130 / 201
スプリンティア
スプリンティア5
しおりを挟む
「………嘘だろ?」
キールはそう呟いた。
「ありえぬ……そんなバカな……。」
レニンは呆然としていた。
「……こんなの反則じゃないかよ。」
ナプタは膝を落とす。
「「…………。」」
クエンカ夫妻は言葉を無くしていた。ケイドスの洞窟、地下二階の光景を見て。
「『石ツブテ』『必中』」
俺は何時もの簡単作業を繰り返していた。
俺の石ツブテと必中は進化している。今まで、この二つのスキルが俺の主力だったからな。使いまくったせいか、石ツブテは強度を増し、必中はホーミング機能まで追加しているのだ。防がれるか、ターゲットに当たるか、はたまた、ターゲットに当たっても石ツブテが砕けるまで石ツブテは攻撃を止めない。まあ、砕けるまで出せる石ツブテは二個になってしまったのが痛いところだろうか。
投げた石ツブテは、次々とファーラビットを屠っていく。ファーラビット程度の強度ならば一個の石ツブテで10体のファーラビットをやれる。まあ、問題は全てが食材になる倒し方ではないという事だ。ファーラビットは頭を攻撃して倒す事が食材になるのが条件だ。一投一体ならそれも可能なのだが、石ツブテを使った多頭狩りの時はそうはいかない。モンスターも逃げるし、体に当たって倒してしまう事もあるのだ。もっと使ってたら、その事も解消されるかもしれないけど……。
「……思った程、食材になってないな。」
「そうだね。どうするの?ヤマト君??」
俺の言葉を聞いて、アリシアは自慢気に、そして不適な笑みを浮かべて言う。
あれだな。最近、アリシアは不気味な笑みを浮かべる事が多いんだよな。ちと怖いんだけど……まあ、今、気にしても仕方のない事だけれどな。
「答えは、簡単さっ!」
俺はそう言い、麗月を鞘から抜き、走り出す。もちろん、疾風の靴は温存だ。
「は!速い!!」
クエンカさんは思わず声を上げる。
そう。スピードもかなり上がっているのだ。シルバーカードになって、少しは恩恵があったのかもしれない。ステータスが上がった以上に速くなったように感じる。それに、ノーマルカードの人達とはステータスが、元々、違うのだよ。
そもそも、ギルドカードは他人にあまり見せるような物ではないし、信用の出来る者、仲間、ギルド職員。そんなもんだ。俺がシルバーなのは知らないのだろう。
それに、俺の剣技はララ仕込み。体術はエリ仕込みだ。伊達に毎日毎日、空を仰いではいない。日々の鍛錬の賜物だ。ファーラビット程度のモンスターには遅れなどとらない。
俺は次々とファーラビットの首を狩っていく。そして、群を全滅させた。
「すげぇ……。」
キール達は呆然と立ち尽くすしかなかった。それを見て、アリシアが声を掛ける。
「ほら!あなた達、ぼさっとしてないで食材やドロップアイテムなんかを集めて。食材はこれだけじゃ足りないのよ。」
その声にキール達は慌てて走り出すのであった。
食材だけで、300は下らないだろう。1日にしては、なかなかの量が取れた。ファーラビットの肉はこれだけで十分だろう。
一日目の狩りを終え、ギルドへ帰り、ファーラビット関連のクエスト報酬と魔石、ドロップアイテムの換金をし、ギルド内の酒場の席にみんな腰をおろしていた。
「それでは、とりあず!一日目、お疲れ様でした!かんぱ~い!!」
アリシアは果実酒を片手に乾杯の音頭をとり、みんな飲み始めた。
「いや~。それにしても、ヤマトさん、すごかったッスね。」
「うむ……我、感動いたした。」
キールとレニンは急に俺をヨイショし始める。それに他のメンバーも何度も頷いていた。
ギルドを出る前は、なんか見下していたのに。なんか釈然としないな。見事なまでの手の平返しだ。人間界にも居たけれど、エルフもこんな事が起こるんだな。
「ふふふ。そうでしょ?伊達に一人でミノタウロスを討伐していないわよ??」
アリシアは自慢気に言う。
「え?ソロでミノタウロスを討伐したのですか?アミッドの洞窟の主をですか??」
サマンサさんは驚き、目をまん丸にして言う。
「ん?ああ。一回はやられたけどな。二回目に挑発した時は倒せた。」
「そんな……あれは、勇者様やイリア様にエリアス様もご一緒に倒されたのでは……。」
「ああ……。一回目は、ララに助けてもらったけど、二回目は一人で倒したよ。それに、イリア達は基本、食材調達以外は手を出さない。」
「ええ?!それなら、ネールの洞窟の主も?」
「ああ。スライムか?それなら、それも一人でだな……サクッと刺した。」
それを聞いて、みんなは言葉を無くしていた。
あれ?俺、何かおかしい事言った?そう思い、キョロキョロとしていると、アリシアが口を開いた。
「ヤマト君は、特殊な環境に居るのよ。パーティーを組んでるのがイリア達だから、基準がおかしいの。あの子達の基準はあてにならない。そもそものレベルが違うから。そのせいで、私が何度、ヤマト君の事で肝を冷やしたか……。あの子達の見極めは正しくもあるのだけど、あくまでも基準は自分なの。それに、かなりひいき目でヤマト君を見ているわ。確かに、ヤマト君のステータスはララ達に鍛えられているだけあって、高いけど、魔法は使えないじゃない?イリアが回復をするだろうけど、イリアが居ない時は回復するにも、ポーションなんかを使わないといけない。ポーションだって容器が割れてしまったら使えないし、念には念を入れなきゃ。前にも言ったけど、主のミノタウロスを倒せるか倒せないかで、この先の冒険者人生にも関わるし、主スライムだって、普通のスライムからしたら、かなり強いのよ。本来なら、主のミノタウロスも主スライムも、ちゃんとしたパーティーで、連携しながら倒すの。」
え?そうなの??
俺の不思議そうな表情を見て、アリシアはため息を吐く。それを見ながらメンバーは苦笑いを浮かべていた。
それでも、酒が進むにつれて会話も弾み、夜はふけていった。
キールはそう呟いた。
「ありえぬ……そんなバカな……。」
レニンは呆然としていた。
「……こんなの反則じゃないかよ。」
ナプタは膝を落とす。
「「…………。」」
クエンカ夫妻は言葉を無くしていた。ケイドスの洞窟、地下二階の光景を見て。
「『石ツブテ』『必中』」
俺は何時もの簡単作業を繰り返していた。
俺の石ツブテと必中は進化している。今まで、この二つのスキルが俺の主力だったからな。使いまくったせいか、石ツブテは強度を増し、必中はホーミング機能まで追加しているのだ。防がれるか、ターゲットに当たるか、はたまた、ターゲットに当たっても石ツブテが砕けるまで石ツブテは攻撃を止めない。まあ、砕けるまで出せる石ツブテは二個になってしまったのが痛いところだろうか。
投げた石ツブテは、次々とファーラビットを屠っていく。ファーラビット程度の強度ならば一個の石ツブテで10体のファーラビットをやれる。まあ、問題は全てが食材になる倒し方ではないという事だ。ファーラビットは頭を攻撃して倒す事が食材になるのが条件だ。一投一体ならそれも可能なのだが、石ツブテを使った多頭狩りの時はそうはいかない。モンスターも逃げるし、体に当たって倒してしまう事もあるのだ。もっと使ってたら、その事も解消されるかもしれないけど……。
「……思った程、食材になってないな。」
「そうだね。どうするの?ヤマト君??」
俺の言葉を聞いて、アリシアは自慢気に、そして不適な笑みを浮かべて言う。
あれだな。最近、アリシアは不気味な笑みを浮かべる事が多いんだよな。ちと怖いんだけど……まあ、今、気にしても仕方のない事だけれどな。
「答えは、簡単さっ!」
俺はそう言い、麗月を鞘から抜き、走り出す。もちろん、疾風の靴は温存だ。
「は!速い!!」
クエンカさんは思わず声を上げる。
そう。スピードもかなり上がっているのだ。シルバーカードになって、少しは恩恵があったのかもしれない。ステータスが上がった以上に速くなったように感じる。それに、ノーマルカードの人達とはステータスが、元々、違うのだよ。
そもそも、ギルドカードは他人にあまり見せるような物ではないし、信用の出来る者、仲間、ギルド職員。そんなもんだ。俺がシルバーなのは知らないのだろう。
それに、俺の剣技はララ仕込み。体術はエリ仕込みだ。伊達に毎日毎日、空を仰いではいない。日々の鍛錬の賜物だ。ファーラビット程度のモンスターには遅れなどとらない。
俺は次々とファーラビットの首を狩っていく。そして、群を全滅させた。
「すげぇ……。」
キール達は呆然と立ち尽くすしかなかった。それを見て、アリシアが声を掛ける。
「ほら!あなた達、ぼさっとしてないで食材やドロップアイテムなんかを集めて。食材はこれだけじゃ足りないのよ。」
その声にキール達は慌てて走り出すのであった。
食材だけで、300は下らないだろう。1日にしては、なかなかの量が取れた。ファーラビットの肉はこれだけで十分だろう。
一日目の狩りを終え、ギルドへ帰り、ファーラビット関連のクエスト報酬と魔石、ドロップアイテムの換金をし、ギルド内の酒場の席にみんな腰をおろしていた。
「それでは、とりあず!一日目、お疲れ様でした!かんぱ~い!!」
アリシアは果実酒を片手に乾杯の音頭をとり、みんな飲み始めた。
「いや~。それにしても、ヤマトさん、すごかったッスね。」
「うむ……我、感動いたした。」
キールとレニンは急に俺をヨイショし始める。それに他のメンバーも何度も頷いていた。
ギルドを出る前は、なんか見下していたのに。なんか釈然としないな。見事なまでの手の平返しだ。人間界にも居たけれど、エルフもこんな事が起こるんだな。
「ふふふ。そうでしょ?伊達に一人でミノタウロスを討伐していないわよ??」
アリシアは自慢気に言う。
「え?ソロでミノタウロスを討伐したのですか?アミッドの洞窟の主をですか??」
サマンサさんは驚き、目をまん丸にして言う。
「ん?ああ。一回はやられたけどな。二回目に挑発した時は倒せた。」
「そんな……あれは、勇者様やイリア様にエリアス様もご一緒に倒されたのでは……。」
「ああ……。一回目は、ララに助けてもらったけど、二回目は一人で倒したよ。それに、イリア達は基本、食材調達以外は手を出さない。」
「ええ?!それなら、ネールの洞窟の主も?」
「ああ。スライムか?それなら、それも一人でだな……サクッと刺した。」
それを聞いて、みんなは言葉を無くしていた。
あれ?俺、何かおかしい事言った?そう思い、キョロキョロとしていると、アリシアが口を開いた。
「ヤマト君は、特殊な環境に居るのよ。パーティーを組んでるのがイリア達だから、基準がおかしいの。あの子達の基準はあてにならない。そもそものレベルが違うから。そのせいで、私が何度、ヤマト君の事で肝を冷やしたか……。あの子達の見極めは正しくもあるのだけど、あくまでも基準は自分なの。それに、かなりひいき目でヤマト君を見ているわ。確かに、ヤマト君のステータスはララ達に鍛えられているだけあって、高いけど、魔法は使えないじゃない?イリアが回復をするだろうけど、イリアが居ない時は回復するにも、ポーションなんかを使わないといけない。ポーションだって容器が割れてしまったら使えないし、念には念を入れなきゃ。前にも言ったけど、主のミノタウロスを倒せるか倒せないかで、この先の冒険者人生にも関わるし、主スライムだって、普通のスライムからしたら、かなり強いのよ。本来なら、主のミノタウロスも主スライムも、ちゃんとしたパーティーで、連携しながら倒すの。」
え?そうなの??
俺の不思議そうな表情を見て、アリシアはため息を吐く。それを見ながらメンバーは苦笑いを浮かべていた。
それでも、酒が進むにつれて会話も弾み、夜はふけていった。
0
あなたにおすすめの小説
転生貴族の移動領地~家族から見捨てられた三子の俺、万能な【スライド】スキルで最強領地とともに旅をする~
名無し
ファンタジー
とある男爵の三子として転生した主人公スラン。美しい海辺の辺境で暮らしていたが、海賊やモンスターを寄せ付けなかった頼りの父が倒れ、意識不明に陥ってしまう。兄姉もまた、スランの得たスキル【スライド】が外れと見るや、彼を見捨ててライバル貴族に寝返る。だが、そこから【スライド】スキルの真価を知ったスランの逆襲が始まるのであった。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
おいでよ!死にゲーの森~異世界転生したら地獄のような死にゲーファンタジー世界だったが俺のステータスとスキルだけがスローライフゲーム仕様
あけちともあき
ファンタジー
上澄タマルは過労死した。
死に際にスローライフを夢見た彼が目覚めた時、そこはファンタジー世界だった。
「異世界転生……!? 俺のスローライフの夢が叶うのか!」
だが、その世界はダークファンタジーばりばり。
人々が争い、魔が跳梁跋扈し、天はかき曇り地は荒れ果て、死と滅びがすぐ隣りにあるような地獄だった。
こんな世界でタマルが手にしたスキルは、スローライフ。
あらゆる環境でスローライフを敢行するためのスキルである。
ダンジョンを採掘して素材を得、毒沼を干拓して畑にし、モンスターを捕獲して飼いならす。
死にゲー世界よ、これがほんわかスローライフの力だ!
タマルを異世界に呼び込んだ謎の神ヌキチータ。
様々な道具を売ってくれ、何でも買い取ってくれる怪しい双子の魔人が経営する店。
世界の異形をコレクションし、タマルのゲットしたモンスターやアイテムたちを寄付できる博物館。
地獄のような世界をスローライフで侵食しながら、タマルのドキドキワクワクの日常が始まる。
俺に王太子の側近なんて無理です!
クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。
そう、ここは剣と魔法の世界!
友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。
ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】
のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。
そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。
幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、
“とっておき”のチートで人生を再起動。
剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。
そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。
これは、理想を形にするために動き出した少年の、
少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。
【なろう掲載】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる