虹の橋 封鎖できません

瑠俱院 阿修羅

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猫殿さまの美食と食欲不振

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寝ている私の頭を、爪を出したままマッサージして飯くれアピールで起こす。
13年間ずっと続いてきたジョルジュの日課だ。
最近はモネが私の頭のすぐそばに来て大音量で鳴きながら飯くれアピールをして起こすことが多く、そういう時は迫力に気おされるのか遠慮するのか、どこか別の場所で待機している。
この場合は原因がわかっているからいいが、理由もわからずこれをしないでいると焦る。
突然、頭に猫の爪が食い込まない朝があって、何事かと思った。
いつものように3匹にご飯をあげたのに、ジョルジュだけが食べない。
病気で食欲がなくなったことなら一度ある。
だが、この時は、一週間くらい前に健康診断を受けて問題なし良好と言われたばかり。
何とか食べてもらいたいと、ドライとウェットフードの混合を下げてウェットだけあげたが、見向きもしない。
伝家の宝刀ちゅーるをあげても食べない。
ジョルジュがちゅーるを食べないというのは、太陽が西から登るのと同じ。
気が動転して、どうしたらいいかわからなくなった。
何も食べない時間が長くなると人間にとってはちょっと不健康なダイエットだが、猫だと命の危険につながる。
とりあえず、手や顔を近づけると舐めるジョルジュの癖を頼みの綱に、指にちゅーるを付けて近づけた。
それだと舐めて少しずつは食べてくれる。
かなり時間はかかるが、その方法で総合栄養食ちゅーるをなんとか1日に一本分食べさせた。
土日2日間をそれでしのぎ、週明けを待って獣医に行った。
原因はわからず、背中に点滴を注入して胃腸を活性化するという方法が取られた。
家に帰り、夜が来て朝が来てジョルジュの胃腸は活性化されず、また獣医に行く羽目になった。
点滴液が毎回3000円。
もう経済的に無理かもしれないと思い始め、ペットゴーで最後の望みのビタミン液を買ってそれが届いたあたりで、何の前触れもなく急にジョルジュの食欲が戻った。
その後しばらくは、爪出し頭皮マッサージで起こされるたびに「お腹すいてくれてありがとう」と言いながら飛び起きていそいそとご飯の準備をした。
今は、飛び起きはしないがなるべく要望に沿うようにしている。
布団を頭からかぶって防御することはなくなった。
欲しがるたびに与えるのは健康によくないけど、食べたいアピールほどありがたいものはない。
何も食べてくれないと途方に暮れるし、獣医に連れて行って毎日点滴3000円なんて、どんな大食いの猫よりお金がかかる。
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