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第3章:女子たちの輪の中で
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休憩時間。実習生控室の一角では、女子たちが集まってランチを広げていた。
悠真もその輪の端に座っていた。最初は緊張で手が動かなかったが、同じグループの女子──明るくて世話好きな由梨が、気さくに話しかけてくれた。
「早川くん、ぜんぜん違和感ないよ。ピンク似合ってるし、立ち姿も綺麗。スカートに慣れた?」
「え、いや、あの……まだちょっと……」
「ふふ。最初はそうだよねー。でも、一週間もすれば、座るときに自然と脚閉じるようになるよ」
由梨の何気ない言葉に、悠真は顔を赤らめた。
(……それ、僕もそうなってきてるかも……)
食後、女子たちがメイク直しを始めたときも、悠真は手持ち無沙汰だった。鏡に映る自分の顔はすっぴんで、どこか浮いている気がする。なのに、制服だけは彼女たちと同じで、ふわっと揃ったスカートの裾の中に、自分も含まれている。
(おかしいな……なんで、こんなに“居心地が悪くない”んだろう)
実習という現実の中で、少しずつ、悠真の中の何かが変わり始めていた。
悠真もその輪の端に座っていた。最初は緊張で手が動かなかったが、同じグループの女子──明るくて世話好きな由梨が、気さくに話しかけてくれた。
「早川くん、ぜんぜん違和感ないよ。ピンク似合ってるし、立ち姿も綺麗。スカートに慣れた?」
「え、いや、あの……まだちょっと……」
「ふふ。最初はそうだよねー。でも、一週間もすれば、座るときに自然と脚閉じるようになるよ」
由梨の何気ない言葉に、悠真は顔を赤らめた。
(……それ、僕もそうなってきてるかも……)
食後、女子たちがメイク直しを始めたときも、悠真は手持ち無沙汰だった。鏡に映る自分の顔はすっぴんで、どこか浮いている気がする。なのに、制服だけは彼女たちと同じで、ふわっと揃ったスカートの裾の中に、自分も含まれている。
(おかしいな……なんで、こんなに“居心地が悪くない”んだろう)
実習という現実の中で、少しずつ、悠真の中の何かが変わり始めていた。
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