が僕を君の心臓に選んだか、僕を蘇らせたか、分かった気がしたんだ。君はこの世界を知らない。それなのに、偏見なんて持ってなかった。エルフを見た目で判断しない。それどころか、君は瞳の色の事を歯牙にもかけない。困っている人を助ける優しさもある。武力で事を成そうとしていない。それなのに、君はこの世界に変革をもたらそうとしている。いや、既に変革は始まっているんだ。君はこれからのこの世界には必要な人さ。」
ラックスターは涙を拭ったのだろう。声は晴れやかな声に変わっていた。
「……僕は君を守るよ。そして、君として僕は生きる。だから、僕の技を君に残してまた影に戻るとするよ。」
俺は最初、復讐の為に俺の身体を乗っ取られると思っていた。でも、それは違った。ラックスターはやはり……英雄だった。
どんなに辛かっただろう。どんなに苦しかっただろう。それは、想像を絶するモノだっただろう。それでも、人を愛し続ける事が出来たんだ。恨みの業火に心を焼かれながらも、決して焼かれる事のない優しさを持っていたんだ……。
でも、一つ疑問に思った。何でミノタウロスの時は目覚めなかったのに、今回はラックスターは目覚めたのだろう?俺はそれを聞きたくなった。
「何で、ミノタウロスの時は目覚めなかったのに、あなたは今回は目覚めたんだ?」
「心臓が一度止まった事で僕が出て来れたのが一番の理由なんだけれど……笑わないで聞いてくれるかい?」
ラックスターはなぜか照れくさそうに言う。
「ああ。約束する。」
ラックスターは少しの沈黙の後、口を開いた。
「アリシア君……。彼女が僕の妻に似ているんだよ。ルックスもそうだけど、変にお姉さんぶったり、突拍子もない事をやったり……とか。それに……いや、これは彼女から聞いた方がいいね。」
最後に何か言いかけたけど、アリシアに似ている?と言うのが可笑しすぎて、俺は思わず笑ってしまった。
「笑わないって約束だろ?彼女はとてもチャーミングじゃないかい??」
不服そうに、ラックスターは言うがその後、笑いながら言った。
「君を守りたかったと言うのは、もちろんだけれど……彼女を守りたかったというのも本当さ。もうそろそろ、君が目を覚まさないと彼女達が可哀想だから、僕は引っ込むよ。もし今度、僕が出てくる時は異端審問員を見つけた時だと思う。そんな事がない事を願うけど、もし、その時、僕が暴走しないように君が僕を止めておくれよ。あっ、それと最後に、僕が殺されたもう一つの理由も教えておくよ。」
そう言えば、もう一つ理由があるって……。
「僕の妻は……バンシーだったんだ。カラーコンタクトで隠しはしていたけど……。僕や家族、村の人はそれを知っていたし、気にもしなかったよ。僕の時と同じように。でも、異端審問員の奴は恐れたんだ。魔力のない異端の者の僕とバンシーの妻。その二人の子供がどんな形で生まれてくるか……。想像を絶したんだろうね。だから、お腹の子を一番最初に殺したんだ。……ヤマト君。この世界はそんなに優しい世界じゃない。王都は優しく見えるけれど、他の国に行けば、いずれそんな物が見えてくる。憎む気持ちも出てくるだろう。でも、君の仲間を、家族を信じてあげてくれ。それと、これが本当の最後だ。アリシア君には特に気を掛けてあげてくれ。きっと彼女にもまた災いが降り注ぐだろうから。」
そうと言い、ラックスターの声は聞こえなくなった。
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