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そういう日もある
しおりを挟む神楽井直緒はここ最近、あることに悩まされていた。
恋人の凪桐晶が、同棲生活にあまりにも慣れすぎていることだ。
まず、晶はもう何日も風呂に入っていない。
とかく作家というのは外に出ない生き物らしいが、晶のそれは性分である。
外に出なければ汗もかかず、風呂に入る理由はないというわけだ。
共同生活をするにあたって、家事当番というものを決めている。
晶は当番をサボることこそないが、その代わりとでもいうように、当番以外の家のことに丸きり関心をしめさない。
晶は陽が傾きだした頃に起床し、直緒の目覚ましを就寝の合図としている。
朝、直緒がベッドから出れないでいると、晶はするりと潜り込んでくる。そして、なんの悪びれもなしに毛布を強奪して直緒と入れ替わりで眠りにつくのだ。
こんなのが恋人の同棲生活と言えるだろうか。なんだかルームシェアをする友達みたいじゃないか?
夜は抱き合って眠り、朝は共に食卓を囲み、帰ったら愛おしげに抱きしめたりしたい。
そんな風に思っているのが自分だけだったら、どうしよう。と。
「そういうノリは、一年目で終わったのかと思ってた」
晶の声が浴室に反響する。嫌味なほどさっぱりとした言い方だ。
二人は泡で満たされた浴槽につかり、向かい合っていた。
「え、晶の中では終わってるってこと?」
「んー? んー……」
晶は適当にうなると、にやにや口のはしをあげて小首をかしげた。
「寂しいんだ?」
いつもは可愛らしく思えるその表情が、憎らしく思えてしまう。いや、可愛いことに変わりはないのだが。
なにをムキになっているのか、自分の感情に整理がつかなかった。
「茶化すなよ」
「……ごめん、つい。調子のった」
晶がうつむき加減に声を落とした。
「あ。いや……俺もごめ――」
直緒が咄嗟に謝ろうとすると、晶が話を被せてきた。
「ほら! 直緒と入るってならないと、泡風呂なんてしようと思わないぜ。俺一人じゃ……」
晶は慌てたように声を弾ませ、泡をすくってみせた。
自分を想ってくれる晶がたまらなく愛おしいと思った。鳥肌が立つ。晶の全てを愛している。
「ふふ」
「なに……?」
晶は指に髪を絡ませながら、口元をかくした。
顔を逸らして、表情を見せない。
そのせいで、濡れた黒髪がほの赤くなったうなじに張りついているのがよく見えた。
浮き出た鎖骨には傷の一つもない。
「……………寝るのはさ、俺も気にしてはいたんだけど」
晶は両手で毛先を遊びながら話しだした。
「けど?」
直緒が詰めると、晶は一瞬手を止めた。
「…………そりゃ。一緒に寝たいよ」
「うん。よかった。同じ気持ちで」
直緒は込み上げる欲をおさえて穏やかに言った。
風呂から上がったら、晶はその気になってくれるだろうか。
「……たまに、不思議になる」
晶は直緒と一瞬目を合わせてから、泡に向かって続きを話しだした。
「………俺がお前のこと好きなのは、そりゃそうって感じだけど、お前が俺のこと、そう思ってんのは、なんか……」
直緒は、ぼうっと話す晶を見つめた。
指先に髪を絡めるたびに、手の甲に骨が浮き上がって動いている。
「『俺の片思いじゃないの?』」
「え……」
晶は一瞬だけ目を丸くして、直緒に振り向いた。
「……あー、もう。お前、マジでさぁ」
「仕返し」
と直緒は笑った。
「最悪」
そう言ってしかめっ面になった晶の顔に、直緒は手をのばした。水音をたてて、真っ白な泡が揺らぐ。
晶はまぶたを閉じた。
直緒はその頬に触れて、顎先まで撫でる。水滴をまとった晶の顔を丹念に見つめた。視界が湯気で曇りがかっている。
待ちかねた晶がゆっくりとまぶたを上げる瞬間も、目を離さなかった。
目が合って、直緒は体ごと晶に迫った。
「俺がなんで晶を好きかって話、もう何回もしたけどまた聞きたい?」
晶の耳元で声をひそめる。晶は直緒の手を払いのけ、立ち上がった。
浴槽でさざ波が起こる。
「出る」
晶はそれだけを放って、さっさと浴室を出た。
直緒はしばらく晶の尻を眺めてから後を追った。
◇◇◇
二人は素っ裸でベッドに横たわっていた。湯上がりの火照った体をこすり合わせながら、長いキスを交わす。
舌を絡め、吸い合い、離れる。
水滴がつたう晶の首筋に、直緒が唇で触れると、晶は嬌声混じりに吐息を漏らした。
胸を指の腹で撫でながら、乳首に舌を這わせる。胸元にはすでに、生々しい赤い跡がいくつも滲んでいた。
「あっ。んん」
晶は膝をこすり合わせ、身をよじり、甘えた声を振りまいた。
耳元で晶の心臓がとくとく跳ねる音がよく聞こえた。
「ふふ。可愛い」
直緒が晶を見上げながら言うと、晶はわざとらしく顔を逸らす。
「もう……、いいっ――」
何度目か分からないその言葉を、直緒は最後まで聞かない内に唇で塞いでしまった。
喋りかけの薄くあいた口に、舌を無理やり差し入れる。
晶は直緒の肩をつかんで、力なく押し返してきた。
なんの意味もない抵抗がいじらしくて、直緒の情欲をこの上なくかき立てる。
欲望のまま、さらに深く口づけた。
息継ぎの仕方を忘れてしまった晶は、みるみる顔を紅潮させた。
その反応に、興奮に加えて苛立ちすら覚える。散々焦らしてきたが、直緒の方も限界だった。
直緒がキスをとくと、晶は乱れた呼吸を整えながら唾液を飲みこんだ。小さな喉仏が上下して、また呼吸を再開する。
直緒は晶の頬を手のひらで包みこんだ。
「晶が一番気持ちいいのしようか」
直緒が囁くと、晶は潤んだ瞳で直緒をにらんだ。視線で抗議したいらしいが、こうなってしまえばどんな反応も直緒の理性を逆撫でする。
「………………アホか」
息もたえだえに、晶が呟いた。
「正常位じゃ挿れてあげないよ?」
直緒は自然と口の端に笑みが浮かんでいた。
晶はしばらく考えるような間を置いて、のろのろとシーツに手をつく。
直緒はじれったくて、うつ伏せになろうとした晶の腰を抱き寄せた。
「んっ……」
強引に扱われて晶は小さく声を漏らした。
膝裏から尻にかけての張りのある肉を、指の腹で撫で上げると、太腿を小さく震わせた。
突き出させた尻のくぼみに指をあてがって、赤い体内へとうずめてゆく。
「ううっ……はぁ、ああっ」
中を刺激されて、晶は甘い声で喘いだ。
さっき十分すぎるほどほぐした入口を、指でくつろげるたびに、晶の性器が反応をしめす。
先端から透明な蜜のような体液をしたたらせ、シーツへこぼれ落としてゆく。
前立腺を的確に愛撫してやると、晶は快感へ向かって身をよじり、あられもなく声をうわずらせた。
「ううんっ……あっ…ああっ! はぁあっ」
「イっちゃダメだよ。俺がいいって言うまで我慢して」
直緒は勝手にルールを課しながらも、理不尽に晶の性感帯を責めたてた。
晶がひときわ強く、シーツに爪を立てる。
全身をこわばらせた所を見計らって、達する寸前で指を引き抜いた。
「はあっ……」
晶は力が抜けたように倒れこんだ。息をはずませ、隠し立てするように顔を腕でおおった。
「今、イこうとしたでしょ」
「うう……」
「もう挿入るから」
「ん……」
晶の返事ともつかないくぐもった声を聞き流しながら、直緒はベッドに投げだしていたコンドームの封を切った。
晶を犯すことしか考えられなかった。
直緒が準備をする少しの間に、晶は自らの中指と薬指をおしげもなく体内に突っ込み、腰を動かしながら自慰行為を始めた。
高く上げた腰からへたり込んだ上半身、背中をキツい坂のように反らし、直緒へ全てを曝けだす。
「……はぁっ……はやく」
晶は今にも泣きだしそうに睫毛を震わせ、淫らに哀願した。
ドッと音をたてて全身の血液が頭に昇っていく。自分が赤面しているのが容易に分かった。
直緒は尋常ではないほど暴力的な衝動に駆られ、晶を手酷く痛ぶらなくては我慢ならない気分になった。
けれど、人間としての良心の部分を必死に働かせ、なんとか食いしばろうとした。
直緒は大仰にため息をはきながら、手荒く前髪をかき上げる。冷静に、冷静に。
「…………何言われても止まれないかも」
「直緒……」
晶はすがるような視線を直緒に注いだ。
直緒は晶に情欲を挑発されるがまま、その腰を引き寄せ、自身の勃起しきった男のものをゆっくりと中へ沈めていった。
挿れるだけで晶は体を震わせ、全身で悦を拾う。
それなのに声を押し殺し、息苦しそうにしているのはどういうわけかと思ったが、そういえば馬鹿みたいなルールを課したことを思い出した。
本当に可愛いと、愛おしく思った。
「呆れるほどドM」
直緒が笑い混じりに放つと肉壁は正直に収縮し、直緒のものを刺激した。
「イっちゃダメだからね」
今の今まで忘れていたルールをもちだして、直緒は晶の一番奥まで性器を挿れこもうとした。
「んんっ……むり、むりっ…!」
晶は切りっぱなしの黒髪を振り乱し、シーツにすがって顔を伏せた。
ヒンヒン喉を絞って無力な抵抗をしたが、一瞬で限界を迎えた。
「っ……! うあっ……!」
晶は手放しに掠れた喘ぎ声をあげ、ドライオーガスムに達した。
直緒の下腹部に尻を擦りつけるようにして激しく痙攣する。
意図的ではないにしろ、グリグリと直緒のものを刺激しながら、晶はさらに甘イキし始めた。
晶が達するたびに中がキツく締まり、直緒は思わず声を漏らした。
「…………勝手にイって、いいんだっけ?」
直緒は興奮と苛立ちが混沌となった。もう頭がおかしくなって、晶がルールを破ったことなんかに無性に腹が立ってくる。
「……ごめん、なさっ、あぁっ……!」
晶が言い切らない内に、直緒は腰を前へ打ちつけた。
情緒的な過程はかなぐり捨て、晶の性感を乱暴に蹂躙してゆく。
晶は激しく感じ入って、余裕なんて欠片もなく悲鳴のような喘ぎ声を放つ。ドライオーガスムの快感が連続して晶を襲った。
酷い抱き方だと直緒は思ったが、悠長に愛撫した分、誘惑されると歯止めがきかなかった。
それに、晶の許容範囲は知り尽くしていた。
晶はシーツがぐちゃぐちゃに乱れるほど、必死に手繰り寄せ、わずかに前へ腰を逃がしていった。
シーツに顔をうずめ、くぐもった声はほとんど慟哭のように聞こえた。
「気持ちいいんでしょ。逃げんなよ」
直緒は晶のすっかり脱力した腰を強く引き戻し、暴力的なまでの劣情を突き立てた。
「ひうっ……! はあぁっ……」
晶は肩を震わせ、直緒の欲を一身に受けた。
言いようもなく、愛おしく思えた。
直緒は晶に覆いかぶさると、耳元まで顔を寄せた。
「……晶。一番気持ちいいの、まだだね」
荒れた呼吸を整えながら、直緒が囁いた。
「ま、待て……」
晶は息をはずませ、鼻水をすすりながら、切れ切れに呟いた。
直緒は暇つぶしに、シーツを握りしめる晶の右手をほどき、指先を優しく撫でた。
「もういい?」
晶は何も答えなかったが、返事を待つ気もなかった。
直緒は晶を体ごと抱きしめた。
そのまま体を起こしてやり、膝立ちになると結合をひときわ深めていく。
呼吸を整える間もなかった晶は、あまり力が入らないようだったから、直緒は晶の体重をほとんど支えることになった。
晶は直緒の右手の甲を撫で、握りしめる。
晶の一番深い所を容赦なく貫く体位だった。
しとどに汗をかいた肌を寄せ合い、体と体をこれ以上ないほど密着させた。そして、ゆっくりと動きを重ねてゆく。
それだけで晶は恍惚とした声をあげ、締まりを強めた。
じっくりとペースを上げ、快感を高めてゆく。
「はぁ、ああっ! 待って、待って……! 直緒……、直緒っ……!」
晶は助けを求めるように直緒の名前を叫び、腕の中で淫らにもがいた。
晶のはち切れそうなほど勃起した性器からは、カウパーが滝のように流れ出ている。直緒が突き上げるたびにいやらしく揺れながら、シーツに体液を飛び散らせた。
「晶……、かわいい……」
直緒は晶に握られた右手をほどき、すぐさま握り合うように手のひらを重ね合わせる。
晶を強く抱きしめ、いっそう激しく突き上げた。
「ああっ……! 待って、やばっ……やぁっ…、いっ!」
「……っ、…………晶」
直緒は衝動のまま晶の顎を後ろから奪い、振り向かせた。晶は鼻も瞼も首も、真っ赤に染め、涙を溢れさせている。
直緒は何も思考できず、息があがっているのに貪るように口づけ、舌をねじ込んだ。
「ふうぅっ……! んんっ!」
晶は舌を絡めると急激に追い込まれた。
直緒は揺れながら口づけ、晶を絶頂へ導くため、これでもかと最奥を責めたてる。
晶は骨の軋む音が聞こえそうなほど強く、直緒の手を握りしめた。直緒もそれに応え、晶の手をひときわ強く握り返した。
とうとう晶は、際限なく押しよせる快楽を受けとめ切れなくなった。
キスから逃れるように髪を振り乱し、背中を弓なりに反らせ、直緒の方へ倒れ込む。
「ああぁっ!!」
晶は甲高い悲鳴を振りまき、勢いよく射精した。
解放に打ちひしがれ、激しく痙攣を起こす。息をはずませ、涙を流していた。喘ぐような呼吸をするだけで精一杯のようだった。
「いっぱい気持ちいいね」
「んんっ……」
晶はしゃくりあげながら、水から出された魚のように必死に呼吸していた。
晶の性器はカウパーと精液にまみれ、卑猥なまでの光沢をたたえている。
絶頂の余韻も与えず、直緒はその先端を手のひらで包み、擦りあげようとした。
晶は体をのけぞらせ、反応をしめす。快感に抵抗しようと、直緒の腕を強く掴んだ。
「たっ……! んんっ! あぁっ!」
直緒は晶が絞り出そうとした言葉を聞かなかったことにした。
晶の性器は、擦りたてるたびにいやらしい水音をたて、さっき射精したばかりなのに熱い先走りをほとばしらせる。呆れるほど、扇情的だった。
もっと晶を泣かせたいと思った。
快感を受けとめようと、無我夢中に泣きじゃくる顔が見たい。
もっと、もっと……!
煩悩に理性を完全に乗っ取られようとした時だった。
直緒の顔面に痛みが走った。衝撃を受け、視界がグラつく。
「うぐっ!」
晶の頭突きを食らった直緒は、思わず声をあげた。
「『タンマ』つってんだろうが!」
◇◇◇
晶の言い分は至極まっとうだった。
全面的に直緒に非がある状況で、直緒の性器はみるみる元気をなくした。
全裸でベッドに正座している自分が滑稽で、非常に恥ずかしい。
「すみません……」
直緒はひたすら謝ることしかできなかった。
晶は直緒に「ありえない!」と怒鳴った後だった。
シーツで全身を覆い隠し、体育座りとなってスマホをいじっている。
直緒はおそるおそる、晶ににじり寄った。
「あのぉ……」
直緒は画面を横から覗き見る。
「これ」
晶は近づいてきた直緒に、スマホの画面を向けた。
そこには期間限定のビアガーデンのサイトが表示されていた。
直緒は晶のテンポが独特なことに今更驚いたりはしない。けれど、晶が気分でなくなってしまったのなら、残念なことだと思った。それも自業自得であるが。
「楽しそうだね。明日行こうよ。夜もやってるみたいだしさ」
直緒は晶が夕方に起床することを見越し、提案した。
「そういうところだ」
晶は静かに言うと、直緒に視線を向けた。
直緒は晶に射抜かれてたじろいだ。晶の言葉を汲みきれない。
「ど、どういうこと……」
直緒が戸惑っていると、晶の手が直緒の方へとのびてきた。
髪を櫛で梳かすように、優しく撫でられる。
晶は慈しむように目を細め、直緒に微笑んだ。
直緒は晶のその表情が好きだった。
晶に愛されることは、他のどんな誰から向けられる『愛』よりも心地よくて、純に、深く、心に溶け入るから。
晶の肩からシーツが半分落ちる。鎖骨の形が目立つ華奢な首周りが露わになった。
そこには直緒が理性の制御が効かない内につけた跡が、いくつも滲んでいた。視線が惹かれる。
「来週でいい。明日は多分、外出れないから」
晶の両手に頬を包まれ、囁かれる。
直緒がまぶたを閉じると、晶にそっと唇をうばわれた。
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