151 / 201
アリシア
アリシア16
しおりを挟む
指示を出す先生の声と呪文を詠唱するボク達の声、剣や魔法などの戦闘音は絶え間なく響いている。
こちらの攻撃は的確に当たっている。普通なら手応えのある戦闘だ。しかし、はっきり言って、戦況はおもわしくなかった。
ボク達エルフの生命線である魔法が殆ど効かないのだ。それに、体もかなり固い。剣や弓も効果的なダメージを与えられずにいるだろう。その証拠に剣や弓がモンスターの体に当たる音が金属同士がぶつかり合う音に似ていたからだ。物理攻撃は弾かれていると言っていい。
しかも、それだけでなく、動きも速い。脚力もあり、時より天井にまでクモらしく移動する。横に移動するのも苦にしない。
確実に今まで戦ったモンスターでは一番強い。いや、格が違う。
きっと、この状態……持久戦を続ければ、明らかにボク達の方が不利。体力にもマインドにも限界がある。ポーションやマインドポーションなどのアイテムも限りがあるのだ。仮に他のパーティーが到着したとしても戦況が180℃変わる。そんな可能性は低そうに感じた。
それこそ、冒険者で言えば、プラチナランクの冒険者達が来てくれないと状況は覆らないだろう。引率の先生達は冒険者ランクで例えるならゴールドランク相当だと言う。その先生が、現状を打破出来る策を出せないのだ。それなら、それ以上のランクの冒険者が必要となるのは必然的だろう。
そんな事を考えている間にも、モンスターの攻撃はボクを襲う。
それをボクは間一髪のところで避け、また思考を巡らせる。
これほど、攻撃が効かないモンスターでも、どこかに弱点があるはず。例えば目を攻撃するとか、アンデットには光属性である神聖魔法、浄化魔法が有効なのだが、実は意外にも回復魔法やポーションが効くだとか……。
ん?いや、待って……意外にも??。
……このモンスターは虫型。ダンジョンには虫系のモンスターも数多く存在する。そのモンスターにはだいたい、火属性の魔法が効いたりする。そして、その他にも生活魔法である、殺虫魔法が有効だったりするのだ。このモンスターは火属性の魔法も効かない。そうなれば、生活魔法を使うという手がある。もしかしたら、効果があるかもしれない。
「生活魔法の殺虫魔法を使える人は、殺虫魔法をそのモンスターにかけてみて!!」
ボクはとっさにみんなにそう大声で伝える。
一瞬、みんな呆気にとられた表情をしたが、思い出したように頷き、殺虫魔法を唱える。
六人パーティー中、四人が殺虫魔法を使えた。そして、モンスター目掛けて放つ。
『キャシャシャシャ!!!』
初めて、ダメージを負ったようにモンスターは声を出し、暴れ始めた。
これは!効いてる!!
ボク達は殺虫魔法をかけ続けた。
するとモンスターの動きは遅くなり、お尻から糸を出し、それを自ら纏い、繭の中に隠れるように隠れてしまった。
「やったぜ!俺達、イレギュラーに勝ったんじゃねえか?この糸は火属性魔法で焼き切れるだろ??弱ったアイツならそのまま火属性魔法でいけるだろう??」
殺虫魔法を使えなかった男子生徒がここぞとばかりにそう言い、火属性魔法を放った。
確かに、男子生徒が言うとおり、この糸は火属性魔法が効いた。しかし、本当にそうだろうか?普通のモンスターは知力が殆ど無いと聞いている。でも、イレギュラーのモンスターが知力が無いというのは聞いた事がない。自分の糸が火に弱い。ボク達にはあまり効かない。そんな事が分からない。とは断言出来ないのだ。
ボクの考えとは別に、炎は凄まじい勢いで糸を焼き尽くしていく。
そして、ボク達は糸が燃え尽きた後、地獄を味わう事になった。
こちらの攻撃は的確に当たっている。普通なら手応えのある戦闘だ。しかし、はっきり言って、戦況はおもわしくなかった。
ボク達エルフの生命線である魔法が殆ど効かないのだ。それに、体もかなり固い。剣や弓も効果的なダメージを与えられずにいるだろう。その証拠に剣や弓がモンスターの体に当たる音が金属同士がぶつかり合う音に似ていたからだ。物理攻撃は弾かれていると言っていい。
しかも、それだけでなく、動きも速い。脚力もあり、時より天井にまでクモらしく移動する。横に移動するのも苦にしない。
確実に今まで戦ったモンスターでは一番強い。いや、格が違う。
きっと、この状態……持久戦を続ければ、明らかにボク達の方が不利。体力にもマインドにも限界がある。ポーションやマインドポーションなどのアイテムも限りがあるのだ。仮に他のパーティーが到着したとしても戦況が180℃変わる。そんな可能性は低そうに感じた。
それこそ、冒険者で言えば、プラチナランクの冒険者達が来てくれないと状況は覆らないだろう。引率の先生達は冒険者ランクで例えるならゴールドランク相当だと言う。その先生が、現状を打破出来る策を出せないのだ。それなら、それ以上のランクの冒険者が必要となるのは必然的だろう。
そんな事を考えている間にも、モンスターの攻撃はボクを襲う。
それをボクは間一髪のところで避け、また思考を巡らせる。
これほど、攻撃が効かないモンスターでも、どこかに弱点があるはず。例えば目を攻撃するとか、アンデットには光属性である神聖魔法、浄化魔法が有効なのだが、実は意外にも回復魔法やポーションが効くだとか……。
ん?いや、待って……意外にも??。
……このモンスターは虫型。ダンジョンには虫系のモンスターも数多く存在する。そのモンスターにはだいたい、火属性の魔法が効いたりする。そして、その他にも生活魔法である、殺虫魔法が有効だったりするのだ。このモンスターは火属性の魔法も効かない。そうなれば、生活魔法を使うという手がある。もしかしたら、効果があるかもしれない。
「生活魔法の殺虫魔法を使える人は、殺虫魔法をそのモンスターにかけてみて!!」
ボクはとっさにみんなにそう大声で伝える。
一瞬、みんな呆気にとられた表情をしたが、思い出したように頷き、殺虫魔法を唱える。
六人パーティー中、四人が殺虫魔法を使えた。そして、モンスター目掛けて放つ。
『キャシャシャシャ!!!』
初めて、ダメージを負ったようにモンスターは声を出し、暴れ始めた。
これは!効いてる!!
ボク達は殺虫魔法をかけ続けた。
するとモンスターの動きは遅くなり、お尻から糸を出し、それを自ら纏い、繭の中に隠れるように隠れてしまった。
「やったぜ!俺達、イレギュラーに勝ったんじゃねえか?この糸は火属性魔法で焼き切れるだろ??弱ったアイツならそのまま火属性魔法でいけるだろう??」
殺虫魔法を使えなかった男子生徒がここぞとばかりにそう言い、火属性魔法を放った。
確かに、男子生徒が言うとおり、この糸は火属性魔法が効いた。しかし、本当にそうだろうか?普通のモンスターは知力が殆ど無いと聞いている。でも、イレギュラーのモンスターが知力が無いというのは聞いた事がない。自分の糸が火に弱い。ボク達にはあまり効かない。そんな事が分からない。とは断言出来ないのだ。
ボクの考えとは別に、炎は凄まじい勢いで糸を焼き尽くしていく。
そして、ボク達は糸が燃え尽きた後、地獄を味わう事になった。
0
あなたにおすすめの小説
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
転生貴族の移動領地~家族から見捨てられた三子の俺、万能な【スライド】スキルで最強領地とともに旅をする~
名無し
ファンタジー
とある男爵の三子として転生した主人公スラン。美しい海辺の辺境で暮らしていたが、海賊やモンスターを寄せ付けなかった頼りの父が倒れ、意識不明に陥ってしまう。兄姉もまた、スランの得たスキル【スライド】が外れと見るや、彼を見捨ててライバル貴族に寝返る。だが、そこから【スライド】スキルの真価を知ったスランの逆襲が始まるのであった。
家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~
北条新九郎
ファンタジー
三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。
父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。
ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。
彼の職業は………………ただの門番である。
そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。
お気に入り・感想、宜しくお願いします。
侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】
のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。
そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。
幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、
“とっておき”のチートで人生を再起動。
剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。
そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。
これは、理想を形にするために動き出した少年の、
少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。
【なろう掲載】
おいでよ!死にゲーの森~異世界転生したら地獄のような死にゲーファンタジー世界だったが俺のステータスとスキルだけがスローライフゲーム仕様
あけちともあき
ファンタジー
上澄タマルは過労死した。
死に際にスローライフを夢見た彼が目覚めた時、そこはファンタジー世界だった。
「異世界転生……!? 俺のスローライフの夢が叶うのか!」
だが、その世界はダークファンタジーばりばり。
人々が争い、魔が跳梁跋扈し、天はかき曇り地は荒れ果て、死と滅びがすぐ隣りにあるような地獄だった。
こんな世界でタマルが手にしたスキルは、スローライフ。
あらゆる環境でスローライフを敢行するためのスキルである。
ダンジョンを採掘して素材を得、毒沼を干拓して畑にし、モンスターを捕獲して飼いならす。
死にゲー世界よ、これがほんわかスローライフの力だ!
タマルを異世界に呼び込んだ謎の神ヌキチータ。
様々な道具を売ってくれ、何でも買い取ってくれる怪しい双子の魔人が経営する店。
世界の異形をコレクションし、タマルのゲットしたモンスターやアイテムたちを寄付できる博物館。
地獄のような世界をスローライフで侵食しながら、タマルのドキドキワクワクの日常が始まる。
俺に王太子の側近なんて無理です!
クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。
そう、ここは剣と魔法の世界!
友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。
ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる