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第4章:制服のまま帰る道
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夕方。病院の裏門を出た瞬間、悠真はそっと息を吐いた。
(ふぅ……終わった……)
緊張と戸惑いの連続だった実習初日。それでも、大きな失敗もなく一日を乗り切れたことに、少しだけ達成感があった。
けれど、それと同時に──
「スカート、やっぱり……目立つよな」
女子実習生と同じ制服。周囲の人は、遠目には自分を普通の女性スタッフだと思うかもしれない。でも、近づけば顔を見て、「ん?」と首を傾げる人もいるかもしれない。
制服のまま帰るのは、勇気がいった。
でも、着替える時間も気力も残っていなかった。体がどっと重くて、リュックを背負う手もだるい。
(こうなったら……このまま、急いで帰るだけだ)
電車に乗るとき、スカートがふわりと揺れないよう、自然に手で押さえる仕草をしている自分に気づく。足をそろえ、膝を閉じて座る姿も、もはや無意識だった。
(女子たちが言ってた通りだ……だんだん自然に動きが変わってくる)
吊革を持つと、キャミソールの肩紐がずれるのを感じる。下着ひとつで、こんなにも身体の意識が変わるなんて思ってもみなかった。
(……不思議だな。自分が、ちょっとだけ、綺麗になったみたいな気がする)
(ふぅ……終わった……)
緊張と戸惑いの連続だった実習初日。それでも、大きな失敗もなく一日を乗り切れたことに、少しだけ達成感があった。
けれど、それと同時に──
「スカート、やっぱり……目立つよな」
女子実習生と同じ制服。周囲の人は、遠目には自分を普通の女性スタッフだと思うかもしれない。でも、近づけば顔を見て、「ん?」と首を傾げる人もいるかもしれない。
制服のまま帰るのは、勇気がいった。
でも、着替える時間も気力も残っていなかった。体がどっと重くて、リュックを背負う手もだるい。
(こうなったら……このまま、急いで帰るだけだ)
電車に乗るとき、スカートがふわりと揺れないよう、自然に手で押さえる仕草をしている自分に気づく。足をそろえ、膝を閉じて座る姿も、もはや無意識だった。
(女子たちが言ってた通りだ……だんだん自然に動きが変わってくる)
吊革を持つと、キャミソールの肩紐がずれるのを感じる。下着ひとつで、こんなにも身体の意識が変わるなんて思ってもみなかった。
(……不思議だな。自分が、ちょっとだけ、綺麗になったみたいな気がする)
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